今や昔のスーパースター

今や昔のスーパースター

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ずっと心臓が痛いんだ

人の手に触れるのが苦手 一度掴まれたら もう離してくれないような気がして 名前を呼ばれるのが苦手 もう何者にもなれないような気がして 目を逸らされるのが苦手 二度と僕を見つめてくれないような気がして きっとどうしようもない不満に苛まれて いつまで経っても無色透明でいたい だってなんだか綺麗に見えるから もし僕に色を付けるなら君は何色って言うんだろう 何色って言われてもきっと腹が立つんだろうな 勝手に決めつけないで欲しいから もう何年か経てば この世にこんな大きな

    • 僕に中指を立てた映画

      人生とは映画の様なものなんだと 僕のことを嫌いな誰かが言っていた ああ嫌だ 僕のエンドロールで勝手に涙を流さないで 僕自身じゃなくて 僕という追体験に共感しただけだろう 矮小な自分のグラスにも少なからず曇りがある事を自慢する為の道具に使わないでくれ 救いも何も訪れない物語に生きているだけなのに 差し伸べられた手を喰い千切ってきただけなのに こんなものすら終わってしまえば娯楽と化すなんて だからいつまでも貴様らを呪いながら睨むことしか出来ないんじゃないか

      • 一過性の暴力性ですね

        楽しかったって自分に言い聞かせていることに気付いた時に、じゃあ楽しくなかったのって聞かれる気がして怖くなった いつまで僕は僕だけを見つめているのだろう ある時家の中で無くしたキラキラを 今もまだポケットに入っていると勘違い 誰かの為に生きないと 僕はここにいちゃいけないんです 存在価値のある人間が羨ましい いてもいなくても変わらない人間が妬ましい いない方がいい僕は今日も山椒魚に恋をする 君も僕と同じだねって鏡越しに話しかける 誰も楽しく無い僕なんていなくなれ

        • アフターグローのその先に

          心地よい喧騒の中に1人だけ 何もせずにいると まるで透明人間にでもなった気がする 鈍色に怪しく光るナイフの様な感情を また一つ見つけてしまったとしても ただ自刃の道具になるだけなのに 僕が傷つくことよりも 他人が汚れることの方が 誰かが僕をみてくれることが目的の なんて不愉快な愉快犯 きっと詭弁も道理も同一で 気分を害する何かでしか無い 誰が制止してくれようか 誰が律してくれようか 誰がこんなものを愛してくれようか 1人の世界に閉じこもり 他人を羨み妬む日々 そんな

        ずっと心臓が痛いんだ

          絵空事

          好きな漫画の映画を今更見たら何だか初めて漫画を読んだ時よりもチープに感じた 自分の感性がなのか映画がなのかはわからないけれど 亡くなった恋人が残した強がりな歌をまるで決別のように温める様に涙が出そうになった 素直に愛なんて歌えないし 盲目に無力は紡げない それでも一定の貧しさがあって やりたいことは無くなって やりたくないことは増えてって 気づいたら息してるだけで自傷になる そんな生活だからこそ誰でもいいのに恋だと間違え必要なものを捨てていく 自分を大事にしてい

          青く燃ゆる満月の如く

          白紙にインクを落としたら それだけでも芸術と呼ばれる そんな上下左右もわからないものを量産し 胸を張る僕の滑稽な日々は むしろ作品と呼べるだろう わかる奴がわかるなんて 言い訳だけは一流になって 自称している立場に自惚れて 今の僕よりも 名も知らぬ夜の星の方が 有名で 苦しんでるつもりで気取った自分はもう死んだ 本当の地獄に自分を招待しよう 明日僕が大成しなければ この命は手放そう まだ僕が青い頃 毎日そう思っていた まだ青い僕は 今日を生きることだけで満足している

          青く燃ゆる満月の如く

          冬は努めて春は雪解け、夜明けを希う

          自分には何が出来るのか そんな禅問答よりも 自分はどんな影響を及ぼすのかを考える 今日の僕はかつての僕が至った姿だから 当たり前のように歩いている悪路も 先人の轍の上だから少しだけ歩きやすい そうして繰り返す誰かの模倣が 自らの創造に変わった時 僕が世界に影響を与える瞬間が来る その時にこそ僕は初めて大空を見上げ 自分の至らなさを嘆くことだろう 今はまだ世間知らずな僕は 見ず知らずの誰かから指導を受けて 実力不足な自信を育んでいる いつの日か僕はあの輝く星になるだ

          冬は努めて春は雪解け、夜明けを希う

          僕を僕たらしめる全てを命と呼ぶ

          昨日20億回目の鼓動が終わって 明日僕が生きているかわからない 僕の心は単調では無いから 或る日の朝は涙が止まらぬ青空で 或る日は凍てつく程雨の降る夜で 与えられただけの命を簡単に捨ててしまえる ただの一滴も命を零さぬ退屈を 当たり前と享受出来ていたならば 薄氷の上に勝ち取った当たり前を 枯れた桜を見上げ春を待つことを うっかりと幸せなんて呼んでいたのだろう 誰かに笑われ蔑まれ嫌われたって ここにいる証明を叫び続けなければ 生きている意味は死んでいく その他大

          僕を僕たらしめる全てを命と呼ぶ

          悲しくないと嘯いた

          脳裏に青色のメロディが飛び散って 形の無い愛を言葉にした 神様は僕に愛される才能をくれなかったから 僕の両手では自らを温めることは出来ないから だからみんなが持っているそれが欲しくなる 愛されていないと まるでこの世界にいてはいけないと 大罪の烙印を押されている気がして 今日も僕は苦しいな 誰も僕を求めていない世界で 誰かを求めながら孤独に 自分だけを愛して生きている 誰かに愛されることよりも きっと僕には誰かを愛する才能がないのだろう いつの日かなんてもう夢にも

          悲しくないと嘯いた

          憐憫に思うなかれよ人間共

          何かが僕の中を侵蝕し 思考が濁り始めたその瞬間から 僕は数字に置き換わり 有象無象に紛れて死んでいく 歓声ではなく咆哮を 叫び続けなければ 僕がここにいる証明にならないのに 少しずつ僕の存在はこの世界に希釈され 半透明な毎日を繰り返し 群衆Aとして生きていくことが さも当然であるかのように 目前の絶望を受け入れられずに 逃げ続けていた末路なのだろう 絶望を抱きしめて 枯れた涙をまた流し 僕を認めぬ世界を憎めるように 僕をいらないこの世界を滅ぼして 汚泥の繭を突き破

          憐憫に思うなかれよ人間共

          揺蕩う僕と希う月

          ある朝目が覚めて 何もない1日が始まることに涙して 今歩いているこの道は いつか物語になるのかな 少しだけ陰る月が 今日も僕を嘲笑う 名前の無いお前など 僕と同じく誰も見てやしないのに 煌々と夜を彩っているから なんの反論も出来やしないんだ 夜空に手を伸ばしていても いつだって重力が僕の邪魔をして 地にある水面を月と呼び始めてしまうんだ 本当のお前を求めずに いつまでも偽物を追い求めて紛い物になるくらいなら 何者にもならず死んでいきたい

          僕の譜面は五十音

          満月に近づくにつれて少しだけ いつもよりほんの少しだけ スポットライトが当たるから 見たいものも見たくないものも見えてしまうんだ 強烈な才能を目の前にして それに憧れ 賞賛こそすれど それを貪るその他大勢にはなりたくなくて 僕も強烈な才能を歌って ここにいるって証明したいのに 存在が気づかれなければ死んでしまう筈なのに 大いなる矛盾の上に立つ僕は 今もまだ呼吸を続けていて 昔流行ったおもちゃみたいに 壊れたら僕も勝手に電池が切れると思ってた どうしてもどうしても今の

          明日滅んでも構わない様な世界

          自分のことが嫌いな人が羨ましいな 自分以外の誰かが自分を好きでいてくれるから そんな簡単に自らを人質に取れるのだろう 誰からも爪弾きにされてまで生きていくには 僕が僕を大事にするしかないのだから 僕が死んで喜ぶ奴らがいるうちは 自ら命を絶つことなど出来ないし 僕が死んだからって良い奴ぶって泣かれても それすらお前らの好感度稼ぎに使われるなんて虫唾が走る 僕の声が届かない奴が嫌い 僕の言葉が理解できない奴が嫌い 僕がこんなに泣き叫んでいるのに素知らぬ顔で 通り過ぎて行く

          明日滅んでも構わない様な世界

          秘色が溶け入るこの心

          車窓から見える雨上がりの青は 僕が耳を塞いでいる音楽と一緒に 僕の傷口を抉るんだ 心の傷跡はかっこいいからって 一生懸命世界に紛れて生きてみて ある日鏡を覗いてみたら 僕じゃない何かが映ってたんだ どこもかしこも泥だらけで張り付いた笑顔は 昔々に捨てられていたアニメの人形にそっくりで 今の僕はただのゴミなんだって気付いちゃった もう傷付かないように生きているのに傷だらけになっていくのは疲れたから どれほどの痛みを与えられようとも 自分を押し殺して生きていく方が僕は怖

          秘色が溶け入るこの心

          花冠が恨んでいる

          子供の頃の僕を見たら 浅はかで気取っててとても見ていられなくなって 死にたくなるのだろう 子供の頃の僕が今の僕を見たら 情けなくてだらしなくて 殺してしまいたくなるのだろう みんなが好きな洋服なんて学生服としか思えない 流行りの音楽なんて正に軍靴の音が聞こえてくる 僕以外全てくだらなくて 僕だけが価値のあるとても狭くて意味のない世界 そこでだけ僕は王様で そこでしか僕は生きられない そんな 自分を捨てて 一生懸命普通に紛れる それでも普通になりきれない僕でもない

          僕の名前

          「僕がそれを好きでいる」時間よりも 僕の方がずっと年上で 好きな色も好きな食べ物も 好きな歌も好きな人も みんな好きだったものになって そのうち思い出すこともしなくなるのかな 好きな人がいなくなってしまったら きっと上手く呼吸もできないし 僕の心の底からゆっくりと崩れていくと思ってた それなのに 明日も普通に生きているし そのうちお腹も空いてくる 僕は自分の感情よりも いずれ来るかもしれない幸せを優先する様な薄情な人間だったんだ この身を焦がし滅ぼす様な それ程まで