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Vol.8 FERRAGAMO
天才靴職人の誕生
創業者は”Salvatore Ferragamo=サルヴァトーレ・フェラガモ”
1927年にイタリアのフィレンツェで創業されたブランドです
今でこそアパレルやアクセサリーなどを展開してますが
元は靴職人としてブランドをスタートさせています
彼は『自分の前世は靴作りの職人であり
その知識を持ったまま生まれ変わった』と思っていたほど
幼少期から神童と呼ばれるレベルの類稀な才能の持ち主でした
9歳で靴を作り始めたストーリーの背景として
当時貧乏だった一家は妹の洗礼式に履く白い靴が買えず
両親に内緒で家の向かいの靴屋から道具を借りて来て
徹夜で白い靴を作り上げるという伝説から始まります
赤子の頃から向かいの靴屋に入り浸り
靴作りを眺めていた天才フェラガモですが
イタリアでは当時靴屋は最底辺の仕事として
扱われていたという時代背景もあり
両親に靴作りを学ぶことは反対されますが
異常なまでの才能を垣間見た両親は
靴作り修行を許可したそうです
しかし、天才故に向かいの靴屋ではすぐに学ぶ事がなくなり
新たに学ぶためにナポリの有名靴店に移るも
たった二週間で全ての事を学んでしまい
そこから故郷に戻り僅か12歳で自宅に靴屋を開業
この時点でとんでもない才能を発揮しています
16歳になるとアメリカのボストンに渡り
カウボーイブーツ工場で働いていた兄弟の元へ行き
その後カルフォルニアに移り映画衣装として靴を制作
ハリウッド俳優らを顧客に抱え”スターの靴職人”と名声を集めます
また、足を痛めない履きやすさを追求するため
カリフォルニアの大学で人体解剖学を学びます
自身のブランドを開業するのはその後からで
一代でブランドの全てを築き上げた正真正銘の天才です
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https://www.gqjapan.jp/fashion/article/20190908-james-ferragamos-vision-of-future
天が与えた才能の持ち主
彼は『自分は靴を作る為に生まれて来た』と考えるほど
何故か元々靴作りの知識が備わっていたと言われています
初めて妹のために靴を作った時でさえ
誰に教わった訳でも無いのに何かを思い出しながら作ったそうです
過去何百年に渡り靴屋を営んでいた先祖はいないはずなのに
新しい靴作りや基本的な工程が頭に入っていたのです
事実、フェラガモが学んだと言えるのは
幼少期に向かいの靴屋の靴作りを眺めていたことと
ナポリの有名靴店で学んだ2週間のみ
もうここまで来ると良く分からないですが
天才という言葉では片付けられないほどの
才能の持ち主であることに変わりはありません
そんなフェラガモも大恐慌の余波を受けたことと
完璧主義故に靴作りに拘るあまり
店舗の経営を疎かにした事で一度倒産しています
それでも彼の靴に魅了された王侯や
貴族の顧客を獲得し復興
これまでに"ウェッジ・ヒール"や
"プラットフォーム・ソール"など
凡そ350もの特許を取得しています
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https://www.elle.com/jp/fashion/fashion-column/a38497317/the-master-piece-salvatore-ferragamo-viva/
実はあの天才と出会っていた
そして実は創業時期は違いますが
世代的に同年代であった"Christian Dior"と
アメリカに向かう船で出会った事があります
1947年にファッションに多大なる貢献をした人物に送られる
“ニーマン・マーカス賞”という授賞式への移動の最中でした
この賞がアメリカ人以外に贈られるのは史上初で
ディオールもまた賞を受賞しており
式典のパレード用のドレスをデザインしていました
ところがフェラガモはファッションニュースに疎く
Diorほど有名なデザイナーの名前すら聞いた事がなかったそうです
式典ではモデルのためにフェラガモがシューズを
ディオールがドレスを用意していたのですが
お互い面識がなかったにも関わらず2人がデザインした
ドレスとシューズは図ったかのように同じスタイルだったそうです
ディオールを知らなかったことにも驚きですが
式典に用意したアイテムのデザインスタイルが揃うというのも
2人の天才が出会ったことにも何か意味があるように思えます
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https://www.elle.com/jp/fashion/fashion-column/a38497317/the-master-piece-salvatore-ferragamo-viva/
まとめ
あまりの天才エピソードに忘れていましたが
ブランドアイコンとして知られているのは
”ガンチーニ”と呼ばれる鉤型フックをモチーフにしたもの
日本語で小さなフックという意味合いだそうです
靴作りで言えば彼ほどの天才はいないと思えるほどですが
もし、彼の才能が服作りに特化していたとしたら
現代にも存在しないスタイルの服や
概念が生まれていたかもしれません
その世界線が存在するならば一度見てみたい気もします
次回は強烈な個性で人々を魅了する
イタリアのブランドを紹介します