イヤイヤ期の娘とふたりきりで過ごしていたわたしへ
ちょうどひと月後、娘は幼稚園に入園する。
家庭保育の3年半。
夫は多忙で実家も遠方、ほとんどの時間をふたりきりで過ごしてきた。
終わりの見えない毎日に、心が折れかけたことが何度もあった。
特に大変だった2歳イヤイヤ期は、よく泣いていた記憶がある。
娘も、わたしも。
娘のイヤイヤ虫と戦った記録と、あの頃のわたしへのメッセージをここに残しておく。
むすめ流のイヤイヤたち
娘はことばが早く、1歳ごろからかなり意思疎通ができた。
2歳前から2語文3語文を話せていたため、伝えられずにもどかしくてイヤイヤというのはあまりなかった。
だから、これがイヤイヤ期だと気づくのに時間がかかった。
というか、振り返って「あぁ、あれがイヤイヤ期だったんだ」と気づいた。
寝起きの世界がイヤ
とにかくこれが一番しんどかった。
朝の起床後やお昼寝のあと、娘は何に絶望しているのかというくらいに泣き続ける。
「立って抱っこしてぇ~」と言いながら延々泣く。
短くて1時間、長いと2時間越えの苦行。
ご飯も作れないし、腰はバキバキ。
降ろすと暴れて泣き叫び、立ち直りがもっと遅くなるし、遊びやお菓子で気を引く作戦も効果なし。
就寝環境に問題がないか様々試したが変わらず。
ご要望通り立って抱っこする以外に対策なし。
自分のベッドがイヤ
これまた睡眠関連。
娘は母のベッドじゃないと寝れない病を患っていた。
自分のベッドがあるのに、わたしのベッドにもぐりこみ、腕をさわさわしながら寝る。
寝返りを打つたびにぶつかり、何度も目が覚めるのでわたしは常に寝不足。
寂しくないようにぬいぐるみを置いてみたり、わたしが娘のベッドで一緒に寝てみたり、ベッドカバーを大人と同じものにしてみたりするも惨敗。
みんなと一緒がイヤ
生まれた直後にコロナ禍になったこともあり、おともだちと遊んだ経験が数えるほどしかなかった娘。親子で参加するプレ幼稚園では何度も心を砕かれた。
まず、椅子に座っていられない。
加えて「おともだちは禁止!あっちけ!」などの暴言。
ダンスの時間にホール中を全力疾走。(そして出ていく)
まわりの子たちは先生のはなしを座って聞けるもんだから、よけい目立つ。脱走する子なんてうちの娘だけ。
気がつよく、口が達者で、活発な娘。
制御できず走り回る親、わたしだけなんだけど・・・
育て方まちがえたかな、もっと早くからおともだちと遊ばせるべきだった?うまくいかないな、心折れそうだな、と何度も思った。
誰にも言えなかったけど。
泣き続ける娘を抱っこしながら何度も泣いたし、寝不足で毎日イライラしてた。プレ幼稚園の日はいつも憂鬱だったし、帰りになんども怒ってしまった。先生に半泣きで相談したこともあったなぁ。
――でも大丈夫。
今では自分のベッドで寝ているし、寝起きもだいぶ良くなったよ。
たまに泣きながら起きてくるけど、気持ちの切り替えがずいぶん早くなった。
腕は、いまだにさわさわするけどね。
おともだちとも少しずつ遊べるようになってきたし、みんなと一緒に椅子に座ったり、ダンスしたりできてるよ。
初めて会う子にも「一緒にあそぼー!」って誘いに行ってる。
信じられないかもしれないけど。
もうすぐふたりきりの世界がおわる。
たった数時間だけど、わたしと別の時間を過ごす娘。
それはとても楽しみで、でもほんのちょっとだけ寂しい。