Mr. イグレシアス パート1-3

全3パート
エピソード数：
パート1：10
パート2：6
パート3：5
時間：30分前後
ジャンル：シットコム・学校
時代設定：現代
放送年：2019-2020年
舞台：アメリカ・カリフォルニア州
視聴できる動画サービス：Netflix
評価：8 / 10

○概要
アメリカ・カリフォルニア州にある公立高校ウッドロウ・ウィルソンが舞台で、その学校の卒業生であるガブリエル(ゲイブ)・イグレシアスが、その母校で歴史教師として教鞭をとり、同僚の教師とともに、生徒たちの指導に奮闘する様子を描いたシットコム。

○物語の構成
各エピソードごとに物語は一段落しますが、起こった出来事はその後のエピソードに引き継がれます。物語中で、前に起きた出来事などについて言及されることは少ないですが、できれば短期間で全エピソードを見ておくことをお勧めします。物語は、気を持たせるようなもったいぶった展開はほとんどなく、比較的あっさりと進展します。登場人物の人物像を丁寧に積み上げているため、味気なく感じることはなく、むしろ自然に受け入れることができます。

○各エピソードについて
それぞれのエピソードは、学校で起こる出来事、騒動を中心に描かれます。
その中で、何らかの社会や人間が抱える課題が扱われ、見方によっては重い主題もありますが、それらをユーモアで包むことで、重苦しい物語の展開にはならず、後味の悪い結末になることもなく、安心して楽しめる内容になっています。社会風刺も盛り込まれており、人種に関しては特によく出てくるように感じました。特に主人公であるゲイブが南米ラテン系ということもあってか、南米ラテン系に関して言及されることが多くありました。笑いが物語の中心ですが、人間の内面や人間関係もきちんと描写され、生徒との関わり、同僚教師たちとの関わり、教師の在り方など、様々な課題に取り組むゲイブの姿は、色々気づきを与え、考えさせてくれます。生徒が教師から教わるだけでなく、教師もまた生徒から教わり、ともに成長していきます。

○登場人物について
生徒も教師もみな個性的で、初めからある程度その特徴は確立されていますが、エピソードを重ねるごとにそれぞれの登場人物の個性はさらに強く出てきます。個性的ではありますが、性格がひどく悪い人間もいないため、そういう点でも嫌な気分にはならないでしょう。登場人物は、中心となる教師と生徒を合わせて十数人で、少し多めです。ただし、それでほぼ固定になるため、最初は覚えるのに苦労するかもしれませんが、慣れてくると混乱することはないはずです。レギュラーとなる登場人物は増えていくものの、少しずつで、たまにゲストキャラクターが出てきますが、1話限りということで、覚える負担はないと思います。

○ガブリエル・イグレシアスについて
主人公を演じるガブリエル・イグレシアスは、コメディアンでもあり、Netflixでは彼の出演するコメディショーの番組がいくつか見ることができます。ドラマの視聴前はコメディアンの印象から、内容もコメディ要素に突き抜けたものかと想像していましたが、実際は正統派で良質のシットコムでした。ちなみに、「Modern Family」シーズン9のあるエピソードでも登場し、思わぬ役柄で笑わせてくれます。

○その他
シーズンとしての構成がよくわからなかったので、パートをそのまま示しておきました。各パートで物語的には一区切りする形で、次のパートに移るにともなって、物語上において時間の経過があります。パート3まで視聴しましたが、この続きがあるのかどうかは今のところわかりません。ここで終わりとしても、消化不良という印象はないですし、また、続きがあったとしても、生徒の将来や教師陣のプライベートや過去など、まだ語られていないことはたくさんあるので、無理に引き延ばした、という印象もないでしょう。

○英語学習の教材として
ジョークが多く、わからないものも多かったものの、エピソード全体の流れがわからないことはありませんでした。話す速度はそれほど早くないため、聞き取りそのものは決して難しいわけではありませんが、ジョークなどもあり、話される内容を把握できたかどうかというと、怪しい箇所は少なくありませんでした。ゲイブがメキシコ系アメリカ人という設定もあって、スペイン語を話す場面がところどころ出てきますが、わからなくても支障はなく、重要な場面は字幕で示されます。
聞き取りの難度：3 / 5
※数字が高くなるほど難度が高くなります