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『だから日本人よ、靖国へ行こう』 

小野田寛郎(ひろお)さんと中條(なかじょう)高徳(たかのり)さんの対談集。小野田さんはだれもが知っているだろう。フィリピンのルパング島で戦後の28年間、残置防諜という軍命令を遂行した英雄だ。(1922.3.19-2014.1.16)
中條さんはアサヒビール常務取締役営業本部長として業績低迷していた社業再興を成功に導いた有能なビズネスマン。(1927.5.3-2014.12.24)
本書から印象に残ったj箇所をランダムに取り上げよう。
まず小野田さんの「はしがき」から。
《いまさら理屈をつけて靖国神社について、あれこれ説明しなければならないのは、おかしい。しかし、中国、韓国が声高に言うのだから、こちらも声を大にして言う必要があります。…そもそも、上坂冬子さんもおっしゃっているように、中国、韓国は昭和27年に平和条約を結んだ時の当事者ではないのですから、A級戦犯云々を言う資格もないのです。靖国に祀られている人は、自分の欲得で死んだのではありません。国が戦争をしたから死んだのです。国が永代供養をするのは当然なのです。A級戦犯と言われる人たちにも恩給が出ています。社会党の堤ツルヨ代議士らの尽力で、昭和28年には戦犯の遺族たちへも遺族年金および弔慰金が支給されることになったし、昭和29年の恩給法の改正によって、拘禁中獄死や刑死したものの遺族に対しても扶助料が支給されることになりました。あの頃は与野党を問わず立派な日本人がいました。よほどものの道理が分かっていた。どこでどう間違ってしまったのか。帰ってからの靖国をめぐるゴタゴタで、僕はつくぐく日本が嫌になってブラジルに行きました。≫
中條さんは「あとがき」で次のように言う。
《「生きて帰った吾にはなんでも出来る。死んでいった人達は、後に残った者達が期待に応えてくれてこそ死甲斐があるのに、この体たらくは何だ」との小野田発言は、靖国の神々のお声として厳粛に受け止めました。…靖国問題の大事な諸点を抉り出し「むすび」としよう。(1)昨今の中韓の発言は、まさに典型的な内政干渉である。両国とは既に国家間で、このような後ろ向きの干渉はやめ、前向きに歩むことを国際条約で約束済みである。(2)実際に戦った各国とは戦犯の処理なども話し合い、何ら問題が起きていないのに、直接干戈を(かんか)を交えなかった両国だけが干渉の声が喧しい。(3)戦争の勝敗は正義とはまったく関係ない。単なる力の強弱の結果にすぎないという単純素朴だが大事な論理を日本人の多くが理解していない。…≫
本文中からもピックアップしてみよう。
本条さん。「法治国家にA級戦犯はいない」。捕虜虐待などB級、C級戦犯は戦前の国際法に規定があった。しかしA級戦犯、つまり平和に対する罪は戦後の東京裁判で作り出された概念で「事後法禁止」という法治原則に反する違法無効なものである。
《昭和26年11月に当時の大橋武雄法務総裁が参議院の法務委員会で「戦犯は国内法においては犯罪者ではない。国内法の適用においてこれを犯罪者として扱うことは、いかなる意味においても適当ではない」と明言している…講和条約ですべてチャラになっているのだから、A級戦犯というのはもはや存在しないんだ。それが証拠に、A級戦犯に指定され終身禁固刑に処された賀屋興宣は池田内閣の法務大臣、A級戦犯で7年の刑に処された重光葵は鳩山内閣の外務大臣になり、国連で世界各国を前に堂々と演説をしています。…講和条約発効後の昭和27年6月5日から全国一斉に戦争受刑者の助命・減刑内地送還嘆願の署名運動が始められてこれには、4千万人もの署名が集まった。…そして12月の第5回衆議院本会議ででは、自由党・改進党・左右両派社会党などの共同提案によって「戦争犯罪による受刑者の釈放等に関する決議」が与野党一致で可決された。…≫
小野田さん。《今度(本書刊行は2006年)のプーチンの訪問の際、ロシア側から靖国参拝はどうしましょうかと打診してきたそうです。それを外務省が「いろいろ摩擦が起きるからけっこうです」と断ったというから、聞いてあきれる。≫
中條さん。司会の「(小泉)首相の靖国参拝に一番強く反対したのは、奥田碩前経団連課長をはじめとする財界人です。中国、韓国で商売している財界人が反対したんです。」に答えて,《会社のためより、日本のためにはそうしてくださいって。財界には、これくらい選択してもらいたいな。会社の利益のために国家を売ってはいけない。そんなことをしたらますます中国はつけあがる。≫





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