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無自覚な傍観者も加害者同様罪深いと教えられた映画「プロミシングヤングウーマン」

2021年アカデミー賞にて、脚本賞、作品賞、アカデミー主演女優賞、監督賞、編集賞の5つにノミネートし、脚本賞を受賞した作品「プロミシングヤングウーマン」を見てきました。


話は・・・
Promising young womanとはいわゆる「将来を約束された有望な若い女性」を意味する。主人公のキャシー(キャリー・マラガン)は学生時代に親友が性暴力を受けた恨みを抱え、夜な夜なクラブに訪れる泥酔狙いの男たちを狙って世直しを繰り返していた。ある日、偶然学生時代の同級生に出会い、学生時代の加害者たちに復讐を企む。


日本でも毎年ニュースになる、大学生の性暴力の事件。大学生とは不安定な生き物。日本の大学では一般的に4年間、18歳〜22歳の間にタバコやお酒を飲める20歳を迎える。もちろん18、19歳には禁じられているものの同じ学内どころかサークル内でさえ、酒が飲めない世代と飲める世代が入り混じっているため、不安定な組織になりがちである。


特に脳が性器に支配されている性欲まみれの猿みたいな男性がいれば、とりあえず酔わせてワンチャンを狙おうってやつが、大学時代に周りにいたことを思い出した。
そんな学生の頃、若い女性に酒を飲ませて遊んでいた奴らも社会人になると一丁前に責任とか社会の目を感じ、大人しくなったフリをする。
そんな腐ったヤツらを復讐するのが今作の話。

性暴力に対する復讐劇という、正直暗い映画かと思いきや、音楽や色使いなどが結構ポップでストーリーのイメージとは違い力強い内容だった。

しかも、軸は「復讐劇」なんだけど、冒頭・中盤・ラストでまったくジャンルが異なっているように見えるのも面白かった。

スリラーのような、ラブコメのような、ホラーのような、1つで3つのジャンルを味わえる、でも軸はしっかり復讐をたてている。

そして、とにかく繊細に作られている気がした。インタビューで監督のエメラルド・フェネルのリアルな世界を意識したと言っているように、復讐者には特別な能力があるわけでもなく、少し頭の良い女性が工夫しながら復讐していく。この復讐の仕方も素晴らしかった、これぞ次の犠牲者を生まない復讐だって感じ。
そして、性暴力の内容が含まれる映画にはよく過激な描写があったりするけど、本作では映像としては出てこない。これは視聴者に対する配慮なのかなって思う。

この作品の一番印象深いラストのシーン。
正直自分はラストを見て、一気に作品のイメージが変わってしまうほどの影響力があった。

パンフレットに載っている山﨑まどかさん、宇野維正さん、川口敦子さんの内容が良かった。パンフレット読んだ上でもう一度この映画見れば、また違う角度から楽しめる気がする。

加害者は悪いのはもちろん、何もせずに見てるだけの人だって加担した罪はあると思う。
見てるだけの人間にはなりなくはないと、 罪の意識を考えさせられる映画だった。

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