歳をとったら本当に痩せられなくなりました
若いころは痩せていた。暴飲暴食をしても、ぐーたら寝てばかりいても、体重が増えることはなかった。
何も特別なことはしていないし、まあそういう体質なのだろう、なんて胡座をかいていたけれど、テレビも雑誌も周りの人もたしかに言っていた。「歳をとったら痩せられなくなるよ」って。
自由気ままな20代が過ぎ、妊娠出産を経てもまだ大丈夫だった。産後は赤子に養分を吸い取られるようにするすると元の体重に戻っていったし。でも、2人目の産後に異変は始まっていたように思う。気づけばじわじわと体重が増えていった。そして「四捨五入したらアラフォー」を名乗るようになった途端、体重が激増した。健康診断で自分の前年の体重記録を二度見することとなる。
プラス3キロ、だと…?
BMIらへんの数値でいえば、今もたぶん太ってはいないと思う。所謂、年相応ってやつだ。でも、年々恰幅が良くなり、信じられないくらい立派な太ももになってしまった現実にそろそろ向き合わなければならない。
そう思っていた矢先、衝撃的な事件が起こった。
激務続きで痩せ細った夫の体重が、私の体重に日に日に近づいていき、体重計は混乱した。いつもなら秒で個々にデータを割り振って登録してくれるはずなのに、画面に「?」が表示されている。夫は夫で太れない恐怖に苛まれながらも、目の前で起きた残酷な事実に爆笑している。身長差が20センチもあるのに、どうしてこうなった…?
かなりショックではあるけれど、これをいい機会だと思ってやるしかない。そう、私の辞書に載ってなかったダイエット。夫を太らせる料理を作りながら、自分は痩せるために動く。難題すぎない? そんなことできるの…?
いや、きっとやり遂げてみせる。だって今やらないと、もっと痩せなくなるんだろうから。
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