Z世代の四大インサイトと信頼関係の構築について
夫婦間も含め、人と人との仲がいいという関係は果たしてどのように生まれるのだろうか。
そこには信頼や信用という意識していない担保が発生していることは明確で、その信頼や信用というものは一朝一夕で築けるものではない。
そんなことは当たり前なのだが、その当たり前に気がついているようで気がついていないように感じている。
というのも、いわゆるZ世代のトレンドを分析すれば、そこに通ずるものがあるということに最近気がついたからである。
インターネットがもたらした情報革命
信頼や信用を蓄積するために重要なことは、全てをさらけ出すということだろう。
嘘や偽りがあれば、信頼や信用を蓄積することなどできないことは誰もが理解できるはずだ。
インターネットが世の中を大きく変えたのは誰もが簡単に情報にアクセスできるようにしたところだ。
今まではブラックボックスだったところが次々に明るみになったことで、中間に入っていた人たちが必要なくなったということだ。
どうやってやっているのかわからなかったものも、YouTubeの中に公開されていて、誰もが無料でアクセスできる。
例えば、調理方法、英語の学び方、絵の上手な描き方、動画編集の仕方などなど、なんでも少なからず参考になる動画が見つかる。
つまり、今まではブラックボックスにすることで利益をあげていた人たちの価値がなくなりつつあるということだ。
ということは、デジタルネイティブなZ世代は簡単に騙すことができないということに繋がる。
検索からレコメンドへ変遷しつつあれど、過渡期である今は両方を使いこなす人たちがZ世代なわけで、違和感については非常に敏感だということだ。
もちろん、これは耳にタコができるほどに聞くことだが、インターネット上には嘘や偽りの情報もたくさん転がっている。
フィッシングなどの現代ならではの問題もあり、リテラシーの低い人は引っかかってしまう。
ただ、そんなことすらZ世代は順応している人たちが圧倒的に多いのも事実だ。
Z世代の四大インサイト
Z世代を知るという言葉を書くと、それだけで若者を遮断しているように聞こえるが、ビジネスを行う上でカテゴライズすることは重要だ。
ということで、Z世代を意識する上で最も重要なのは、透明性と意味という2つのキーワードだ。
そんなキーワードを意識する上での四大インサイトがある。
インサイトは、人を動かす隠れた心と捉えてもらえるといいだろう。
この背景にはSNSの普及が大きく影響を与えたという点がある。
つまり、企業と個人の情報発信に非対称性がなくなったということだ。
情報の非対称性とは、市場における各取引主体が保有する情報に差があるときの、その不均等な情報構造のことをいう。
簡単にいうと、一昔前には情報発信に格差があったが、今の時代は企業が発信する情報でも個人が発信する情報でも差がなくなったということだ。
そして、ブロックチェーンなどの技術進歩で、あらゆる物事のトレーサビリティ(生産履歴の追跡)が可能になったことも大きい。
商品の原価率や環境負荷、従業員の労働環境など、これまで企業が意図的に隠せば見えなかった裏側の部分にまで生活者の目が行き届くようになったということだ。
今の時代は情報を隠すことがリスクでしかないということだ。
自社に不利な情報であっても、いかに情報を上手く先出しし、透明性を担保するかが求められる。
情報感度の高いZ世代に対しては、この透明性とプロセス重視が非常に重要になるということだ。
透明性とプロセス重視のトレンドのベースになるのが、サスティナブルな意味消費だ。
どういうことかというと、可処分所得が低いZ世代にとって価格が安いことが今でも正義であることには変わりない。
けれども、もはやそれだけでは完全に心を掴むことができない。
そこには、明確な選択理由が必要で、Z世代にとって消費は投票であり、相応の意味がなければならないのだ。
ブランドに求められるのは、モノづくりの思想や哲学を前面に押し出すことで、その価値観に共感するZ世代の輪が拡がっていくという。
Z世代からすれば、D2Cブランドは買う、支持する理由が明らかで、そのブランドを選ぶこと自体が自分の個性を表現することにも繋がるのだ。
その文化が、推し活だ。
アイドルやキャラクターなど、自分の推しを通して自己表現し、好きなことで繋がる新たな友人関係を楽しんでいるのである。
そして、この意味消費すらもはや古いという層が現れ始め、サスティナブルでなければならないという感覚がデフォルトになりつつある。
かつては、コスパという言葉を主体にビジネスが動いていたが、タイパへと変遷している。
この流れについては、以前も書いたことがあるので、詳しく知りたい方はこちらを一読して欲しい。
Z世代は、ながらに慣れている。
ここには先述したレコメンドの文化が定着していることも影響しているのだが、例えばTikTokのようなアプリは、立ち上げた瞬間に動画が流れる。
また、音楽のストリーミングサービスはリストが予め設定されていてランダム再生するという使い方をする。
つまり、自分から取りに行く情報以外は受け身で、選んで捨てるものという感覚が定着している。
もはや最重要なのは、コストではなく、効率性を重視するタイパという感覚を逃してはいけない。
ここのポイントは何度も書くが、レコメンドなのだ。
そして、タイパを重視する一方で、タイパ疲れということもいわれていることにも注目しておきたい。
Z世代は合理的である一方で、自分の好きなことに対しては時間をかけて丁寧に没頭する側面も併せ持つことも十分に理解した方がいいだろう。
情報があふれていて、いろんな選択肢があることは何度も書いている。
さらに先行きが見通しにくい現代において、誰しも簡単に正解は見つけにくい。
そんな中、心の内面や自分自身への関心が高まっていて、サウナやマインドフルネスがZ世代に支持されている。
正解のない時代に唯一信じられるのが、自分への投資ということだ。
自ら行動選択して、自分らしさを追求することで、納得解を得ようとするのがZ世代の基本マインドということである。
自分らしさの追求という面で、90年代の平成ギャルがZ世代女性の憧れの対象となっているというのもトレンドとして押さえておきたいところだ。
まとめ
Z世代に寄り添うことを重要視しているのは、多くの企業に共通していることだろう。
その中で注意しないといけないのは、顧客はもはや消費者とイコールではないということだ。
企業の独りよがりなアプローチは通じなくなっていることを理解すると共に、目先の利益優先ではダメだということだ。
Netflixが休眠会員が課金されないようなシステムを導入したように、損得ではなく善悪に近い感覚でビジネスを展開していく必要があるということも忘れてはならない。
なぜ、こんなにもZ世代に対して分析を行っているのかといえば、stak, Inc.が次にリリースするサービスに大きく関わるからである。
粛々とその準備は進んでおり、もう少し時間をもらえれば発表できると思うので、是非楽しみにして欲しい。
【Twitterのフォローをお願いします】
株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。