恐怖
身体の半分がまともに動かない身としては高いところでの動きに対して非常な恐怖を感じる。
発症直後はベッドの上で臥位のまま過ごさざるを得なかった。
リハビリも座位はともかく立位を取ることが恐怖だった。
何かあった時身を守る術がこの身体ではわからなかったからだ。
リハビリだからPTさんなどのスタッフがすぐそこにいるから心配はないのだけど。
それに増して怖かったのが入浴だ。
まだまともに座位を保持できなかったからか入浴の時は専用のストレッチャーに横になって体を洗ってもらっていたのだが背中を洗う時は横を向かなければならないくその体勢をとるのだが横に向くということはストレッチャーからすぐそこに見える床を目に入れてしまう。
ストレッチャーは入浴専用だからスタッフが作業しやすいように寝台部分が高くなるようになっている。
そんなところから自分を支えることが出来ない身だから落ちてしまうかもといった気持ちが拭いきれずに支えてくれているスタッフにしがみつこうとしていたものだ。
今でも高いところはダメだ。
昔は当然なんともない階段や歩道の段差などが怖く近くを通らなければならない時は身体に要らぬ力が入ってしまう。
自由に動かないというのはそう言った恐怖と付き合っていかなければならい。