もし私がCDTVでBTSメンバー紹介の担当になったら
油そば(あぶらそば)は、麺料理の一種。スープのないラーメンによく似た食べ物である。 どんぶりの底に入ったごま油や、しょうゆベースのタレに、ラー油、酢などの調味料を好みでかけ、麺に絡めて食べる。
Wikipediaより引用
油そば、実は食べたことがありません。私が住んでいる地域では余りお店を見かけなくて。でもとっても美味しそうですね。だってBTSのメンバーが日本の番組で「油そば食べたい」「油そば行きましょう」「油そば美味しい~!」と繰り返しオススメしてくれるくらいだから。世界を股にかける油そば親善大使・BTS。
日本限定ベストアルバムのプロモーションで、2週連続で日本の音楽番組CDTV(『Film out』『Butter』)とMUSIC BLOOD(『Film out』『Butter』)出演してくれたBTS。MUSIC BLOODの『Butter』は、衣装・カメラワーク含めてこれまでのベストパフォーマンスのひとつでした。
特に「ゾーン」に入ったかのようなVさんのダンスのキレと表現が最高です。一時停止しながら全ムーブをジロジロ見てたら、3分の動画なのに30分くらい経ってました。
CDTVではパフォーマンスの前に、番組が制作したメンバー紹介が流れるという手厚い待遇。きっと時間がない中で担当スタッフの方がいろいろ調べて準備してくれたであろう、その心意気に感謝。その紹介ポイントがファンにとって「いやいや、そこじゃない」となるのは当たり前です。だって「普通のひとびと」とファンの目とでは見えているものが全く違うのですから。情報量も違えば解像度も違う。一般の方がヒトの目でまっすぐに彼らを見ているとしたら、ファンは鷹とトンボの目をドローンに積んで360度から情報処理しているようなもの。
では「普通のひとびと」に解像度高すぎ粒度細かすぎの情報を差し上げるべきなのか?いやいやきっと、準備運動を終えていない人にそれらを供給しても、とても処理しきれないでしょう。お腹が空いていないときに全部乗せの背脂系ラーメンは無理。消化不良どころか、咀嚼も嚥下もままなりません。
例えば「ケンドリック・ラマーのお気に入りのシリアルの食べ方は60%を牛乳に浸し40%はザクザクのまま」という背脂的小ネタに喜ぶのは、ケンドリック・ラマーのコアファンかSUGAかそんなSUGAを見て喜ぶSUGAファンだけなのです。普通のひとびとは「お、おう」と微笑み返しするしかない案件です。
普通のひとびとには、夏の風物詩、喉ごしのよいところてんくらいをスマートに差し出したいもの。とはいえ、CDTVのメンバー紹介には、私も物足りなく感じるところもありました。自分ならところてんには叩いたゴマを振るし、スガハラの器なんぞに涼しげに盛ってお出ししたいところ。
お出しするお相手はCDTVの視聴者。きっとカジュアルに音楽を楽しむ人たちでしょう。家族で夕食を食べた後、リビングでそのままゆたっと音楽番組を流し見する感じ?気に入った曲があればYouTubeで見て覚えて、カラオケで歌ってみたりすることもありそう。BTSは『Dynamite』がヒットしたので知っているけど、個々のメンバーのことは知らない。新曲を聴くのも初めて。そんな人たちがなんとなく楽しく色んなアーティストを眺めながら最後までチャンネルを変えずにいてくれて、さらに毎週月曜22時に戻ってきてくれるようになったらCDTVにとっては御の字というもの。
という訳で新規ファンのわたしが「ぼくが考える最強(というわけでもない)のメンバー紹介~さらりと心太ver.~」を作ってみました。画像はこちらからお借りしてます。各種情報はソース確認できてないので間違ってるかもですが、ご容赦くださいませ。
RMからスタート
RMは「リーダー」というポジションで役割が明確なのと、「IQ148」というキャッチーな数字で彼の知性を分かりやすく伝えられるので、プレゼンしやすかったです。文字通り、BTSを表から裏から支える柱のRM。チームでの役割はそのまま強みや個性ですもんね。RMがBTSの”始まり”であることや、精神面だけでなく音楽的にもBTSの柱であること、グループのセクシーNo.1であること(私見です)なども拡声器で叫びたいものの、文字数およびSUGAとの差別化のために泣く泣くカット。AirPodsの紛失記録は2019年以降、データが更新されていないようです。
続いてSUGA
多くの楽曲制作に携わり、RMとともにBTSの音楽的支柱のひとり。BTSのプロデューサー的立ち位置であるとともに、ミンストラダムスとして新曲のチャートアクションを予言するという副業もしているSUGAは、「頭脳」という言葉で表現してみました。やさぐれ声とガミースマイルの奇跡の邂逅については分厚い添付資料を参照していただくしかないですね。添付資料には「大事なことは2回言うタイプです」「ボヤき芸は大泉洋クラス」「口笛が吹けません」などの個人的ツボも盛り込みたいところ。最近のリードトラックではラップパートが少ないからこそ、SUGAがヒップホップの血が体に流れるごりごりのラッパーであり音楽面でBTSの看板を背負っていることを伝えておきたいもの。
お次はジン
ジンのプレゼンがいちばん難しかったです。端正な顔とか見れば分かることは文字にする必要がない気がするし、「ムードメーカー」って言葉も使いたくない。そこじゃない感が強すぎません?でもジンの地頭の良さや、すっきりとした生き方の美しさなんかは、さらっと表現するには難しい。知れば知るほど好きになるタイプの方だと思うので、その辺は沼にはまってからのお楽しみということで、とっておきましょう。茶の間で中学生の娘さんとCDTVを見ているお父さん・お母さん向けに子育て(弟育て)ネタを盛り込みました。RMとは違う面からBTSを支えるジンは「太陽」としてみたものの、自分の肌感としては「酸素」とか「そよ風」みたいなイメージ。でも個人的感覚過ぎて共有しづらそうなのと、役割感が薄い言葉なので「太陽」に落ち着きました。
年齢調べて知ったのですが、ジンとSUGAは、日本式のカウントだと同じ学年になるんですね。ユンギヤとジンヒョンではなかった世界線が、ここにあった。
J-HOPEさんのお出まし
チームをダンスで引っ張りダンスで動かすHOPEさんは、全身に血を巡らせる役目である「心臓」がふさわしいかと。凄腕のダンサーであることは強調しておきたいですね。7つのバラバラの魅力と個性の集合体・BTSの中で、「ダンスがすごい人」と認識しやすい。ソフト面での彼の魅力は「隣の家のおしゃれなお兄さん」だと思っていて、私がいかにHOPEさんの私服が好きかということや、ノーメイクのオフな姿にこそ彼のかっこよさがにじみ出ていることなんかについて、2時間くらい一人語りしたいところではあるのですが、そこはぐっとこらえておきました。HOPEさんといえば足長、「身体の2/3が足で占められている足長星人」という記述も考えたのですが、身体の2/3が足で占められている人ばかりいて差別化にならないのでカット。
そしてJ-HOPEとRMは、日本式カウントだと別学年という。ナムジュナとホビヒョン・・・だったかもしれない。
Vさんです
Vさんもなかなか難しかったですね。というのも、Vさんの枕詞として使われる「世界でもっとも…」は入れたくないんですわ。なぜならあの怪しいアフィリエイトブログが好きじゃないからです笑。やたら遷移させまくるUIもあからさまにPV稼ぎで気に入らないし。全方位で私のイラッとスイッチを押してくるので見ないことにしています。ランキング要素はキャッチーなので、たとえ怪しかろうと入れたくなる気持ちは痛いほど分かるものの、反骨精神でスルー。それにVさんは顔より心が美しい青年です。顔立ちにばかりフォーカスがいくのも我慢なりません。ひょっとこのお面被ってても、この人はかっこいいパフォーマーなんだよと。Vさんの最大の魅力である「舞台俳優のような表現力」「コロコロと変わる表情は百面相」は刺さる言葉に転換できずに断念。
来ましたジミン氏
最初は「BTSの懐刀」としたかったんですよね。BTSは初見だと、生まれながらのセンター・ジョングクの万能感の印象がどうしても強いんですが、実はその左にこんな強者がいる。どこを切ってもなんだかスゴイ、それもBTSの吸引力のひとつ。でも「懐刀」という言葉が分かりづらそうなのと、懐にさほど収まってない気もしたので止めました。シュッとした佇まいと切れ味鋭いダンス(舞踏と呼びたい)のせいか、「BTSの剃刀」とか「BTSのジャックナイフ」など刃物系の言葉ばかりが脳裏をよぎりました。「魂」としたのは、常々「ずっと7人で続けることが夢」「年をとって踊れなくなったら、ステージに座って7人で歌いたい」と話すジミンにふさわしいと思ったから。ジミンがあざとかわいさと釜山のヤンキー感のハイブリッドであることは、皆さん早かれ早かれお気づきになることでしょう。
最後にジョングク
JKも「最年少、でもセンター」という立ち位置と役割が分かりやすいので助かりました。いわゆる「センターポジション」という概念は、実はBTSにはあまりフィットしないと思うのですが、敢えて「センターのジョングク」とした方が、初見の方がつかみやすいかと。最初に個体を識別するときって、大抵サイズか色か位置だと思うんですよね。でも色(≒髪の毛)はBTSにおいては最も信用のおけない物差しのひとつ。『Butter』がリリースされてからのたった2か月弱の間に、髪の毛の色が変わっていない人がいないってどういうことですか。2個目の要素は迷ったんですよね。身体能力を推すか、「口から音源」なボーカリストとしての能力を推すか。すごい歌い手なのは聴けば分かるしね、ということで筋肉をチョイス。数々の食いしん坊バンザイなエピソードについては、番外編としてRun BTS!をご案内いたしましょう。カワイイ顔してすごいんだからね!歌もダンスも!そこんとこ見てよね!という気持ちをこめました。
と、こんな感じになりました。いやぁ難しかった。ひとり当たりの持ち時間(なんの?)が1-3秒しかない中で、それぞれの魅力を端的にキャッチーに伝えねばならない。あれもこれもと盛り込むよりよっぽど難しいですね。夏井いつき先生に弟子入りして17文字の美学を学びたくなりました。プレゼン内容についての異論は365日いつでも受け付けております笑。
ところでTXTの日本公式アカウントが出しているこのチャート、素晴らしいですね。最初の分岐を音楽とキャラクターにしているところが鋭いし、音楽性への自信も感じました。