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コンマ1秒の世界の違いとピリオド1秒と言わない理由

邯鄲之夢(かんたんのゆめ)
→ 人の世の栄華のはかないこと。

沈既済の著した、枕中記(ちんちゅうき)にある故事に由来する四字熟語だ。

中国の趙の時代に盧生という貧しい青年がいて、なかなか科挙に受からず人生の目標も定まらなかった。

その後、故郷を離れた盧生は旅の途中に邯鄲(町の名前)で仙人と出会い、己の不幸を仙人に語った。

仙人は盧生に夢が叶うという枕を授けた。

盧生がその枕を使うと、みるみる出世し美しい女性と結婚もすると、波乱万丈ながら栄華を極め国王にも誉れ高い人生を送ることができるようになった。

しかし、やがて子や孫にも恵まれながら、年には勝てず眠るように死んでしまう。

そんな50年の年月を過ごしていたのは実は夢で、目を覚ますと仙人が作っていた粟粥がまだ煮えてもいなかった。

つまり、束の間の夢の中の出来事だったことに夢から覚めて気づいたのである。

盧生は仙人に人生の栄枯盛衰をすべて見て欲を払っていただいたと御礼を言うと、故郷に帰ったという話である。

世の中の栄枯盛衰の儚さを説いており、似たような四字熟語は多々ある。

それだけ人生というのは、長いようで短く、山あり谷ありということだろう。

コンマ1秒をピリオド1秒と言わない理由

束の間の時間という意味を短い時間と捉えると、コンマ1秒という表現がある。

0.1秒のことをコンマ1秒ということは周知の事実だと思うが、よく見て欲しい。

0.1秒はコンマではなく、ピリオドだ。

となると、コンマ1秒ではなく、正確にはピリオド1秒ではないだろうか。

そんな疑問を持ったことがある人は、私と同類だ。

なぜこんな現象が起きているのかというと、欧州と日本では桁区切りと小数点の表記が逆だということが関係しているらしい。

欧州では、小数点がコンマ桁区切りがピリオドとなっているのが、主流だというわけだ。

そして、明治時代に欧州の数学を積極的に取り入れた名残りが、このコンマ1秒という表現にあるというのである。

実際に、明治時代にはコンマが使われていたので、コンマ1秒といった表現が現代社会でも踏襲されているというのが通説だ。

コンマ1秒の世界

コンマ1秒の由来が理解できたのはいいとして、0.1秒の世界とはどんな世界なのだろうか。

ここでよく例えられるのが、野球の世界だろう。

ピッチャーマウンドからバッターボックスまでの距離は18.44m。

時速150kmのボールをピッチャーが投げて、それを打ち返すためには、キャッチャーに到達するまでの0.44秒で判断しなければいけないという話だ。

この世界観になると、0.01秒単位で反応をしていかなければならないのだ。

0.01秒をどのように縮め、どのように長くするのか、そんな世界での勝負が必要になるわけだ。

というのも、時速140kmで飛んでくるボールでいうと、0.01秒は41.67cm距離が変わるのである。

つまり、0.1秒という時間では、約4.17mもの距離になるということだ。

人間の脳の判断力

とはいえ、人間は目で見て脳から指令を出すには、約0.1秒かかるといわれている。

また、先述した野球の世界では、人間は打つ瞬間にボールをしっかり見ることは限りなく不可能に近いとされている。

つまり、バッターはピッチャーのリリースからボールの軌道を予測しバットを出さなければいけない。

時速140kmのボールを打つためには、0.2〜0.3秒程度のわずかな時間で見極め、スイングをしなければいけないということだ。

これが、時速150kmのボールになると、0.2秒以下での見極めが必要になるので、いかにスゴい世界で勝負しているのか理解できるだろう。

オートレースの世界での0.01秒

せっかくなので、オートレースの世界の0.01秒にも触れておこう。

オートレースとは、日本におけるモータースポーツの1つで、プロのオートレース選手達が競走車によって行う公営競技である。

そんなオートレースの世界では、着順が0.01秒差ということもしばしば起きる。

0.01秒差と聞くと、どんな印象を持つだろうか。

そして、オートレースには選手紹介を兼ねた模擬走行である試走というものがある。

ここでマシンの性能や調子を図るわけだが、試走タイムが0.01秒差だったとしよう。

多くの人はほんの僅かな差だと思うだろうが、とんでもない。

わかりやすく、具体的な例を挙げてみよう。

A選手の試走タイムが3.41秒、B選手の試走タイムが3.42秒だったとする。

試走タイムとは100mの計測タイムのことを指しているので、A選手の場合、100mを3.41秒で走ったということだ。

当然、B選手は100mを3.42秒で走ったということになるのだが、オートレースの世界では直線では時速150km以上、コーナーでも時速100kmのスピードが出ている。

これを0.01秒に当てはめると、約10mもの差が生まれているということになるのである。

まとめ

スポーツの世界では、僅かな時間でもドラマが生まれる瞬間が多々ある。

だからこそ、多くの人を惹きつけて感動が生まれるのだろう。

今回は野球とオートレースの世界で、コンマ1秒のこと、もっと短い0.01秒のことを書いたが、その他のスポーツでも往々にして勝敗が左右する。

脳で判断するというよりも身体が勝手に反応しているという表現の方が当てはまるのだろう。

そのために反復練習を何度もくり返すわけだし、必ずしもそれが表現できるとは限らないから面白い。

プロの世界では、そのアベレージをいかに上げていくかということに尽きるだろう。

それから、コンマ1秒、それ以下の0.01秒の限りなく短い時間であったとしても、二度と戻ることがないということもまた改めて噛みしめておこう。


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株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。