【幕が上がる】一生懸命やるのが苦だった学生時代。一生懸命になりたい今。
「将来きっと役に立つから、一生懸命頑張りなさい」
そう言われても、10代の私にはピンとこなかった。
100%楽しいことなら全力投球できたけれど、5%でもきついと思えばすぐに放棄していた。
一生懸命、努力という言葉が本当に似合わない学生時代だったのです。
だからでしょうか、親や教師の「今のあなたのためでなく、将来のあなたのため」というメッセージが全く響かず、''今自分が心動かされるもの''を優先してきました。
こういった経験も、20代後半に差し掛かればきちんと後悔として処理されていきます。
ほらねーーいったじゃーーん!ってなりますよね。お母さん、お父さん、先生、、、
いやぁ。街中で学生さんをみると「今のうちだよ〜いろいろ経験しなよ〜きっとなんらかの形で将来に活きるからね〜」
って声をかけたくなる。
いや、まんまじゃん。過去に自分が聞かされた言葉まんま。
親や先生がもっと伝え方を工夫すればいいのか、子供(自分)の想像力が足りないのか...
どちらかが悪いということでないのは分かりますが、ただ後悔するという結果が待ち受けていることは確かで、それを受け入れなければならないのは誰でもない自分。
後悔の回避はできなかったのかな〜と後悔にどんどん飲み込まれていってしまうわけです。
後悔後悔後悔後悔.....
ただ、この後悔って変化のキーともいえるんです。効果とはつまり、
・何かを経験した結果得た後悔
・何も経験しなかったことで得た後悔
この2つがあります。
どちらにしろ、経験したというプラス要素は確実に存在する!
舵を取るのはいつからでも遅くない!まだ間に合う!
「きっと将来の役に立つから」
将来って子供にとっての大人だけではないですからね。誰にとっても1秒先は将来!
ちょっと長くなりましたが、「後悔をバネにして今から頑張ろう!」という人におすすめなのが、平田オリザさんの「幕が上がる」です。
演劇部に所属する主人公は、ラスト1年どう演劇に取り組んでいるか悩んでいました。
そんなときに赴任してきた演劇経験者の先生を副顧問に迎えた演劇部は、去年よりも上のステージを目指すことを決意。
彼女たちのなかなか前進しないがむしゃらな毎日と、演劇に取り組む姿勢が丁寧に描かれた本作。
演劇の奥深さはもちろん、「答えがすぐ出ないことの当たり前」を読者と一緒に学びながら手を取り合いながら、私たち読者と演劇部の部員は成長していきます。
いえ、成長といったらまた強いられてる感が出てしまいますね。
ボールがうまく飛べばok、相手の反撃がなければokという白黒つけやすいものとは全く異なる演劇という世界は、何かを得ることの''不確かな感覚''を読者に教えてくれます。
彼女たちが成長し、大人になった後の描写はありません。あくまでも、彼女たちの今が描かれています。
私たち読者は、その今を見つめることで自分の過去が救われ、後悔から小さな気づきの芽を咲かせることができるのです。
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