ビジネスプランを書く時に必要なポイント
本年も、起業家や経営者アクセラレータープログラムが春からたくさんスタートしますね。
私たちも、今年もいくつかの支援プログラムを運営していきます。
起業家や経営者のみなさんがこうしたプログラムにエントリーをする際には、エントリーシートの内容がとっても大切になりますよね。
一般的に、書類審査や面談などを通じて選考というプロセスがあり、そこから選抜をされていくことになりますが、
どうかけばいいのか・・・?
何を聞かれているのか?
と、悩むことありますよね。
プログラムを運営する側も、こんなことが聞きたい!という意図はあるものの、それがうまく聞き出せないということも実際にはあります。
そんなわけで、運営をする側からの視点で少しカジュアルに解説をしていたいと思います。
いろいろなプログラムがあり目的も支援の内容も異なりますので、すべての企画の意図を汲み取ることはできませんが、これからエントリーをする人にとって参考になればと思います。
Q1.あなたのビジネスに対する想いを教えてください
プログラムの多くは、この起業家や経営者の想いがとっても大切になります。この短い内容を分解すると、以下のようないくつかの質問になるのではないかと思います。
Q1-1.なぜ、あなたがこの事業をするのか?
自身の中にある、熱い想いを言語化する必要があります。
あなた自身がこの事業を「やろう!」と思ったきっかけが必ずあるはずです。
自分では当たり前のように感じることも、人から聞けば新鮮なことも多いものです。自分にしかわからない原体験を探しておきましょう。
★ポイント
印象的な出来事や、あなたが思っている疑問や課題感を伝えよう。
Q1-2.なぜ、あなたならできるのか?
あなたの経験や技術、専門的な知識、ずっと気にしてきた時間、周りの人などのネットワークなど、あなたしか持っていないものを教えてください。
あまり比較しすぎず、あなたが得た経験や体験はあなたしか感じられない特別なものです。
★ポイント
あなた自身の整理をして、強みとして伝えられるようにしておこう。
Q1-3. どうしてそれを成し遂げたいのか?
そのあなたが目指す「未来像」はどんなものですか?
〜の課題がなくなる社会、〜で溢れる未来、〜が実現されている社会…
あなたがビジネスを通じてなぜそれを成し遂げたいのか?という想いです。
★ポイント
「あなたのビジネスを応援したい」と、共感を得られるよう想いを伝えよう。
2.あなたのめざす市場は?
ビジネスで実現していくためには、最も大切なのは市場です。選んでくれる人がいなければ、商品開発もサービス提供もビジネスとして成り立ちません。
Q2-1.ターゲット市場は、これからどうなりますか?
あなたはどの市場に向けてビジネスをしますか?という問いです。
地域、年代、職業、性別、家族構成など、あらゆる属性があり、加えてライフスタイルなどの意識や思考性といった時代や社会の変化に敏感なカテゴリーもあります。
そして、その市場のこれまでの変化、そしてこれからはどうなるのか?伸びていくのか、縮んでいくのかなど、動向はとても大切です。
できれば少しだけでも市場規模や伸び率などの数字があると知らない人には伝わりやすいです。
★ポイント
市場を調べて、現状とこれからについて数字を抑えておこう
Q2-2.ペルソナ=具体的にどんな人がお客さんになりますか?
「たとえばどんなお客さんですか?」という質問をされることがあります。
プランを見る側も、その市場のイメージをつけるために、顧客について具体的に聞くことがあります。そんな時に、具体的な人物像を伝えられれば、顧客をイメージして市場感が理解できることも多くあります。
そんなとき、起業家自身が会ったこともない実在しない理想の人をペルソナで描いてしまっているケースも多くあります。
どういう人があなたのビジネスを選んでくれるのか?という姿はしっかり描いていく必要があります。
★ポイント
顧客のイメージは、実在する人をベースに詳細を描いておこう
Q2-3.ポジショニング、競合
あなたのビジネスの競合を、ちゃんと語れますか?
競合がいないほうが安心ですし、いない方が印象が良さそうに感じてしまいますが、実は逆です。相手から見れば、競合が居ないというのは、そもそも市場が存在しないか小さすぎるということもあります。あるいはすぐに真似されたり、見るのは避けていたり、知らないだけということもよくあります。
実は、競合が居ることをネガティブに捉える必要はなく、そこに市場があると思っている人が他にもいるという証拠でもあります。
競合も含め、どんなプレーヤーが存在していて、それらとの違いを整理することはとても大切です。自社の立ち位置や他との違いをどんな切り口で整理しているのかはとても大切です。
★ポイント
競合も狙っている有望な市場を、自分なりのポジションを築いていこう
Q3.どんな商品やサービス、ビジネスモデルでそれを実現しますか?
1のあなた自身、2の市場、それを繋いでいくことがビジネスです。その方法は無限にあるわけですから、一般的に戦略という言葉に集約されますが、どのようにビジネスにしていくかということがとても重要です。
3−1.ビジネスモデルは?
ビジネスは、誰かから対価をいただかなくてはいけませんが、市場(2)の誰からどんな形で対価をいただくのかという説明がビジネスモデルになります。
対象が一般(BtoC)なのか企業間取引(BtoB)なのか行政(BtoG)なのかという相手の話もあれば、価格帯や決済の回数(都度、月額...etc)や方法(サブスク、会費...etc)などもあります。
ビジネスモデル相関図などを書いてみて、誰からどんな対価をいただけるのかを整理して、それらを数字に落とすとことで、事業計画の土台が出来上がってきます。
★ポイント
モノやサービスと、お金の流れ、登場人物を整理しよう
3-2.収益性は?(利益をどうやって上げていきますか?)
ビジネスですから、いつどのようにして利益が出るのかということが重要です。どうやって利益を大きくしていくのかという収益プランはとても大切です。
すべてのビジネスが満遍なく利益が出ることはなく、何かの利益を諦めて、別の何かで利益を取りにいくということも一般的です。また、最初は利益が出ないけれど、後から利益が出ていくものもあります。
また、ビジネスにはテイッピングポイントが存在します。何かの数字(たとえばフォロワーの数とか、無料会員の数とか)がいくつになれば、売上が上がっていくなど・・・
正解が必要ではなく、あくまでも売上と連動させるための仕組みや方程式、法則をどう考えているのかということが重要になります。
★ポイント
売上や利益を上げるための考え方や案を持っているかどうかを整理しておこう
3-2.技術面の取り組みは?
いまの時代は、ネットなどを含めて技術との組み合わせがとても重要になります。ビジネスモデル(3−1)やそれに連動する収益性(3−2)、あるいは市場(1)においても、社会環境やライフスタイルが大きく変わる中で、新しい技術や新しい仕組みによってこれまで突破できなかった市場が開ける可能性があります。
ITなどの技術を使うことでこれまででは実現しなかったコスト削減や、新しい販売方法が実現できるなど、ビジネスを実現させる上で技術を使っていくことが前提となるので、その点は考慮しておく必要があるかと思います。
★ポイント
どんな技術や仕組みを使って実現するのかを考えておこう
ビジネスプランは、カンペキでなくて良い
そもそも、カンペキなビジネスプランなど存在しません。
まず大切なのはあなたの想い(1)です。そこをしっかり整えた上で、ビジネスとして向かう市場(2)を見て、あなたらしいビジネスの方法(3)が、必要な要素を入れて描けているのかがポイントになってきます。
ぜひみなさんのプランが、伝わりますように!