さようなら思い出の場所
昨晩、何の気無しに見たネットニュースを読んでからというもの気が重い。読むんじゃなかった。というかおすすめしてきてんじゃねーよGoogle!と後から沸々と怒りが湧いた。
なんでもかんでもGoogleアカウントでログインしているツケが回ってきたんだなと思いつつも、何故わたしの思い出のショッピングモールがリニューアルするなんていうのネットニュースをトップに持ってこれるのか。個人に応じたカスタマイズ機能の優秀さが怖い。
以前元恋人に「なんでもかんでもGoogleに紐付けするのやめたほうがいいよ。こっちの情報抜かれまくりで危ないよ。」と言われた時わたしはなんて答えたんだっけ。「その方がわたしに合わせて成長してくれてるんだから便利じゃん」とでも答えたんだったか。「気にしすぎ」と一蹴したんだったか。まあその時のツケが回ってきたせいで今精神攻撃を喰らっているわけだから全て自業自得である。
わたしが見たネットニュースというのは先にも述べたが、学生時代月に二回は行っていた大型ショッピングモールのリニューアルの記事だった。昨年併設されていた百貨店が閉店したのもめちゃくちゃにショックだったが、その後にモール内の店舗がかなり減ったり増えたり配置換えをしたことにわたしはもう既に十分すぎるほど傷付いていた。今回は、それに加えて百貨店部分に新しくユニクロやGUや電気屋さんが入るというのだが、なんかもう本当に悲しくてやりれなくなってしまった。
利用者としての目線で言えばとっても便利になると思う。コスメ専門店もオープンしたし、それ以外にも新しいお店も入るみたいだし。
でもわたしはあの思い出がつまりすぎたショッピングモールがもはや跡形もないくらいに生まれ変わってしまうことが本当に悲しくて悲しくて仕方ない。自分でもびっくりして嫌になっちゃうくらい。
元恋人の家から近かったそのショッピングモールにわたしたちはお金もないのにしょっちゅう遊びに行った。付き合い始めの頃は彼やわたしの親の車を借りて。そしてわたしが車を買ってからはわたしの車でも行った。だいたいは彼の運転だった。お互いの誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントもそこで選びあったし、あてもなくぶらぶらと歩き回った。いつも同じお手洗いに行っていつも同じ場所でお互いを待った。行く場所もないからクリスマスを一日中そこで過ごしたことは一回どころじゃないし、エスカレーターでふざけあっては笑った。百貨店の一階には彼のお気に入りのたこ焼き屋さんがあって、付き合ってすぐに「ここのたこ焼きが美味しいんだよ」と一緒に食べた時の好きなものを共有してもらえて嬉しかったあの甘酸っぱい気持ち、きっとわたしは一生忘れないと思う。車の中で食べて、車の中がたこ焼き臭いと笑ったこともまだ昨日のことみたいに思い出せる。
ああ、全然過去にできてない。なんてこった、って思う。自分の中で昨日のことみたいに思い出せる、楽しくて嬉しくて仕方なかった日々を送った思い出の場所がもう跡形も無くなってしまうことにこんなに傷付いてしまうなんて馬鹿みたいって思う。建物自体は変わらないけど次に行った時には同じ通路でも並ぶ店は変わっていてあの時と同じ景色は見れないんだって思うと泣きそうになる。全部自分で手放したくせに思い出の中の自分があんまりにも楽しくって嬉しくって相手のことを好きで好きでたまらないって気持ちでいっぱいすぎて苦しい。
一昨日まではわたしにひとりじゃないあたたかい時間をくれてありがとう。どうか今の場所でのびのびとしあわせに暮らしていてね。好きなときに好きなことをして好きな場所に行って人生を楽しんでね、なんて思っていたくせに昨日の今日はもうもう一度あの楽しくてしあわせな時間をやり直したい、会いたいし笑い合いたいし他愛もない話を延々として眠くなるまで横にいたいだなんて笑っちゃうようなわがままを考えてる。いつまでこの感情の起伏は続くんだろう。別れて一年半も経ってるくせに。全部自分で手放したくせに。やんなっちゃうけどもうこれも全部雨と気圧のせいにしてアニメ観て気を逸らして眠ります。
間違ってメールしちゃわないうちに。