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【私的感想】vsブレントフォード プレミアリーグ第16節 12月15日

12月15日に行われたプレミアリーグ第16節のブレントフォード戦のマッチレビューをしていきます。


スコア:CHE(2)-BRE(1)

得点者CHE:ククレジャ、ジャクソン
得点者BRE:エンべウモ
プレミアリーグでブレントフォードに対して勝ちがなかったチェルシー。怪我人も少しずつ出始め、少し不穏な雰囲気もあったブレントフォード戦。マレスカ監督もブレントフォード対策なのか、CCBにアダラビオヨを配置し、ククレジャの偽SBでギュストを右CBという配置で、コルウィルとギュストにアーリークロスを多く放らせるシーンが目立った。中盤は攻撃時にはカイセドの1アンカーを採用していたため、エンソとククレジャだけでなく逆サイドのウイング陣もボックス内に入ってくるような設計でクロスが上がると大外の選手はフリーの状態を作り続けていた。結果的に先制点はアーリークロスからだったことからもマレスカの策は良い結果となった。終盤こそ危険な場面も増えてしまったが、トータルで見るとブレントフォードを圧倒した。

MOM:カイセド(CHE)

1アンカーの配置に関してはやはり彼なしではできない戦術の一つであり、彼が思う存分ボールに対する予測と球際の強さや足の出す上手さを発揮。相手からしたら後ろ向きでボールを受けようとしているところにカイセドが来ることが何より嫌だろう。この試合でもインターセプトやボール奪取でチームに貢献。攻撃時にもフィードからチャンスを演出するなど申し分ない働きであった。

1点目:マルク・ククレジャ(CHE)

先述の通り、この試合明らかに狙っていたアーリークロスからの得点。マドゥエケが右サイドでボールを持つと、早いタイミングでクロス。これがドンピシャで入ってきたククレジャの頭に合い、先制点に成功した。1アンカーだからこそのククレジャの立ち位置と、マドゥエケも素晴らしいクロスだった。マドゥエケにとってはネトがサスペンションの影響で試合に出られないタイミングだったので良いアピールとなった。彼はドリブルまでは素晴らしい評価だが、その後のシュートやクロスにはまだ課題を感じる部分が大きいが、このクロスのようなボールを蹴れるようになると、相手も対策が難しくなり、より得意のドリブルが生きるようになるだろう。

2点目:ニコラス・ジャクソン(CHE)

相手のファビオカルヴァーリョがボールを持ち、出しどころを探し後ろを向くと、そこにすかさずカイセドのタックルが決まり、ボール奪取。このボールを横にいたエンソに繋ぐと、ジャクソンはすぐさま走り出す。エンソもそこに丁寧なボールを流し込み、ジャクソンは相手DFと1対1の状況に。これを完全に自分の間合いに持っていくことに成功し、右足にボールを運ぶと右足を振り抜き追加点に成功した。ジャクソンのこのようなゴールシーンはあまり見たことがなく、どうしてもドリブルで詰まってしまう印象があったがこれは大きな成長だ。ストライカーとして1番自信がつくようなゴールになったのではないだろうか。前節のトッテナム戦では悔しがるシーンも見せていたジャクソン。この試合でも1つ決定機を外してしまうシーンがあったが最後はしっかり仕事をしてくれた。これで今シーズン9ゴール目。20ゴールも見えてきた。

3点目:エンベウモ(BRE)

ククレジャのスローインからカイセドに渡るが、3人に囲まれボールを奪われると一気にカウンター。裏に抜け出していたエンベウモにボールが渡ると、アダラビオヨも一か八かのタックルを仕掛けたが交わされ、そのままゴールを決めてみせた。このシーン、カイセドやククレジャのところでファウルをしても良いように見えたが累積を考えるととか退場の可能性もあったため、難しい判断か。コルウィルの部分でオフサイドを狙いにいくこともできたと思うが、味方の方が多い場面で無理に狙いに行くものでもないとも思う。アダラビオヨに関しては判断ミスという結果になってしまった。もしあそこでディレイの選択が取れていたら失点につながる可能性は大きく下がっていただろう。それにしてもエンベウモのスピードと決定力には脱帽でした。

各選手の評価(10点満点)

ロベルト・サンチェス 7.0

勝利に導くビッグセーブを2本披露。ビルドアップ面も一度トラップミスをしていた部分以外は最低限のタスクをこなし、このパフォーマンスであれば問題ないと言えるだろう。むしろこのビッグセーブを定期的にみせられる力はそろそろ認めないといけないのか。少し悔しいが正ゴールキーパーに異論はない。

マロ・ギュスト 6.5

この試合は右CBとしての出場となったが、守備時は相手が右サイドからの攻撃がほとんどなかったこともあり、高さなどで攻められることもなかった。サンチェスのビッグセーブに助けられた場面ではセットプレー崩れのポジショニングについて反省をしないといけない部分だ。どうしてもボールにアタックするタイプの選手であるため、ボールウォッチャーになってしまっている印象だ。今後押し込む展開ではこのようにアーリークロス主体の攻撃も増えてくると思われるので、クロスに関しては少しずつ精度を上げていかないとこの使われ方だとリースがベストチョイスと言わざるを得ない。

トシン・アダラビオヨ 6.0

コルウィルの代わりにCCBを務めたこの試合。最後のタックルの部分は少し勿体なく感じるが、セットプレーでは存在感を発揮。攻め込む時間が長かったことで加点ポイントがなく、最後のタックルのせいで少し評価は低いが、可もなく不可もないパフォーマンスだった。

リーヴァイ・コルウィル 8.0

そろそろ注目されても良いくらいのパフォーマンスを継続している彼は空中戦の強さやカバーリング、前に出ての守備とどれも質が高くなってきている印象だ。ラインコントロールの部分も少しずつ改善が見られ、自ら手を挙げてオフサイドをアピールする場面も増えてきた。攻撃時にはこの試合はアーリークロスを多く放る戦術のため、左CBでの起用となったが時折良いボールをあげており、チャンスを演出。CCBでも左CBでも器用にこなす姿を見るとCBのファーストチョイスの座は確定で今後彼中心のディフェンスラインになるのは明白だ。

マルク・ククレジャ 7.0

先制ゴールに退場とこの試合はククレジャ劇場と言わんばかりのパフォーマンス。偽SBに彼が入ることでカイセド、エンソと合わせた3人のトランジションディフェンスの凄まじさを痛感させられる。相手からしてもこの3枚を抜くことがなかなかできず、常にチェルシーがボールを持つ展開を余儀なくされていた印象だ。それほどまでに的確なタックルと対人守備の能力はずば抜けており、ゴール前での強さまでみせてしまった彼の今後の起用法に注目していきたい。

モイセス・カイセド 9.0

攻撃が微妙な形で終わり、悪い雰囲気になりかけたところに全て彼が現れ、流れを引き戻し続けた。彼がいることでボール保持の時間は明らかに増え、相手からしても厄介な存在になっていることでよりボール奪取が容易になってきている印象だ。ゴールやアシストなどの結果に出ない分、パーマーほど注目されていないが、正直パーマーよりイカれている。なぜマケレレ、カンテ、カイセドととんでもない選手が同じスタイルに憧れてチェルシーにきてくれるのかわからないが、何年後かに始まるであろう彼の後釜探しはまた大変そうだ。

エンソ・フェルナンデス 7.0

正直この試合のエンソは最近のパフォーマンスの中ではあまり良くない方だった。前半はボールロストする場面も多く見られ、うまく攻撃に絡めていなかった。ただそれでも最後までプレスをかけ続ける姿勢はキャプテンマークを巻く人物であることを証明していた。彼のプレスは非常に賢く、コースを完全に限定すること+奪い切ることも考えているため、自分で取れなくても次の場面でカイセドが奪い切ることができている。そしてなんといっても最後のアシストだろう。何気ないボールだがあれはなかなか簡単にできるものじゃない。今シーズンは結果もついてきている彼がシーズンが終わった頃にどんな評価になっているのか楽しみで仕方ない。

ノニ・マドゥエケ 7.0

先制点を演出したクロスはお見事。今後の選択肢の一つとして相手を混乱させることができるほどの有効なものだった。ただそれ以外の部分では決定機も多いだけに外すシーン、相手に当ててしまうシーンが多く印象に残る。縦への突破もこの試合は何本かみせていたが彼本来の良さはカットインよりも縦突破。カットインからのシュートが今シーズンは決まっていたことから相手も対策を練っているからこそガンガン縦突破を狙って欲しいところ。

コール・パーマー 6.0

一つ一つのプレーのレベルの高さは見られたものの、ゲームチェンジャーの役割を果たすことはできなかった印象。求めるものが高い分、結果につながらないと少し残念な評価になってしまう。ただもちろん彼のプレーを見るのは楽しいし、ボールを持つと1番期待できる選手なのは間違いない。毎試合スーパーである必要はないので、輝くときにしっかり輝いてもらえれば問題ない。引いた相手のクロスゲームとなると彼のいかし方はサイドに置くことなのかもしれないと感じたゲーム。彼のポジションにエンクンクをおいて、ボックス内でごちゃごちゃさせるのも面白そうだ。

ジェイドン・サンチョ 6.0

攻撃時には大きな違いを見せることができなかったこの試合。一つパーマーのパスから裏へ抜け出した場面ではシュートで終わることができず。ああいった場面で決め切れるようになれば問答無用でスタメン左ウイングになれるレベルにいるのであと少しの部分を積み上げていきたい。ムドリクがドーピング問題に揺れる中、彼が調子をキープできないと層的には苦しくなってしまう。ただ、守備にもしっかり走って戻るシーンも見られ、意識は非常に高く終盤まで走れている部分を見ると、安心して見てられる選手の1人だ。

ニコラス・ジャクソン 8.0

決定機を一つ外してしまったものの、最後にはしっかり仕事をしてスタンディングオベーションで交代。その歓声に値する活躍を見せていた。ポストプレーから相手を剥がすシーンは昨シーズンに比べ減ってしまったことだけ少し気になるが、守備面でもコースを限定したプレスをし続け、攻撃時に決め切る力がついてきたことで無駄なカードの話もいつしか聞かなくなった。悪いところが目立たなくなり、活躍が期待されるレベルにきた今、毎試合のようにチャンスが来るチームの中でどのくらい期待に応えられるか。大物になってくれ。

まとめ

年末に差し掛かり、試合数も増えたなかでしっかり勝ち切ることができているのはとても良い印象だ。他チームが引き分けや負けなどで取りこぼしが出てきている現状で、しっかり下位チームから勝利を掴めるサッカーは非常に魅力的だ。毎試合相手を抑え込み、チャンスを作り続けられる今のチームは思いの外、プレミアリーグにはあっているのかもしれない。シーズン後半戦はビッグ6相手に勝ち切れるチームになるために、下位チーム相手に少しずつ形を確立していきながら、各個人のレベルアップも図っていけている現状は恐ろしいくらいに順調だ。まだ優勝争いができるほどの強さはないにしても夢を見れるレベルにきただけでもファンからしたらたまらない。今後まだ若い彼らがどのように成長していくのか。今シーズン1つはタイトルを取って良い形で終えられるようにしたいところだ。
ムドリクの不安なニュースも入ってきた。チームの雰囲気が良い中、このような残念なニュースは聞きたくないが、エンソの問題の時も素晴らしい対応をチーム全体でできたことを考えると、今回もどんな結果であれ、チームとしての対応は安心できる。好きな選手なだけに良い結果であることを願いたいところだ。


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