今、ウッドショックが起きていることを知らないとヤバい理由
一点一画(いってんいっかく)
→ 漢字の一つの点、一つの画。
物事の成り立ちには、必ず原因がある。
その原因は1つずつ小さなものの積み重なっていることが多い。
ここ最近、ウッドショックが起きていることも、まさにその流れである。
ウッドショックとは?
◯◯ショックという出来事は大抵良くないことを意味していることは、なんとなく理解できるだろう。
良くないことというと抽象的すぎるので、景気や経済に悪影響があるという雰囲気を感じればいい。
オイルショック、リーマンショックといった出来事は多くの人が知っている、あるいは聞いたことがあるだろう。
ウッドショックはその名のとおり、ウッド = 木材に関することだ。
住宅木材価格が暴騰しているのだ。
この話題を出した瞬間にCOVID-19、つまりコロナの影響だとピンと来た人は素晴らしい。
風が吹けば桶屋が儲かるではないが、原因と結果を結びつけていくことは非常に重要だ。
自画自賛にはなるが、ウッドショックという言葉を見たときに想像していたことは、ほぼほぼ当たっていた。
なぜウッドショックが起きているのか?
価格が暴騰するというのには、理由がある。
需要と供給のバランスが崩れたときだ。
欲しいという人がたくさんいるのに、欲しいモノが足りない。
そうすると必然的にモノの値段は上がる。
まさにその原理がウッド = 木材にも起きている。
アメリカでは2020年夏頃からウッドショックがささやかれ、日本では2021年3月頃からウッドショックが表面化した。
世界的な指標となっているシカゴの木材先物市場では、2021年5月10日に一時過去最高値の1,000ボードフィートあたり1,700ドル(18万3,600円)を超えた。
これは2020年の4倍を超える値だ。
その背景には住宅ローン金利の低下やコロナ禍によりリモートワークが浸透によって、住宅需要が拡大したことにある。
また、コンテナ不足や貨物船の減便も重なり、木材の供給網が停滞を余儀なくされたことも影響している。
持ち家は資産なのか?
あなたは持ち家が欲しいか?
この質問に対して、なんの迷いもなく欲しいと断言する人は要注意だ。
毎月の家賃を払うくらいなら、自分の家を買った方がいいというのは幻想に近い部分が大きい。
ハウスメーカーやデベロッパーの営業トークに乗せられている可能性が高く、持ち家を買うべきときは圧倒的なキャッシュ(現金)があるときに限定した方がいい。
そうでない場合には持ち家は資産ではなく負債になる。
地価がずっと上がり続けるところなんて超絶限定的だし、建物自体の価値は経年劣化で最終的にはゼロになる。
それどころか解体という作業が入るとマイナスになる。
にもかかわらず、マイホームを手に入れることを未だに最高ステータスだと思い込んでいる人が多い。
歴史を知ることの大切さ
ではなぜ、夢のマイホームなどという謳い文句に陶酔する人が大多数を占めるのだろうか。
その原因にたどり着くには歴史を知る必要がある。
ときは1960年。
政権を握っていたのは、池田勇人を内閣総理大臣とする日本の内閣。
その池田内閣が打ち出したのが、所得倍増計画だ。
翌年の1961年から10年間のうちに、実質国民総生産を26兆円にまで倍増させることを目標にした。
その後、日本経済は急成長し、1955年から1970年頃までを高度成長期とか高度経済成長期と呼び、成長率は年間10%という驚異的なものだった。
2000年代の中国をイメージしてもらえたら、ほぼぼぼ経済成長率一致している。
大切なのはここからだ。
所得倍増計画の国策の1つとして、国民に持ち家を買わせるということを行ったのだ。
住宅ローンが登場したのは100年以上前の1897年(明治30年)、東京建物という会社が割賦販売を仕掛けたのが最初といわれている。
それから、1945年(昭和20年)に第二次世界大戦が終わり、戦後の焼け野原のなかで公的住宅ローン会社が産声を上げる。
それが住宅金融公庫、現在の住宅金融支援機構だ。
こうして公的な貸付制度が開始され、高度経済成長の波と鉄道などのインフラが発展したこともあり、首都圏を中心に多くのベッドタウンが開発された。
それを支援していたのがまさに国ということだ。
この一連の流れが、昭和期には家を買って一人前という考えが定着するまでに至り、未だに継承されているというのが現状だ。
自己判断の時代
新築を若いうちに買って、35年のローンを組んでお金を払い続けることが、本当に合理的なのか。
その土地に縛られ、転職もできないといった自分や家族の人生まで縛ろうとしていないか。
その質問に対して、なんの迷いもなくマイホームを手に入れることを選択するという人を止めるつもりはない。
けれども、選択肢の増えている時代だ。
stakは新築よりも中古の物件へ設置することをそもそも想定して作っている。
大掛かりな工事も必要なく、要らなければ簡単に取り外しが可能なのも好評だ。
stakのようなIoTデバイスをリノベーションとして導入するだけで、不動産の価値を上げることは可能だ。
これをステージングと呼ぶ。
私が問いたいのは、古い固定概念や周りに流されて自己判断能力を失っている、思考が停止していないかということだ。
ウッドショックが住宅について考える1つのきっかけになればいいと思う。
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植田 振一郎 Twitter
株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。