見出し画像

おもてなしは出来ないけど、話の脱線を防げるから、存在価値を見出せた話


突然だが、私は5年前からNPO法人Homikaという保育者支援の団体で活動している。
Homikaは『ほ』いくしゃの『み』らいを『か』がやかせるをミッションに、神戸を中心に保育者の方がたに豊かな学びと交流の場を提供する活動をしている。

私は本業である言語聴覚士の傍ら、「子ども」というキーワードで共通する保育者の仲間たちと共に活動している。

違うんだ、Homikaの紹介をしたかったわけではない。本題に戻そう。

***

実は今日、Homikaのミーティングがあり、1つ改めて思い知ったことがあった。

それは、

私は「おもてなし能力が低すぎる」という残念な事実。
同時に、仲間たちが「おもてなし能力が高すぎる」という事実。

今日は、廃校を再利用した施設でのミーティング。
建物内は寒いであろう予測だったし、コワーキングスペースほど物資が揃っていない。

私は慌てて家を出て、到着時間もギリギリで、手ぶらでミーティングに現れた。
そんな中、あるメンバーはケトルとクリスマス仕様の紅茶をもって、他のメンバーは手作りケーキをもって、会場を彩ってくれた。

ミーティングなのでもちろん議論が最優先なのだけど、彼女達のおもてなし精神のおかげで、すごく温かい気持ちでミーティングを進めることができた。

***

私たちの仲間の半数は大家族で育っている。兄弟が4人、6人と一般ラインより多めである。大家族の影響もあってか、彼女達はおもてなし上手エピソードが山ほどある。

彼女らのおもてなしの実力がどれほどのものか、その一部を紹介したい。

★私たちは自宅でのミーティングが多いのだが、まず自宅に行くと必ず様々な飲み物やお菓子を出してくれる。当日に買ってくれていたコーヒー豆をその場で挽いてくれるのも、気分が上がる。

★そして料理を振舞ってくれる。
大家族仕様の彼女らは大皿料理が大の得意だ。和洋中なんでも美味しい!

★万が一料理が足りなかったり、遅れてきた人がいる場合の対応もさすがだ。
話を続けながらもさっと席を立ち、温かい食べ物を追加で作ってくれたり、おつまみを作って出してくれたりする。

★季節感もとっても大切にしていて、自宅にはいつも季節を感じる草花を生けている。

★お泊りをすると、メンバーの好きな食べ物を用意してくれたり、朝食を食べれない人には手作りのお弁当を持たせてくれたりする。家の周りの自然スポットに散歩で案内してくれる時間もとっても心地がよい。

挙げ始めるときりがないのだが、私はこんな素敵な仲間と仕事をしている。

***

その後に書くこと自体億劫なのだが、反して私は「おもてなし下手」だ。

彼女らの良いところを真似しようと、見よう見真似でやってみるが、思うようにいかない。

なぜかもともと私周りは男女とも尽くすタイプの人が多く、私はいつ何時も“無動でOK”な人生を過ごしてきた(自分で書いてて少しひく)

というか正直な所、どこまで動いたらいいかわからないのだ。空気をよみすぎて逆に動けない、この苦悩を皆さんはわかるだろうか?

と、これは全て言い訳で、
まぁいわゆるもてない女の典型、それが私だ(なみだ)

そのエピソードとして、この間友人が家に遊びに来た時のこと。

私は仲間たちの真似をしようと、お家ご飯でもてなすことに。
意気込みだけはよかった‥‥

ピンポーン!インターホンがなり、覗き込むと私は驚きを隠せなかった。

友人は、4歳と1歳の子を連れてきていたのだ。

なぜ驚いたか、それは私が用意していたご飯は完全に大人飯だったからだ。
スパイスも使ってしまっているし、なんなら転換できそうな材料もない。

がーん。。。
友人は確かに預けて出歩くこともあったが、そりゃあいつも預けられるわけじゃないよね。そんな友人の置かれている環境を知りながら、想像や配慮ができなかった自分にショックを受けたのだ。

まぁこれくらいおもてなし力が低い私。

最初のうちはミーティングの中で、自分のおもてなし力のなさにがっかりすることが度々あったような気がする。

でも、よくよく考えると、最近はがっかりすることが減ったと思う。
素直に「こんなに思い遣ってくれてありがとう!」になってきる気がするのだ。

きっとそう思えるようになったのは、ミーティングの中で他の誰にもできない、私にしかできないことがある!と気づいたからだ。

それは
「脱線した話を本筋に戻すこと」

私たちのミーティングは、皆さんが想像する一般ラインよりも遥かに話が脱線する。
ずっと真剣に議論をしていて、別に遊んでいるという意味の脱線ではないのだけど、真剣に話すうち話の本筋は何だったっけ?となることが、度々ある。
他のNPOの方と共に過ごす機会があると、この様子をとても心配される(笑)

ただ私たちのミーティングにとって脱線は必要だ。
ということを皆がわかっている。

脱線をしなかったら見えなかった世界があるという体験を何度もしたし、多様性があるメンバーが揃っているからこそ起こる現象、ということも分かっている。
だから、誰も止めないのだ。

私は議論好きだし、話の本筋や今一番大切に考える必要があることを見出すのが苦手ではない。だから、話が脱線ししばらくし、そろそろ‥‥と思った時が、私の出番だ。


「本筋に戻すことは私に任せて!」
キュピーン!

と、役目を自ら買って出る。
そして、これを割と重宝してくれるのが、仲間の心の広さだ。

というか、そもそも、
こんな脱線事故多発のミーティング、他の会社だったらありえないか(笑)

でも!私はこの仲間とだから、自分の「必要性」を感じることができた。

***

私はれっきとした凸凹人間だし、恐らく私の仲間たちもそう。
人間誰しも、大なり小なり凸凹はあるのだと思う。

みんなでいると、自分の「ぼこ(おもてなしレベル底辺)」も目立つけど「でこ(脱線した話を本筋に戻す)」も目立つ。
1人でいるとどっちも目立たなかったり、私の場合「ぼこ」ばかりに目がいきやすい。
みんなと一緒に活動できているおかげで、私は自分の存在意義を見出せた気がしている。

それが「話の脱線を防ぐ」という、世の中的にはあまり重宝されない役目だったとしても、ね(笑)

 ありがとう、仲間たちよ。

※今日は仕事に関係のない話なので、文調を変えてみたら、とっても書きやすかった。(自己)満足。

いいなと思ったら応援しよう!