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信頼されるUGC(ユーザ生成コンテンツ)とは?

三段論法(さんだんろんぽう)
→ 大前提→小前提→結論の形の推論方法。

私自身、社会人になってからずっとやってきていることがある。

大前提、小前提、結論の推論方法という今回のテーマはまさにピッタリといったところだが、仮説を立てては実証していくという手法だ。

ただ、なんとなくずっと意識してやってきたというのが始まりで、言語化できるようになったのは最近のような気がする。

そのためには、大量のインプットとアウトプットが必要になるからである。

そして、今回もアウトプットしたいと思っている。

その内容は、推論方法とリンクする、UGC、つまりユーザ生成コンテンツについてだ。

UGC(ユーザ生成コンテンツ)が購買を後押しする

UGCという指標が現代のビジネスにおいては欠かせないということは、くり返し述べていることだ。

もはや、UGCという指標を知らないということがマズいので、あえて説明はしない。

ヤバいと思った人は、UGCについては下記にまとめてあるので、こちらを読んでから戻ってきてもらいたい。

UGCという欠かせないマーケティングの指標

10~60代の男女1100人を対象に行った生活者のUGCに対する意識調査2022というインターネットリサーチによると、実に全体で64.6%がUGCを信頼すると回答している。

その問いは、商品やサービスの購入時にUGCを信頼するかというものだ。

つまり、64.6%の人が、商品やサービスを購入する際に生活者の口コミやレビューを信頼するというのである。

このリサーチをさらに掘り下げていくと、女性全体と、男女問わず30代までの年齢層が特にUGCへの信頼度が高いことがわかった。

女性は69.1%と、男性の62.1%を上回っており、年代別で見ると、40代で65.5%、30代で69.9%、20代で73.9%、10代で100%と、若い世代ほどUGCへの信頼度が高まる傾向がある。

n数が若干少ないことは否めないのだが、UGCが購買を後押しするという傾向は否定できないと断言してもいい。

UGCが注目を集めている理由

私がなぜUGC(ユーザ生成コンテンツ)という指標をこれほどまでに注視しているのかには理由がある。

それは、UGCはユーザからの発信であるため、企業目線でない親しみやすさがあり、商品やサービスを実生活にどのように取り入れていけるかを消費者がイメージしやすいからである。

その結果、ユーザとは全く関係のない第三者が商品やサービスを購買することに繋がりやすいという点が最大の魅力なのである。

誰もが、信頼できる人に薦められてモノやサービスを買ったという経験があるだろうが、それがデジタル上で行われているのがUGCなのである。

ただし、UGCが注目されるようになったのは、皮肉にも商品やサービスの価値を伝える他の手段の影響力が下がってきた実態によるものだという考え方もある。

なにが言いたいのかというと、テクノロジーの圧倒的な進化により、広告の進化が著しいことが多大な影響を与えているということだ。

テレビCMなどが主流だった時代には、認知を取るために企業がお金を払って価値を伝えていく流れに拍車がかかったのが広告の実態だった。

そんな状況をテクノロジーが一変させた。

顧客視点に欠ける広告は消費者に見抜かれ、広告への嫌悪感も上がっていて、企業からの安直なメッセージは見透かされてしまう時代だ。

そんな時代に登場した比較的新しい概念が、デジタルマーケティング、つまりデジマというものなのだが、その根幹にあるものは広告ではなく体験だ。

YouTuberやインフルエンサーなど、個人の発信が力を持つ流れも加わり、その延長線上にUGCという指標が切り離せなくなったというのが実態だということである。

信頼されるUGCとは?

そんな今や欠かせないUGCだが、特に注目を集めているのが、テキストによるUGCだ。

上述したインターネットリサーチで、商品やサービスを購入する際に生活者の口コミやレビューを信頼すると回答した64.6%の人に絞り込んで、下記の質問をした。

それは、UGCの中でテキスト、写真、動画のどれが購入の意思決定に最も影響を与えるかというものだ。

その回答が興味深いのだが、結果は下記のとおりとなった。

  • テキスト:49.4%

  • 写真:29.4%

  • 動画:18.8%

テキストが約半数を占め、写真や動画といったビジュアルコンテンツが二分する結果となったわけだ。

写真コンテンツといえばInstagram、動画コンテンツといえばTikTok、YouTubeといった具合いに、ビジュアル重視のコンテンツが溢れている。

そんな中、UGCではテキストが筆頭なのは意外な結果にも思えるのは私だけだろうか。

この傾向はしっかりと分析しておく必要がある。

まず、特性の違いをしっかり見極めなければいけない。

写真や動画コンテンツの最も得意とするマーケティングの領域は、商品やサービスの認知を促すことはできるという点である。

もちろん、好きなインフルエンサーや人気YouTuberの紹介で購買するという人も一定層いるが、興味があるからといって購入してみようとはなかなかならないのが現実だ。

一方で、テキストだと、具体的な利用体験や課題解決をしたストーリーがあるので、購入を考えている人はイメージが湧きやすい。

つまり、良いところと悪いところをしっかりと語ることができるテキストは信頼されるというわけだ。

UGCの内容が信頼できる場合

どのような場合にUGCの内容が信用できるかについても、リサーチ結果が下記のように出ている。

  • UGCの内容が具体的でわかりやすい:46.3%

  • UGCの件数が多い:41.6%

  • オススメや良い点だけでなく良くない点についても書かれている:41.2%

世の中には商品やサービスが溢れている中、消費者は完璧な商品やサービスなどないことは理解している。

その人の生活環境や状況によっても受け止め方が違うこともわかっているので、良いことばかりをいうメッセージに対してはそもそも半信半疑なのである。

となると、くり返しになるが、良くない点についても書かれているレビューの方が信頼されるというわけだ。

また、リアルなレビューが知りたいとなれば、企業の推奨よりも自分に似た人がどう考えているかが重要となる傾向が強くなることも理解できるだろう。

ここでポイントとなるのは、消費者がいかに購買プロセスにおいて、自分ごと化できるかという点だということを再掲しておく。

仕掛ける側は、消費者がモノやサービスを買うとき、自分にはどう当てはまるか、自分にどうマッチするかを考えているはずだという意識を常に持つということだ。

例えば、累計100万人が購入したファンデーションといった謳い文句よりも、30代の働き盛りの女性の必須アイテムという方が具体的で刺さるということである。

認知するための方法はSNSを中心としたデジタルマーケティングを駆使して、最期のひと押しをテキストのUGCを使うというのがオススメというわけだ。

効果的にUGCを活用する方法

当然だが、放っておいていいUGCが生まれるはずがない。

企業側から具体的に、どういうストーリーを語って欲しいのか、どんなシーンでの体験を知りたいのかといった点を示唆していく姿勢が重要になる。

CRM、つまり顧客関係管理や商品同封物のクリエーティブ、また、商品やサービス設計そのものなど、消費者との接点でのコミュニケーションを工夫しなければならない。

その上で、UGCを誘発していくことを考える必要がある。

改めて、UGCとはユーザ生成コンテンツを意味しているので、ユーザが自発的に発信していく仕掛けをしていく必要があるということを覚えておこう。

そんなUGCには2種類あるといわれている。

商品主語のUGC

1つ目は、商品が持つ機能に焦点を当てているUGCを指す、商品主語のUGCだ。

見かけたことがあるという人も多いと思うが、例えば、商品が届いたという、いわゆる開封の儀と呼ばれるものや、この商品はオススメだとか美味しかったといったものだ。

ただ、あくまでその名のとおり商品やサービスが主語なので、企業が発信するメッセージに類似する傾向がある。

体験主語のUGC

そこで重要になるのが、2つ目のUGCで、体験主語のUGCだ。

その名のとおり、その商品やサービスによって、自分がどう変わったのか、生活がどのように変化したのかといった体験が語られる。

他にも、どんな課題を解決したくてその商品やサービスを手に取ったのかといった、より具体的に商品やサービスを通じてその人が得た体験が発信される。

例えば、50代の女性が中学生の娘と一緒に出かけるときにキレイでいたいからこのファンデーションを買ったといったような体験談だ。

1つ目に紹介した商品主語のUGCでも、CVR、つまりコンバージョン率などのKPIが平均的に1.1倍ほど改善するといわれているが、体験主語のUGCでは1.2~2倍ほどまでアップするという。

まとめ

UGCというユーザ生成コンテンツの重要性について改めて書いてきたが、最期にまとめていこう。

企業側もUGCの重要性は十分に理解しているとはいえ、UGCには大きく2種類あることも上述したとおりだ。

商品主語のUGCと体験主語のUGCで、いずれも重要なUGCだ。

けれども、どういったシーンでといった特定をせず、ただ商品やサービスをユーザに渡して、投稿してねと委ねるコミュニケーションではダメだ。

それだけでは、ユーザ側もどうしても商品主語にならざるを得なくなる。

当然だが、商材や人によって刺さるUGCは全く違うことを改めて認識すべきなのである。

どうったユーザにどういった形で届けたいか仮説と検証をくり返しながら細分化していくことが、購買をグロースさせることに繋がるというわけだ。

そのことを特にマーケターは十分に理解する必要があることを忘れてはいけない。


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株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。