Vol.1 VERSACE
ミラノ3Gとしてイタリアファッションを牽引
創業者は”Gianni Versace=ジャンニ・ヴェルサーチェ”
私がこの世で最も尊敬するファッションデザイナーであり
一番好きなブランドでもあるVERSACE
1978年 イタリアのミラノで創業
会計士であった兄 Santo Versaceが社長となり
妹 Donatella Versaceがクリエイティブ・ディレクターを務め
ファミリーブランドとしてスタートしました
Donatella氏は今でも現役バリバリで活躍しており
VERSACEのクリエイティブ・ディレクターを務めています
今後紹介しますが、同時期にブランドを立ち上げていた
Giorgio Armani氏が1975年に創業した"ARMANI"と
Gianfranco Ferre氏が1978年に創業した"GIANFRANCO FERRE"と共に
"ミラノの3G"と呼ばれイタリアファッション界を席巻しました
不運にもブランド最盛期であった1997年に
フロリダの別荘前で射殺され亡くなってしまいます
急逝した時のVERSACE社の価値は807万ドル
現在のレートで換算すると12億ほどの資産価値があり
全世界に130もの店舗を構える巨大なブランドに成長してました
デザイナーズブランドとしては比較的歴史は浅いと言われますが
イタリアを代表する名門ブランドにまで成長し
1989年にはパリのサンディカに加盟し”Atelier Versace”
としてオートクチュール分野にまで進出してます
現在ではアパレル以外にホームコレクションとして
家具や寝具、陶器やカトラリーなどライフスタイルまで幅広く
ペット用品やサッカーボール、スケートボードなど多岐に渡ります
世界中に熱狂的なコレクターがいることでも有名なブランドで
それ故にブートが多く出回るブランドの一つでもあります
※ブートとはBootleg、所謂コピー品・偽物のことです
VERSACE DNA
ブランドのアイコンやデザインの多くは
彼が生まれた南イタリアのレッジョ・カラブリア
そこがデザインリソースとなっています
古代ギリシャ・古代ローマの影響を強く受けた地域で生まれ
歴史的遺構が多く残る街で育ったことで
ジャンニのアイデンティティや矜持となり
様々な形でアイテムに落とし込まれています
ブランドロゴはギリシャ神話に登場するメドゥーサ
ブランドアイコンのギリシア雷紋 グレカパターン
アパレルやバッグ等の小物類にも使われるバロックパターン
どれも古代ギリシャの流れを汲んだものです
Google画像検索誕生のきっかけはVERSACEのドレス
VERSACEの活躍はファッション業界だけに留まらず、
2000年のグラミー賞授賞式でジェニファー・ロペス(Jlo)が
着用していた”ジャングル・ドレス”が脚光を浴びたことで
当時沢山の人がGoogleでこのドレスの画像を検索しました
サーバーが逼迫するほどの反響を受けた開発陣により
"ユーザーが求める画像に辿り着けるように"と
Google画像検索が生まれたらしいです
実際に2020年のコレクション発表の終盤に
会場のスクリーンにGoogleの画像検索画面が表示され
『VERSACEのジャングルドレスの画像を見せて』と言うと
2000年にジャングルドレスを着たJloが映し出され
『本物のジャングルドレスを見せて』と言う声を合図に
ジャングルドレスを着たJloが本人が登場
会場は拍手喝采で超盛り上がったみたいです
"一着のドレスが新たな検索エンジンを生み出した"という
とんでもない嘘のような本当の話です
Google画像検索のWikipediaにも記載されてます
今後Google画像検索を使うときは
VERSACEとJloに感謝しながら使いましょう
まとめ
彼らが活躍していた時代の凄いところは、
『あのデザイナーがあのブランドのアトリエで働いていた』
というのがごく当たり前な時代だったこと
VERSACEで言えばミラノの高級ファッションハウスで有名な
MOSCHINOの創業者、"Franco Moschino=フランコ・モスキーノ"が
VERSACEのデザインスケッチャーとして働いていたりもしてました
そんなジャンニもまた、ブランドを立ち上げる前に働いていたブランド
"Genny"では"Christian Lacroix=クリスチャン・ラクロワ"と共に
ブランドを牽引し下積み時代を送っていました
歴史あるブランドを紐解いていくと、こういった過去を知ることが出来るのも
ファッションを楽しむ一つの要素になっている気がします
最後に一つ
VERSACEの読み方はヴェルサーチではありません
"ヴェルサーチェ"が正しい発音です
2018年に株式会社ヴェルサーチェ・ジャパンから
『日本語におけるカタカナ表記は”ヴェルサーチェ”に統一する』
と発表しており、正しい読み方をしっかりと伝えていきたいので
今後は”ヴェルサーチェ”でお願いします
次回は”ブランドの元祖”と呼ばれた
イタリアの超名門ブランドを紹介します