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慣れと器用は、また別モノ

保育園にいくと、レゴやラキューを使った、大人顔負けの制作物に出会うことがあります。大人からすると「遊びの様子からとても器用だと思います。」と言われることのある子たちですが、実際の生活動作を見てみると、カバンのチャックを閉めることや、着替えを畳んで袋に入れることなどが、上手くできず、投げやりな形になっていることがあり、「違和感」を感じます。果たして、この子たちは本当に器用なのでしょうか?


※この記事は、小児科医石川道子先生と言語聴覚士ももさんとのInstagram Liveの内容を引用しています。発達障がいの子にあるあるな姿をまとめていますが、書かれた内容が当てはまるからといって発達障がいというわけでも、発達障がいの子だからといって全て書かれた内容が当てはまるわけではない点は、ご理解下さい。ライブ全編はこちら⇩

https://www.instagram.com/hattatsu.hoiku.gakkou/


本当の器用さとは?

初めて持ったものを器用に扱えるということが「器用」で、いつも遊んでいる玩具を上手に扱うのは「熟練」だと思います。本当に器用だったら、ちょっと違う玩具や道具も上手く使えます。いつもと違うものに異様な抵抗する子は、本当の意味で器用じゃないのかも?と思います。

発達障がいの子の中には、遊びの中で、熟練工のようになっていく子が少なくありません。遊びがワンパターンな場合が多いので、いつも同じ玩具を使って、同じ種類のもの(例えば電車系)ばかりを作っているためです。大人は、いつも作ってるものでは、想像力や指先の器用さは、正確に判断しかねるな、と捉えた方が良いと思います。

指の動きをよく見てみよう

親指と人差し指の対立の動きは、1歳前後から遊びで出てきます。しかし、発達障がいのお子さんの中には、対立の動きの時にも、親指と人差し指での対立ではなく、親指と中指・薬指・小指の対立になっていて、人差し指がバランスをとる指になっていることがあります。

一見、物をうまく摘んでいるようだけど、5本の指で物を掴んでいた時から少し上手くなっただけなのかもしれません。よく見ると、親指と人差し指の2本で細かい動きをする必要があるおもちゃでは、あまり遊んでいない場合があります。

だから、レゴやラキューのような細かいものが操作できるので「器用」と思われていても、ジャムの袋が小学校に入ってもちぎれない、キャップが取れないといった状態が続くこともあります。

生活の中での援助

支援者としては、遊びの中で違うおもちゃを使って器用に操作できるようにしていくことも1つですが、やはり生活動作が上手くできる練習を重ねることの方が大事だと思います。

そこまで器用だったら、生活動作ごときなんとなく出来るだろう、と思われてしまう場合がありますが、発達障がいの子の場合、そこが落とし穴です。生活動作ができないと、お家での生活だけでなく、集団生活での支障も大きくなってきます。特に小学校にあがると、大人の手助けがぐっと減るので、できるだけ幼児期のうちに、生活動作での手先の動きというのは鍛えておくと良いでしょう。


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