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7つの星が輝く場所  〜Permission to Dance in Seoul〜

2022年3月10日・12日・13日の3日間
ソウルのオリンピック競技場で行われたオフラインコンサート。

彼らの母国である韓国での2年半ぶりのARMYとの再会。
去年、同じオリンピック競技場で行われたオンラインコンサートとは違う
期待感が高まっているのはファンだけではなく
7人も同じ思いであろうことは
VライブやTwitterでカウントダウンをしてくれる様子からも伺えた。

幸いにも2日間のオンラインとライブビューイングで
彼らと同じ時間を過ごすことができた。


夢のような3日間
その3日間を当たり前だと思いたくなかった。
そして、感じたことを忘れたくないと思った。

忘備録と言うにはあまりにも拙いかもしれない。
バンタンを好きになって2年ちょっと
生でライブを見たこともない私の感想なんて
とても独りよがりな思いでしかないだろう。

“それでも、今回のライブは私の中の”好き”を重ねていく上で
大切で特別なものとなったこの時間を忘れないうちに
言葉にしておきたいとふと思った。



2022.3.10 〜Day 1〜


今までのオンライン配信と同じようにパソコンとテレビを繋ぐ。
ドキドキするが、オンラインコンとLAコンを見ていたので
”何が始まるか、どんなステージングか”がわかるドキドキだ。

VCRが終わり、画面がステージに切り替わる。
真ん中にある
”WE DON'T NEED PERMISSION”
と書かれたスクリーンがゆっくり上がりると
そこにいるのは赤と白でデザインされた衣装で佇む7人。

彼らの気迫が画面越しに伝わってくる。
その気迫に言葉を失い、息をするのも忘れて画面に吸い込まれた。
セトリは同じなのに
今まで見たものとは全く違うステージを見ているようだった。

母国での開催
目の前にはアミボムを持ったファン
ああ、この日をこんなにも待っていたんだ。

過去のライブを見ても
どのステージでも100%の力を出し切る彼らだけど
ソウルで2年半ぶりにファンの前に立つという喜びは
こんなにもエネルギーが出るものなのだ。

最後まで、ステージに7人で立つ彼らは楽しそうで
”皆さんが声を出せない分、僕達が何倍も頑張ってステージを盛り上げます”
と公演前に言っていた通り、歓声はなくとも
会場のボルテージが上がっていくのがこちらにも伝わってきた。





ソウルの空に響き渡るのではないかと思うほど
歌うことを思い切り楽しんでいたグク

前回、怪我で動けなかった分まで取り返すように
楽しそうにステージを駆け回っていたテテ

会場にいるアミ全員とアイコンタクトをしようとしているかのように
愛おしそうに客席を見つめる3年2組15番のジミンちゃん

最後の挨拶で少し目を潤ませながら
”本当に会いたかった、恋しい”とその思いを伝えてくれたホビたん

ステージを盛り上げながらも終始お砂糖モードで
最後に1日遅れの誕生日をお祝いしてもらい嬉しそうだったゆんぎさん

いろんなプレッシャーを跳ね飛ばすようにステージに立ち
”ここが僕達のHOMEです。”と噛み締めるように話したナムさん

アンコールではお手製(?)の被り物で
何よりも”アミを喜ばせる”ことを一番に考えてくれていたジンくん


なんて凄い人たちなんだろう。
客席が全部埋まっていないことが寂しくなかったはずはない
アミの声援が聞こえないことに戸惑わなかったはずはない
それでもその寂しさや戸惑いも受け入れてステージに立った7人。

”ソロステージがないのは、
皆さんに僕達の姿を少しでも多く見せたいからでもあり
僕達が皆さんのことを少しでも多く見ていたいからです。”

あと2日間、彼らはどんな表情を見せてくれるのだろう。
でもしばらくは今日の余韻に浸っていたい…
そう思わせてくれた1日目のステージだった。


【当然ながら私たちの仲は今前と変わらないね】






2022.3.12   〜Day 2〜



朝から緊張していた。
私にとって初めてのバンタンのライブビューイング
たくさんのアミが集まるところに初めていく緊張感
一緒に行く友達もいないし
しかもアミボムすら持っていない。
どんな服装で行けばいいの?
暗黙のルールはあるの?

そんなことを考えながらもギリギリまで仕事をして
5時半過ぎに映画館の自分の席に着いた。
スクリーンにはオリンピック競技場の様子が映っている。

初日の配信では調整されていたためわからなかったが、
会場中にクラップ音が響いている。
スクリーンに映し出されるMVに合わせて一生懸命クラップしているファン
ああ、このクラップ音が彼らのよるべとなっていたのだな。

私の座った会場はとても静かで
その静けさが私の緊張感を倍増させたが
室内が暗くなり、VCRが始まるとその緊張感は期待感へと変わっていった。

やっぱり家で見るのとは違う!
大きなスクリーン、響き渡る音
彼らの額の汗が飛んできそうなほどの臨場感。
静かだった室内はやがて小さな拍手となり、
アミボムを振る人、体でリズムをとる人、
室内中がスクリーンの中へと吸い込まれているよう。

家で一人で見るんじゃない、
言葉は交わさずとも、みんな同じ思いでソウルの彼らに
心で声援を送っていると言うことが
なんて心強く、楽しいんだろう!

会場に入るまでの緊張感が嘘のように
この場にいられることがとてもありがたいと思った。

1ファンである私ですらそんなふうに感じるのだ。
去年、同じ場所、大きなオリンピック競技場ででオンラインライブをした時に
客席に1人もいない状態を味わった彼らは
どんなに寂しかっただろう?
アミボムも声援もスローガンもない誰1人ファンが座っていない
“空(カラ)“の何万もの客席に向かってのパフォーマンスは
どんなに複雑な気持ちだっただろう?

あの時はわからなかった、彼らの思い
それでも
”虚しい”と言葉にできない思いを抱えてまでも
世界中のファンに自分達の姿を見せようとしてくれたのだ。

そんなことを思っている間にもステージは
大好きなBlue & GrayからBlack Swanへと流れていく…
どの瞬間も見逃したくないと目を凝らしてスクリーンを見つめていたら
Black Swanでジミンちゃんが羽に足を取られ、
すべって仰向けに倒れた。
会場中が”はっ”と息を呑んだのがわかった。
私も息を呑んだが、
一瞬それが振り付けであったのではないだろうか?と思ってしまうほど
ジミンちゃんは自然に起き上がりパフォーマンスし続けた。

曲が終わり、メンバーに”大丈夫?”と声をかけられた時、
ジミンちゃんは笑いながら空を指差しこう言った。

”今日は空が見たかったんだ…月が…”


なぜなのかはわからない。

ジミンちゃんのプロ意識
きっと初めての人が見たらそれが振り付けだと思ってしまうようなパフォーマンス
そして、それが終わった時に彼の口から紡がれた言葉

その感性に胸がいっぱいになってしまい
不覚にも私の涙腺は崩壊してしまった。

”落ち着け落ち着け!隣の人に迷惑だ‼︎”

そう自分に言い聞かせ
VCRの頃にやっとの思いで落ち着かせた。
(その時はもう一つスイッチがあることなど知らずに…)


Life goes onあたりで
天気予報通り雨が降り出した。
最初はメンバーの誰かが”これぐらい大丈夫”と
スクリーンでもわからない程の雨だったが
やがてその勢いは強くなり
夜空から降る無数の雨の糸がスクリーンに映し出された。
見る見るうちに彼らの衣装が、髪が、濡れていく
ステージの床は雨が跳ね返っているのが見える。

それでも彼らはむしろその雨も
一つの演出に見えるほど味方につけて
フルスロットルでパフォーマンスし続けた。




スイッチはアンコールにあった。

2曲目
♪Waiting for you Anpanman♪
テテの歌い出しの後
全員でメインステージからセンターステージへと走ってくる。
ライトに当たった雨が
まるで彼らに降り注ぐ宝石のようにキラキラ光る。
踊り、ピョンピョン飛び、ステージ隅々まで客席を盛り上げる7人。

LYSツアーで楽しそうに滑り台を滑りながら歌う彼らが大好きだった私は
”今”の彼らのAnpanmanを見られたこと、
滑り台はなくても、雨が降りしきっていても
7人で楽しそうにパフォーマンスをしている姿を見て
また涙が溢れて止まらなくなった。(恥ずかしい)

こんな姿をアミに見せたかったんだろうな
そして楽しそうにステージで飛び跳ねる自分達を見る
幸せそうなアミの笑顔を見たかったんだろうな。

そこにはパフォーマンスではなく、
会場を盛り上げるための楽しい“フリ“ではなく
一緒に心からステージを楽しんでいる7人の姿。

そんな彼らを見ていたら涙が止まらなかったのだ。
(いやほんとに恥ずかしい)


雨は最後まで止むことはなく
それでも彼らは最後の挨拶で雨に濡れたファンを心配しつつ
たくさんの愛を届けてくれた。

きっとこの雨は会場にいたファンにとっても7人にとっても
忘れられない思い出になるのだろう。

そんなことを思いながら映画館を出たら
雨が降っていないことにちょっと戸惑った。
そう、ここはソウルじゃないんだ。
そんな当たり前のことに改めて気付かされたと同時に
”今ばかりは雨だったらよかったのにな…”と空を見上げて思った。


【私たちはお互いの愛、お互いのファン】


 2022.2.13 〜Day 3〜


この日の朝、家事をしながら
ゆんぎさんの
「証明し続けるから、信じてついてきて」
という言葉がふと頭に浮かび
「今回のライブではどの日が”証明の日”になるのだろう?」
そんなことを考えていた。

2年半ぶりにソウルでのオフコンをする初日なのか
雨が降った中最高潮に盛り上がった昨日なのか
それともやはり、最終日である今日なのか
どの日が彼らが壁を乗り越えた1日として
語り継がれるのだろう?

そんなことを色々考えていたら
もしかしたらそのような解釈は違うのではないかと思うようになった。

どれか1日ではなく、3日間全てが彼らの証明であり
もっと言えば
今回開催するに至った彼らの葛藤と決断
自分達の姿をどう見せればいいのかと試行錯誤した準備期間
SNSやVライブで届けてくれた言葉

その一つ一つ全てが彼らの証明なのではないか?

そんな私のぼんやりとした思いは
最終日のライブを見て揺るぎないものとなった。

声が出せない、一緒に歌うこともできない
立ち上がって踊ることもできない

そんな観客に唯一許された”拍手”
初日は観客も彼らも戸惑っているように見えたが
最終日には彼らの”拍手して〜!”に合わせて拍手をしたり
手拍子もより大きく、より揃った一つの”音”になっていた。

ライブ前から彼らが持っていた”拍手”という不安材料が
7人とファンの一体感を生み出す大きなツールとなり
会場を盛り上げていた。

どんな困難も乗り越えて力に変えることを証明する7人
何度も驚かされ、感動させられ、
そして何度も何度も好きになるな…

幕が上がると
最後のステージを思い切り楽しもうとする7人が
歌い、踊り、飛び跳ね、走っていた。
会場中のエネルギーが一つになっていく様子が感じられ
圧倒されながらも
1曲1曲進行されていくにつれ
そのステージが終わりに近づいていることの寂しさでいっぱいになった。




アンコール

봄날

センターステージに向かって歩きだす
会場中を埋め尽くしたスローガンを
ジンくんが愛おしそうに見上げながら歩いている。
そんなジンくんの頭には紫で”ARMY"の文字
テテが優しい微笑みで歌いかけてくれる。

何度聴いても心に響く寂しくも優しい歌。
この曲が発表された5年前にはこんな状況になることなど
想像もしていなかったであろうに…

それでもこの日の♪봄날♪は、
今まで聞いたそれとは違った
春の優しい空気が彼らの周りに漂っている…そんな感覚だった。

曲が終わる頃には7人が1列に並び
次の曲のイントロが始まる。

♪We are Bulletproof ; the Eternal♪

世界中のアミがこの場にいたいと思ったのではないだろうか?
(私は思った)

一昨年、ON:Eコンで聴いた時
ジミンちゃんがおでこを擦りながら
“どうしてこんな目にあわないといけないのだろう?“と泣く姿が
あまりにも辛すぎて、曲の最後まで見ることができなかった。

今日は違う。
7人の胸にもファンにも
いろんな思いは去来するだろうけど

目の前にはファンがいる。
その声は聞けないけれど
一緒に歌うことはできないけれど
それでもスローガンの海の間から
輝く瞳が見える。

We are only seven with you…


2年以上にわたる大きな試練の中色々な葛藤がありながらも
諦めなかった日々、
そしてこれからも前を向いて進み続けると言う
彼らの強い思いが伝わってくるような気がした。

最後の挨拶では1日目と同じように1人が立って話した。
私は、自分を恨んだ。
マルチビューだとどこを見ていいのかわからなくなるので
今回はシングルビューを購入したのだ。
メンバーがスピーチする時にワチャワチャしたり
ナムさんのあくびを見たかったな。

そんな人間らしい姿をステージの上で見せてくれる彼らが大好きだ。

「みなさん、すごく辛かったですよね?
僕たちもすごく辛かったです」 

このグクの言葉に、ファンの2年半が報われたような気がした。
きっと彼らの方がずっとずっと辛かったであろうに、
どこまでファンの気持ちに寄り添い続けてくれる人なんだろう?


このような制限された状況でも皆さんに会うと言う
責任感、義務感、その愛情で僕たちはこの場に立ったと言うことを
分かっていただければ嬉しく思います。
本当にとてもとても会いたかったし、とても愛しています。
5ヶ月前、オンラインコンサートをした時、
まさにこの場所で皆さんを待っていますとお伝えしたように
1ヶ月後、あるいは1年後、あるいはもっと遠い未来でも
いつでも皆さんをお待ちしています。
その時も今日のように頑張るので
ぜひお越しいただければ嬉しいです。

もっと言いたいこと、胸に去来する思いがあるであろうに
それを言葉にするのがもどかしそうなナムさんの言葉。           

“待っていてほしい“と言うアーティストはいるが
ファンに“待っています“と言ってくれるのを私は今まで聞いたことがない。
なんだろう?この胸があったかくなる気持ち。

ナムさんが泣かなかった。
誰も涙を流さなかった。

いつか、
オリンピック競技場を埋め尽くしたファンの歓声に包まれた時
思い切り嬉し涙を流して欲しいな…
そう思った。

彼らがこの日最後に届けてくれた言葉は
いつか、待っていてくれる場所にたどり着けるその日まで
1日1日、前に進んでいこうと思わせてくれるものだった。


最後の曲
♪Permission to Dance♪
を歌う彼らは最高の笑顔でキラキラ輝いていた。

空を泳ぐ2頭のクジラ
青いクジラは7人、そして赤いクジラはARMYだろうか?

“僕たちに許可はいらない
お互いを思いやり、励ましあいながら
共に人生を泳いでいこう“

そんなメッセージが届いたような気がした。

【寒い冬の終わりを経て また春の日に出会うのだから】


ありがとう!


3日間、彼らにたくさんの幸せをもらった。

歌やパフォーマンスはもちろんのこと
ステージに対する彼らのプロ意識とは対照的な
彼らの人間らしさや7人の絆が至る所で感じられて
そんな彼らの全てをぐるっとひっくるめて全部大好きだなと思った。

誰しもが生きていたらいいことばかりではなく
人生の中でそのタイミングは違えども
辛いこと、やりきれないこと、悲しいこと
自分ではどうしようもできない試練に向き合うことがある。

そんな時、彼らの音楽は
いつもそばに寄り添ってくれている。
一体どれだけの人が彼らの言葉に、音楽に
救われてきたのだろう?

“永遠は信じない“とナムさんは言った。
それはある意味正しいのかもしれない。
この世に永遠は存在しないのかもしれない。

それでも、彼らの“音楽“は永遠に聴きつがれ
人々の心に寄り添い続けるだろう。

そして、どんな歩幅であろうとも
そのスピードが変わろうとも
彼らが歩み続ける限り
その歩みに寄り添い続けたいと心から思わせてくれる7人。

私の中の“大好き“がまた更新された時間だった。
3日間、幸せと生きる力をありがとう!



最後に…


“思い“は言葉にした途端に陳腐なものになる。
心の中にある“想い“を“思い“のままに言葉にできたら
どんなに素敵なことだろう。

残念ながら私にはその文才はなく
まだまだ心の中に彼らへの思いが消化されずにいる。

でもそれでいいのだと思う。
今、心の中にある形にならない思いも
いつか、彼らを見た時に急にその輪郭が浮き上がるのかもしれない。

言葉にできないからこそ優しい光を灯す思いもあるはずだ。

もう少しの間、3日間の彼らを思い出しながら
たゆたう思いに心を委ねていようと思う。


私の拙い言葉を最後まで読んでくださって
本当にありがとうございます。



2022. 春のような日差しの日に…               
                     ゆき❄︎

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