日本のデジタルトランスフォーメーションの遅れと利益流出 DX22 策はあるのか。宣伝媒体の作り方 プラットフォームを意識するよりコミュニティを作れ
1プラットフォームで解決?
これを見ると、日本はプラットフォームを取らなかったから負けたという人が多そうです。しかし、私は失われた20年でDX化をしなかった技術的負債が、今出たと言っても間違いがないと思ってます。オンラインに行けども、オフラインのビジネスモデルを壊さない配慮を持って対応している中途半端さで、オールインする会社に負けてしまったと言っても良いです。
プラットフォームという言い方は非常に安易です。プラットフォームになるの意味は、導線を描くこと。まずサプライサイドを固めた上で、デマンドサイド(ペイサイド)を固めること。アプリならアプリ開発を多くすることで、需要サイドを増やす。変な店が沢山あってもくるはずがないわけです。如何に基盤を安くして、かつ、需要サイドのデマンドを高め、その期待感をサプライサイドに見せつけることでサプライを増やすか。サプライが増えればデマンドは自ずと増えます。
Googleは、まさにネットの期待感を使いサイトのオートメーション(引用を中心にアルゴリズムを作ること)によりサプライサイドを繋げてしまいました。アマゾンは、腐らない本を中心にサプライサイドを固め、安く供給することで、田舎の本がないマーケットを刈りとってのではないでしょうか。コスト、デリバリー、クオリティのうち、まずデリバリーを優先して、かつ、運賃を無料しにすることでボトルネットを意識させなくしたのは革新的なサービスです。かつ、マーケットプレースを使い、競争をAmazon圏内に持ち込んだ。アフリエイトを広げていった。デリバリーサイドが強ければ、サイトのリンクを本の紹介で貼りますよね。ストレスを最小限する設計を1番しているのがAmazonです。その上で様々な商品に向かい、販売モデルを確立しました。本屋潰しにより、寡占の利益を得ていくことで流通をおさえたのはAmazon。前に強かったウォルマートの流通(ハブアンドスポーク)を優に超える期待値を作り上げてしまいました。ネットとリアルの統合をいち早く達成した(OMO)のが、Amazon帝国ですね。楽天は、楽天大学に象徴されるようにネット店長に対するエンパワーメントをがっつり行なっている、まさにドンキーホーテーのネット版。色々なキャラクターの店長が様々なネット戦略を繰り広げていく。ここに行けばネット販売について何かやれるとO2Oへの期待値で立ち上げているテナントが多いのではないでしょうか。送料などを無料にするとかは、以上の店長のエンパワーメントでは難しいですよね。楽天とAmazonでは地方分権と中央集権ほどの違いがあります。その分、楽天はキャピタル、サービスなどAmazonで供給してないエリアまでとってます。マーケットはそれほどとってないですが、供給サイドをおさえたのはでかいです。ついつい、ペイサイドに目がむきがちですが、サプライサイドをおさえている楽天は一時代を築いたと言って良いでしょう。
プラットフォームを作るというイメージではなく、どうサプライサイドを集めて、ユーザーに喜ばれるかだけを考えるしかありません。
昔は、プロバイダー(例えばAOLなど)、その他のハードウェアが席巻していたが、独禁法などにより、どんどん上のレイヤー(フェースブック、テンセントなど上のレイヤー)が独占を享受することになります。
その流れを理解するとやるべきことは明らかです。
2 何を捨てるか?
サプライサイドを集めると言っても、意味がわからないですよね。
ソニーを見ると何を選択して、復活したか分かります。エンタメですね。テレビは維持して、パソコンは抜いていくとは誰も考えなかったはずです。テレビだとデジタル関係ないじゃないかと言われそうですが、今の時代テレビがデジタル化し始めていること、宣伝媒体としてバズーカー方であることは周知の事実ですよね。
バズーカー砲にデジタル化すれば伸びる、エンタメはこれから伸びます。ゲームを筆頭にコンテンツは伸びます。ハードからコンテンツに、つまり、ものを持つ時代から時間を奪い合う時代に変化をしてます。時間を奪う時代になると、誰か人柱になるかが大事になり、誰を中心にして自分の時間をコーディネートするかを考えます。つまり、人の時代の真意は、単にその人だったら時間を消費しても良いが、それ以外の人から時間を消費されたくないという意思表示です。
本能的に、区別がつかないものの場合、田舎でよそ者から何かを購入するよりも、知っているものから購入したくなる気持ちと同じようなものと理解してます。
人消費の意味がそうであれば、攻め方は簡単です。人とキャラクターに深化し、宣伝機能を一貫したインフルエンサーマーケティングをする必要があります。今の嘘くさいマーケティングだと本当に宣伝していることにはなりませんが、嘘をできるだけつかない信念のマーケティングであれば、理解されやすいでしょう。
エンタメとゲーミフィケーションはキーワードです。あらゆるものが「してはならない」から「すると評価が上下する」というゲーミフィケーション、RPG(ロールプレイングゲーム化)します。
誰を真似したら、上手くいくか皆が考えつつ、試行錯誤するしかありません。何を捨てるかといえば今までの成功モデルを捨てるというのが、1番です。
エンタメとゲーミフィケーションから遠い部分を捨てていくというのが1番手っ取り早いでしょう。
SDGsは、ゴールに向けたゲーミフィケーションと考えると分かりやすいです。真面目にやりすぎるよりも、皆がやりたくなるように持っていくしか、利益を得る、つまりサスティナブルな状況になりません。
3 宣伝媒体?
本件では、何を宣伝媒体として対応していくかですね。日本は、ソフトパワーは本当は強いものがありますが、こだわりがありすぎて伝播していない部分もありそうです。
Facebookやtwitter、インスタグラムは全てエンタメと考えると分かりやすいです。今まで市民の市民によるエンタメがなかったサードプレイスですよね。写真の次は何かと言えば動画ですね。そしてVRなど3D時代に突入することになります。今年からは5G。平面(2D)から立体(3D)、時間を掛け合わせた4Dになるのは必然であり、オンラインがオフラインを組み込むのは時間の問題です。自動運転で人とリアルに会う前に、VRで人と会うのは明らかに早いですよね。
つまり、自動運転はVRの変容により意味合いを変えてくるのです。会う必要がないのに、あえてリアルに会うことにしたという形に。テレビやネットで身近に見ることができるアイドルに会いにいくのはその熱量を確かめ、五感を感じるためですよね。ある意味、リアルは何を切り捨てるのかを確かめるために行くと判断すべきです。何を重要とするかの意思表示の場になるはずです。
キャラクターはその部分では少し弱いですよね。perfumeとキズナアイとを比較すると、リアルとネットの差が出ます。しかし、コミュニティがリアルにしていく場合があるのです。コミュニティが「神」を育てる場合があることを理解すべきなのです。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教その他の多くの神は見えないものだったはずです。それらは、コミュニティが肌感を出して、リアルなものへ変更させていきます。perfumeはリアルつまり創始者やカリスマですね。そうしたものをエバンジェリストという拡散段階、教会段階まで持っていけると、サスティナブルなビジネスに変えていけます。勿論、変化が大事なのはいうまでもありません。
美空ひばりさんのAIはまさに画期的でこの現実に気づかせてくれてます。コミュニティがあると、再現が可能に変わってしまうわけです。
これらを再現可能性に持っていくことが出来れば、コンテンツは生き続け、何世代もの宣伝媒体になります。
漫画は、静画であり、デジタル化というには残念なコンテンツです。いくらキンドルで見ようと、この決まったフォーマットで見るのは馴染みがないので海外の人からすると難しいでしょう。英語が出来ないとハリウッド映画を見ることができないと言っているようなものです。漫画のコミュニティづくりの難しさは、茶道と同様の決まりごとがあり過ぎて源流すぎるところです。
とすれば何をすべきか?今の時代では、バーバル(テキスト)→ノンバーバル(口では説明できない何者か)に変化してきてます。
ハイコンテキストとローコンテキスト、ハイタッチとロータッチに分かれてます。
1ハイコンテキスト、ハイタッチ
動画(コミュニティが小さい、マニア)
ゲーム
高価なもの
2ハイコンテキスト、ロータッチ
大部分の漫画
3ローコンテキスト、ハイタッチ
ハリウッド映画
ネットフリックスの売れ筋
4ローコンテキスト、ロータッチ
YouTubeなど
ここを狙うべき
今の時代は、時間の奪い合いであり、ハイコンテキストから訴求すると、他の導線に誘導されて、いくら宣伝を頑張っても誘導されません。気づいて、そこに誘導されないと、利益を得ることが難しいです。コミュニティが小さいと、伝播されません。熱量がないと同様に拡散されません。
4を狙い澄ましつつ、熱量を高める手法が1に誘導するために必要であり、工夫を凝らす必要があります。
現在の漫画は、アシスタントもいますが、プロットも全て作者が一応は考えます。編集者はマーケティングに頭を悩ませます。しかし、もし、マーケティングチーム、クリエイティブグループ(ストーリー、デザイン、絵の品質管理)、デイストリービューション、カスタマーサクセスまで持っていけると、構造改革が出来ます。
今のままだと、ジャンプ→単行本→アニメ→マーチャンダイズと日本国内しか考えてない仕組みですが、動画とゲームを組み合わせることで、システマティックにコンテンツを育てることができます。
さらに、子供は、情報量の少ない漫画、アニメの方をドラマより好むとされてます。その理由は、わかりやすいからです。
韓国の漫画サバイバルは、内容の難しいものを、わかりやすく伝えようとしてます。
これらは今学んでいる知識がどの時代であれば、役立つかを分からせてます。比較的、アニメなどは、勉強の意味を広範囲にわからせることが出来ます。知識よりもその時に使いこなす知恵が必要なのもわかります。
こうしたコンテンツを持ちつつ、伝える力が弱いため、まだまだ輸出という流れにはなってません。ゲーム、動画というローコンテキストまで落としきってないからというのが私の仮説です。日本のマーケットだけを狙う意識が世界に広がってないというのも原因でしょう。データは日本でしか広がらないという弱みがあります。
アンパンマンからいろいろな漫画を見る状況から、今の世代はYouTubeに移行してしまっているのは、わかりにくい漫画が多くなってハイコンテキストではない現状もあるでしょう。若い世代を巻き込むことで、戦略的に誘導が可能であるにもかかわらず、大人世代のアクションまで繋がってないというのが、現状の難しさでしょう。キャラクターの方がITの親和性は高いのに残念な結果です。
今までの漫画を自動的にアニメをする方法が有れば、今までの宝を使いこなす事ができるでしょう。その上で、最初のあたりだけを無料配信をして様子を見ることが出来ます。
完璧な言語に翻訳するよりもまずわかりやすく自動翻訳を使うしかありません。また、吹き替えも人工知能で自動化を進めるしかありません。コマについても法則性を使い、勝手に変容させなければなりません。さらに色付も自動化させなければなりません。
このように考えると、今までのフリーランススタイルから、会社スタイルに変容し、ネットフリックスのようにしつつ、トレーディングカード、ゲームもトータルサービスとして作る。大きな戦略になります。これらを使い、いかにコミュニティを作るかが日本の戦い方として有効と考えます。
アリババ、テンセントであればできますが、今の日本ではそのようなでかいプレイヤーはなかなかいません。むしろ過去の亡霊に囚われてしまってます。
Vtuberはまさにこのエリアでは、変革をしているように見えます。マーケットを拡大させ、買収しながら突き進むしかありません。しかし、マーケットは小さすぎるので、どこ会社が先にやるかを見ておく必要があります。
その時に大切なのはネットワーク効果まで、理解し、例えばゲーム、トレーディングカードなどまで導線を張ることができるかなど、様々な施策が必要です。
過去は、漫画などあまり長く作るなというものがあった様子ですが、これからはエンターテインメントと言うよりもコミュニティ自身がエンタメ化するので長くても良いのです。ガッカリしたとしても、例えば寅さんシリーズくらいになれば、もはやコミュニティ形成されていると思います。
目下のところ、モビリティ、部品会社、コンテンツのあたりをデジタルトランスフォメーションをすること、そしてコンテンツに力を入れることで、日本の製品をこのコンテンツが推薦しているから購入した(まさにワインのような作りですね)という形になると、日本の産業にとっても追い風になると思われます。
ちなみにゲーム産業はフォートナイトで1800億円とメディアとしては巨額なものになってます。
https://note.com/marketing/n/n240eb59cd2a2
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