伝統的なアクティビティと現代的なアクティビティ、短い時間でも充実感たっぷりでした。
少し重い話
退職前に部下だった女性が先日亡くなりました。短い闘病生活での急逝でした。私が47都道府県すべてに観光で訪れたことを話すと、自分もそれが目標にしようと言うほど旅行が大好きな女性でした。ある日、私のデスクの上にお土産のお菓子があるので、どこに行ったんですかと尋ねると、宮崎・熊本へ日帰りで行ってきましたというのです。朝一番と最終のフライト+レンタカーでどこにでも日帰りで出かける元気な方でした。自家用車だけで日帰りが難しく、フライトがない北関東などに日帰りで行くのは難しいと、日帰りにもこだわっていました。
そんな彼女の葬儀の際の会葬礼が香典返しを兼ねる選べるギフトでした。選べるギフトは便利なのですが、欲しいと思うものがなかなか見つからず、グルメ系の食品を選ぶのが常でした。今回もそんなことを思いつつ、ペラペラとページを繰っていると、浅草での人力車体験を見つけました。旅行好きな彼女を思いだし、これだと思ったのです。
浅草はインバウンド観光客があふれていました
人力車体験を15:00で予約して、13:00頃、浅草に到着しました。遅い昼食を摂ろうと思いましたが、「浅草でのランチ」というイメージのお店はどこも満員で、待ち行列ができていました。インバウンド観光客のように「浅草」にこだわる必要もないと割り切って、普段と変わらないタリーズでの軽食ランチに落ち着きました。
久々の浅草でしたから、仲見世を通って浅草寺へ参拝に行くと、日本人も少なくありませんでしたが、インバウンド観光客であふれかえっています。レンタルの着物を着ている外国人も多くいましたが、裾を翻して歩く姿を見て残念にも思いました。着物レンタル店には和服での歩き方の文化も伝えて欲しいものです。
岡崎屋惣次郎
人力車体験は『岡崎屋惣次郎』という講談人力車でした。写真では伝えきれませんので、その雄姿は是非『岡崎屋惣次郎』さんの動画ページ(http://www.okazakiya.com/gallery/index.htm)で確認してください。雷門付近から出発して吾妻橋を渡り、隅田川沿いに南下して、駒形橋を渡って戻るという15分という短いツアー(選べるギフトの一品ですから)でしたが、充実した楽しい時間でした。
岡崎屋惣次郎さんは、浅草寺や雷門のこぼれ話、明治初期(1860年代)を起源とする人力車の歴史、現代の観光人力車との違い、隅田川の橋についてのこぼれ話、隅田川花火大会のこぼれ話と、流れるように語りながら(まさに講談)走って行きます。隅田川の海上交通のために、隅田川の橋が真ん中が高い太鼓橋だという解説をしながら、息も切らせずその橋を上っていく姿は「凄い」の一言です。語りは「観光案内せりふ」ではなく、私たち乗客との掛け合いも入れた「ライブ感」あふれるもので、走りながら私たちの応えに合わせて語りを進める匠の技でした。
越谷で翔びました
今回の東京方面行きでは浅草での伝統的な人力車体験とあわせて、越谷での現代的な『インドア・スカイダイビング』も体験しました。埼玉県越谷にインドア・スカイダイビングが体験できる施設『FlyStation』があります。最大時速360kmの風が吹き上がるウインドトンネルの中で浮遊体験ができます。
1回のフライトは1分間です。最初のフライトは人の高さで、インストラクターに調整されながら翔ぶ姿勢を覚えます。バランスを崩したり、回転したりしなければインストラクターは手を出しませんので、写真のように浮くことができます。体にはかなりの風圧がかかります。初めての浮遊ですから、左右前後のバランスの取り方は分かりません。時折、回転して壁の方に流れていきます。その都度、インストラクターが位置を修正してくれます。1分間はあっという間でした。
2回目のフライトは「タクシーフライ」にしました。これはインストラクターが高いところまで連れて行ってくれるという、まさに翔ぶ体験です。1回目で覚えた「浮遊姿勢」を保っていると、インストラクターが私の腕と脚を保持して高く飛び上がります。10メートルほどの高さまで翔び、地上すれすれまで降りてきて、回転の仕方を変えながら上へ下へと連れて行ってくれます。高いところからの眺めは爽快です。浮遊の時よりも強い風圧で上昇・降下をくり返します。浮遊と同じ1分間でしたが、意外に長く感じました。
浮遊にせよタクシーフライにせよ、体を支える『固い』基盤がありませんから、ジェットコースターのようなアクティビティでは得られない感覚が味わえます。かなりの風圧ですから、1分間と言ってもそれなりに体力も使います。1回、2回の経験ですから風と戯れるところまではいけませんでしたが、短いけれど濃密で充実感のある体験でした。
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