戦い方は消費者保護から独禁法へDX15 新たな法による戦いへ 個人情報保護法から独占禁止法へ

1 弱者のための戦いの武器としての独禁法

昨今データのトラフィックが増えたことで、今まで分化していたパワーが蓄積されてきた。

過去はトヨタ、日産、ソニー、日経など各々の会社が力を持っていた。消費者保護法、景品表示法、独占禁止法、下請法など、B2CとB2Bとで大きな区分があった。

インターネットは、あらゆる情報を消費者から飲み込み、あらゆるデータを蓄積していった。こうしたことは前例になく、国家よりも情報集積できる会社はほぼ無かった。法律で制御できるレベルを超えていった。

情報は全てである。インサイダー情報さえ入れば、1秒で百億円でも稼げてしまう。それくらい情報は把握する価値がある。

データは石油の代わりに破るという予言通り、なくてはならないものだ。独占の意味は、パワーから情報の独占に変わったと言っても過言では無い。

データの集積を1日で早く適正にすれば、指数関数的に伸びてしまう。指数関数的に伸びてしまう場合、もはや追いつくことは永久にないというのが理論上のものである。

そこで取引の透明化、消費者との取引でも独禁法の適用、個人データの保護、企業買収の審査の見直しとしてデータの集積が考慮に入れられることになった。

とすればグローバルでかなわない事実があっても、ローカルで足を引っ張る手として、独禁法という足かせが用意されたと言って良い。

これからは弱者の戦いとして独禁法を中心に組み立てが要求されることになるだろう。

デジタル・プラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者との取引
における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方

(デジタル・プラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方

以下は自分のメモであり、かつ、ここからは詳細かつ長いため(5000字以上)、特に開示をする必要性がないと判断した。

ラフに言えば、利用規約について個人情報を違反・潜脱する目的や行為は勿論のこと、強者であることを用いて徒に個人情報を取得する状況について記載したものと考えておいてよい。

上の記事を見れば概要がわかるので、下に進まなくても良いと思います!

2 ガイドライン詳細

以下が条文です。

五 自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に、次のいずれかに該当する行為をすること。
イ 継続して取引する相手方(新たに継続して取引しようとする相手方を含む。ロにおいて同じ。)に対して、当該取引に係る商品又は役務以外の商品又は役務を購入させること。
ロ 継続して取引する相手方に対して、自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること。
ハ 取引の相手方からの取引に係る商品の受領を拒み、取引の相手方から取引に係る商品を受領した後当該商品を当該取引の相手方に引き取らせ、取引の相手方に対して取引の対価の支払を遅らせ、若しくはその額を減じ、その他取引の相手方に不利益となるように取引の条件を設定し、若しくは変更し、又は取引を実施すること。

(2)経緯

従来型の濫用行為の「相手方」は、確かに事業者のみならず、一般消費者も排除するものではなかったが、これまで実際に問題とされてきたのは相手方が事業者の場合に限られてきた(村上政博編 『条解 独占禁止法」 弘文堂 2014年 171頁)。

今回、以下の通り、「未来投資戦略2018」をベースとする「デジタル・プラットフォーマーにおいては、そのルールやシステムの不透明さが、利用者(事業者や消費者(個人))との関係で不公正な取引慣行 やプライバシーの侵害等の温床となるおそれがあり、特に巨大化したデジ タル・プラットフォーマーはその可能性が高い。 」とされ、 消費者も入れるニーズが高くなった。そこで、今回のガイドラインが作成された。

プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備の基本原則 

(3)主体:デジタルプラットフォームの定義等

デジタルプラットフォームの定義:情報通信技術やデータを活用して第三者にオンラインのサービスの「場」を提供し,そこに異なる複数の利用者層が存在する多面市場を形成し,いわゆる間接ネットワーク効果が働くという特徴を有するものをいう。「間接ネットワーク効果」とは,多面市場において,一方の市場におけるサービスにおいて利用者が増えれば増えるほど,他方の市場におけるサービスの効用が高まる効果

「デジタル・プラットフォーム事業者」の定義:①オンライン・ショッピング・モール,②インターネット・オークション,③オンライン・フリーマーケット,④アプリケーション・マーケット,⑤検索サービス,⑥コンテンツ(映像,動画,音楽,電子書籍等)配信サービス,⑦予約サービス,⑧シェアリングエコノミー・プラットフォーム,⑨ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS),⑩動画共有サービス,⑪電子決済サービス等であって,上記の特徴を有するデジタル・プラットフォームを提供する事業者をいう。

(3)客体:取引の相手方(取引する相手方の範囲

条文上

独占禁止法第2条第9項第5号は, 「自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して,正常な商慣習に照らして不当に」, 「継続して取引する相手方」 (同号イ及びロ)や「取引の相手方」 (同号ハ)に対して,不利益を与える行為を優越的地位の濫用としており, 条文上消費者を排除していないことから、「取引の相手方(取引する相手方) 」には消費者も含まれる。

実質的な理由

個人情報等は,消費者の属性,行動等,当該消費者個人と関係する全ての情報を含み,デジタル・プラットフォーム事業者の事業活動に利用されており,経済的価値を有する。  消費者が,デジタル・プラットフォーム事業者が提供するサービスを利用する際に,その対価として自己の個人情報等を提供していると認められる場合は当然,消費者はデジタル・プラットフォーム事業者の「取引の相手方(取引する相手方) 」に該当する。 

(4)優越していることを利用する状況(取引することの必要性)

優越した状況:,消費者がデジタル・プラットフォーム事業者から不利益な取扱いを受けても,消費者が当該デジタル・プラットフォーム事業者の提供するサービスを利用するためにはこれを受け入れざるを得ないような場合である。情報の質及び量並びに交渉力の格差が存在することを考慮することになる。

ア 取引をすることの必要性

以下の通り、「取引することの必要性」を加味して優先審査する事項を記載している。

なお,公正取引委員会は,デジタル・プラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用として問題となり得るもののうち,後記3⑵①,②又は③の場合であって,国民生活に広範な影響を及ぼすと考えられる事案について,優先的に審査を行う。

 消費者がデジタル・プラットフォーム事業者から不利益な取扱いを受けても,消費者が当該デジタル・プラットフォーム事業者の提供するサービス(以下⑵において「当該サービス」という。 )を利用するためにはこれを受け入れざるを得ないような場合であるかの判断に当たっては,消費者にとっての当該デジタル・プラットフォーム事業者と「取引することの必要性」を考慮することとする。 
  消費者にとって,

①当該サービスと代替可能なサービスを提供するデジタル・プラットフォーム事業者が存在しない場合 

当該サービスと代替可能であるかどうかについては,サービスの機能・内容,品質等を考慮して判断する。その判断に当たっては,個々の消費者ごとに判断するのではなく,一般的な消費者にとって代替可能であるかどうかで判断する。 

代替可能なサービスを提供するデジタル・プラットフォーム事業者が存在していたとしても当該サービスの利用をやめることが事実上困難な場合 ,

当該サービスの利用をやめることが事実上困難かどうかについては,サービスの機能・内容,当該サービスを利用する他の消費者と形成したネットワークや,当該サービスを利用することにより蓄積したデータを,他の同種のサービスで利用することが可能かどうかなどの特徴等を考慮して判断する。その判断に当たっては,個々の消費者ごとに判断するのではなく,一般的な消費者にとって利用をやめることが事実上困難かどうかで判断する。 

又は③当該サービスにおいて,当該サービスを提供するデジタル・プラットフォーム事業者が,その意思で,ある程度自由に,価格,品質,数量,その他各般の取引条件を左右することができる地位にある場合には,

通常,当該サービスを提供するデジタル・プラットフォーム事業者は,消費者に対して取引上の地位が優越していると認められる。

イ 消費者に対して不当な不利益を課して取引を行うこと

優越的な地位にある場合、原則「利用して」行われた行為となる。

(5) 公正競争阻害性(正常な商慣習に照らして不当に)

「正常な商慣習」とは,公正な競争秩序の維持・促進の立場から是認されるものをいう(個々の具体的な行為が、「濫用」に該当するか否か)。①取引の相手方に予め計算できない不利益を与えることとなる場合や②取引の相手方が得る直接の利益等を勘案して合理的と認められる範囲を超えた負担となり、不利益を与えることととなる場合、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えたことになる(菅久修一編 『独占禁止法』第三版 商事法務 2018年 181頁)

(6) 優越的地位の濫用となる行為類型 

行為類型は、以下に記載する不当な「取得」及び「利用」行為に限られるものではなく,また,他の法令に違反しない場合であっても優越的地位の濫用として問題となり得る。 

ア.個人情報等の不当な取得 

㋐利用目的を消費者に知らせずに個人情報を取得すること。
㋑利用目的の達成に必要な範囲を超えて,消費者の意に反して個人情報を取すること。
㋒個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じずに,個人情報を取得すること。
㋓自己の提供するサービスを継続して利用する消費者に対して,消費者がサービスを利用するための対価として提供している個人情報等とは別に,個人情報等その他の経済上の利益を提供させること。 

以上の行為を伴う場合,当該サービスは,個人情報の取得に関して有すべき必要最低限の品質を備えていないものと認められるので,対価を得てそのようなサービスを提供することは,消費者に対して,不利益を与えるものと認められる。 

例:デジタル・プラットフォーム事業者が第三者をして,消費者から取得する「個人情報以外の個人に関する情報」と他の情報を照合して個人情報とさせ,消費者に不利益を与えることを目的に当該個人情報を利用させるために,消費者から「個人情報以外の個人に関する情報」を取得する場合等は,優越的地位の濫用として問題となる。 

㋐利用目的を消費者に知らせずに個人情報を取得すること。

例①:デジタル・プラットフォーム事業者A社が,個人情報を取得するに当たり,その利用目的を自社のウェブサイト等で知らせることなく,消費者の
個人情報を取得した

自社のウェブサイトの分かりやすい場所に利用目的を掲載した場合や,消費者に対して,電子メール等により利用目的を通知した場合(一般的な消費者が容易にアクセスできる場所に分かりやすい方式で,明確かつ平易な言葉を用いて,簡潔に,一般的な消費者が容易に理解できるように利用目的に関する説明を行っている場合)は,通常, 問題とならない。 

しかし、利用目的の説明が曖昧である,難解な専門用語によるものである,利用目的の説明文の掲載場所が容易に認識できない,分散している,他のサービスの利用に関する説明と明確に区別されていないこと等により,一般的な消費者が利用目的を理解することが困難な状況において,消費者の個人情報を取得する場合には,利用目的を消費者に知らせずに個人情報を取得したと判断される場合がある。 

ウェブサイトの閲覧情報,携帯端末の位置情報等,一般には,それ単体では個人識別性を有しない情報であっても,当該情報を,個人を識別して利用する場合は,そのことを消費者に知らせずに取得すると問題となる。

㋑利用目的の達成に必要な範囲を超えて,消費者の意に反して個人情報を取すること。

例②:デジタル・プラットフォーム事業者B社が,個人情報を取得するに当たり,その利用目的を「商品の販売」と特定して消費者に示していたところ,商品の販売に必要な範囲を超えて,消費者の性別・職業に関する情報を,消費者の同意を得ることなく取得した

「商品の販売」を利用目的とする場合に,消費者の氏名や,氏名と紐付いて取得されるメールアドレス,決済情報等といった利用目的の達成に必要な個人情報を取得することは,通常,問題とならない。また,氏名と紐付いて取得される消費者の性別や職業等といった利用目的の達成に必要な範囲を超える個人情報であっても,消費者本人の明示的な同意を得て取得する場合は,通常,問題とならない。ただし,消費者が,サービスを利用せざるを得ないことから,利用目的の達成に必要な範囲を超える個人情報の取得にやむを得ず同意した場合には,当該同意は消費者の意に反するものと判断される場合がある。やむを得ず同意したものであるかどうかの判断においては,同意したことにより消費者が受ける不利益の程度等を勘案することとし,その判断に当たっては,個々の消費者ごとに判断するのではなく,一般的な消費者にとって不利益を与えることとなるかどうかで判断する

㋒個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じずに,個人情報を取得すること。

例③:デジタル・プラットフォーム事業者C社が,個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じずに,サービスを利用させ,消費者の個人
情報を取得した。 

㋓自己の提供するサービスを継続して利用する消費者に対して,消費者がサービスを利用するための対価として提供している個人情報等とは別に,個人情報等その他の経済上の利益を提供させること。

例④:デジタル・プラットフォーム事業者D社が,提供するサービスを継続して利用する消費者から対価として取得する個人情報等とは別に,追加的に
個人情報等を提供させた

任意のアンケート調査による場合等,消費者が対価として提供している個人情報等とは別に個人情報等を任意に提供する場合は,通常,問題とならない。 
また,従来提供していたサービスとは別に,追加的なサービスを提供する場合であって,消費者が当該追加的なサービスの提供を受けるに当たり,その対価として追加的な個人情報等を提供させる場合は,通常,問題とならない。 
 さらに,サービスの品質の向上等,消費者が対価として提供している個
人情報等とは別に個人情報等を提供することで消費者に生じる利益を勘
案して,当該個人情報等を提供させることが合理的であると認められる範
囲のものである場合
は,通常,問題とならない。 

イ.個人情報等の不当な利用 

㋐利用目的の達成に必要な範囲を超えて,消費者の意に反して個人情報を利用すること。 
㋑ 個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じずに,個人情報を利用すること。 

以上の行為を伴う場合,当該サービスは,個人情報の利用に関して有すべき必要最低限の品質を備えていないものと認められるので,対価を得てそのようなサービスを提供することは,消費者に対して,不利益を与えるものと認められる。 

㋐利用目的の達成に必要な範囲を超えて,消費者の意に反して個人情報を利用すること。 

例①:デジタル・プラットフォーム事業者E社が,利用目的を「商品の販売」と特定し,当該利用目的を消費者に示して取得した個人情報を,消費者の同意を得ることなく「ターゲティング広告」に利用した。

利用目的が「商品の販売」であるところ,新たに,ターゲティング広告に個人情報を利用することについて,例えば,電子メールによって個々の消費者に連絡し,自社のウェブサイトにおいて,消費者から取得した個人情報を当該目的に利用することに同意する旨の確認欄へのチェックを得た上で利用する場合には,通常,問題とならない。ただし,消費者が,サービスを利用せざるを得ないことから,利用目的の達成に必要な範囲を超える個人情報の利用にやむを得ず同意した場合には,当該同意は消費者の意に反するものと判断される場合がある。やむを得ず同意したものであるかどうかの判断においては,同意したことにより消費者が受ける不利益の程度等を勘案することとし,その判断に当たっては,個々の消費者ごとに判断するのではなく,一般的な消費者にとって不利益を与えることとなるかどうかで判断する。 

例②:デジタル・プラットフォーム事業者F社が,サービスを利用する消費者から取得した個人情報を,消費者の同意を得ることなく第三者に提供した。

個人情報を第三者に提供することについて,例えば,電子メールによって個々の消費者に連絡し,自社のウェブサイトにおいて,消費者から取得した個人情報を第三者に提供することに同意する旨の確認欄へのチェックを得た上で提供する場合には,通常,問題とならない。ただし,消費者が,サービスを利用せざるを得ないことから,個人情報の第三者への提供にやむを得ず同意した場合には,当該同意は消費者の意に反するものと判断される場合がある。やむを得ず同意したものであるかどうかの判断においては,同意したことにより消費者が受ける不利益の程度等を勘案することとし,その判断に当たっては,個々の消費者ごとに判断するのではなく,一般的な消費者にとって不利益を与えることとなるかどうかで判断する。 
なお,同一社内であれば,提供された個人情報を,消費者の同意なく,ある部門から別の部門に提供しても,問題とならない。 

㋑ 個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じずに,個人情報を利用すること。 

デジタル・プラットフォーム事業者G社が,個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じずに,サービスを利用させ,個人情報を利用した


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