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子宮がん検診
封筒を開けて、胸がドキンとした。
春に受けた子宮がん検診の結果に、見慣れた「陰性」以外の文字が書かれていたからだ。
「ASC-US」
ST~IMT~化生に軽度の核腫大、クロマチンの増量を認める異形細胞を認めます。Mild dysplasiaを否定できません。Follow upをお願いいたします。
何度読んでも理解できず、ネットで検索。
緊急性は高くなさそうだが、異形成が疑われている所見だそうだ。
そもそも、異形成ってなに…?
正常でも出る場合もあるとかないとか、そんなに心配しなくてもいいとか、いろんな情報が出てきて、うまく呑み込めなかった。
とにもかくにも、結果票に記載されている「医療機関をすみやかに受診してください」という文言に従い、婦人科に予約を入れることにした。
しかし、結果が届いたのが子どもの夏休み直前、子連れで受診できないクリニックのため、約2か月後の予約となった。
医療機関を受診
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婦人科はいつも、ものすごく混雑している。午前保育の水曜日、幼稚園バスのお迎え時間が迫る中、予約時間を1時間ほど過ぎて診察室に呼ばれ、再検査をしますと言われた。
お決まりのあの恐怖の内診台に座らされ、通常ありえない体制で膣内に器具を入れられる。下半身からひんやり伝わる緊張感は何度受けても慣れない。
爪切りのようなもので子宮の一部を切り取る。ほんの数分だけど、ものすごく長い時間。心臓がドキドキ鳴って、血の気がサーっと引く感覚。そして、普通に痛いし、結構な出血量。
2週間後に結果を聞きに来てくださいと言われてその日は帰宅した。
そのあとも1週間以上出血が続き、なんとなくだるい毎日だった。結果は心配だったけど、その間に娘が風邪をひいたりして結局結果を聞きに行けたのは1か月後。
やっぱり異常だった
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今度は、待合室に座った瞬間に名前を呼ばれた。
先生から伝えられた検査結果は、「軽度異形成」だった。
心臓がひゅっとすこし上がった。
先生のはなしでは、どうやらいきなりがんになるわけではないらしく、その前に「異形成」という、がんの前段階があるそう。軽度→中度→高度→がんという風に推移していくらしい。わたしは軽度、いわゆる初期の段階のようだ。
軽度異形成は、自然に正常に戻る場合もあるため、特に今すぐ治療というわけではなく定期的に経過を観察するということだった。
3か月後にまた検査の予約を取るように言われ、その日は10分もかからず病院を出た。
忙しくても検診に行こう
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再検査になってもなお、心のどこかで大丈夫だろうという気がしていたわたし。でも、今回あらためて定期的に健康診断を受ける重要さを感じた。
バチェラー4に出演されていた休井美郷さんが、6年ぶりに受けた子宮がん検診で高度異形成と分かり手術したというニュースも記憶に新しい。
正社員で働いていたときは、会社から日時を決められて当たり前に受けていた健康診断。子宮がんや乳がん検診も一緒に受けていたが、それがとてつもなく有難いことで、恵まれた環境だと気づいたのは退職後。
今は、自分で動かなければ検診は受けられないし、費用がかかるものもある。自分で病院を探し、日程調整して予約。いざ予約日が近づくと子どもが体調不良になりキャンセル、また予約しなおして…とハードルがとにかく高い。
でも、やらぬ後悔よりは良い。
子どもの笑顔を守るため、そして自分も笑顔でいるために。
健康第一、身体が資本。
そう自分に言い聞かせて、年末またあの内診台に乗ってきます。