「母」に浸食されていたわたしのはなし
ここ何年か、わたしにはストレスがあった。
それは夫がわたしを女性扱いすること。
何を言ってるんだ…?と思われるかもしれないが、聞いてほしい。
具体的にいうと、「かわいいね」「あいしてるよ」というストレートな愛情表現や、頻繁なスキンシップ。出かけるときは、「荷物は持つから、かわいい恰好しなよ」とスカート推奨。
普通ですか?ぞわっとしますか?みなさんはどう思っただろうか…。
わたしはこれらの言動がうっとうしく、そして重たく感じていた。
そしてちょっと気持ち悪いと感じている自分もいて、戸惑いを覚えていた。(ごめん、夫…)
夫の名誉のために言っておくが、彼は昔から変わらないのである。
優しいし、寛容で、大事なことはしっかり伝えてくれる愛情深い人。
そんなところが大好きで結婚して、幸せで、でも子どもが生まれてから何だか違和感。
変わったのは、多分わたし。
産後のホルモンバランスの変化?
そんなのもあるのかもしれないけれど、一番の要因は、わたしが常時「母親モード」でいることだと思う。
専業主婦で、夫は普段激務でワンオペ生活のため、24時間365日「母」でいなくてはいけないし、母としての顔で過ごす場しか持ち合わせていない。
だから急に「妻」を求められても対応できないのだ。
でもそれって何か悪いの?しょうがなくない?
そうならざるを得ないんだし…
だいたいなぜ貴方は変わらないままいられるんだい?なんて思っていた。
夫のきもちを聞いてみた
ずっとなんだか気持ちがすれ違っている気がして、はじめて夫にこの気持ちを打ち明けてみた。
そしたら返ってきたのはこんな言葉。
はじめて聞いた夫の本音。そんな風に考えてたんだ、と驚くと同時になんだか急に愛おしく感じた。
わたしの気持ち
夫のことは当初から変わらず好きだし、結婚して良かったと思っている。そして今後もずっと一緒にいたいと思っている。
でも、なんだか、母になった自分はそんなこと思ったり口に出すのはおかしいような気がしていたんだなぁ。
親になったなら、ゆるぎない母でいなければ!
となんだか肩に力が入ってしまっていたみたい。
わたしは母であり、妻である。
もっというと娘であり、姉であり…と色んな顔があるわけなんだけど、「母」というひとつの役割にずっぽり嵌って抜けなくなっていた。
もちろん、わたしが娘の母親であり続けることはこの先も変わらないんだけど、なんだかちょっと呪いが解けた気分。
もっと軽やかに、気楽に、いろんな役割を楽しんでいいのかも。
そうなるにはやっぱり努力もいるけれど、そんな自分でいたいなと思う。