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『学習する社会』

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研究的なシリーズエッセイ『学習する社会』です。
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『学習する社会』#1 0.シリーズエッセイを始めるにあたって

0.シリーズエッセイを始めるにあたって日常生活では、ほとんどの物事を「当たり前」として、…

紫苑の始まり
8か月前
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『学習する社会』#24 3.学ぶこと 3.2 思考のための道具 (3)学びの過程 …

3.学ぶこと3.2 思考のための道具(3)学びの過程コルブ(1976)が提示した学習サイクルのモ…

紫苑の始まり
5か月前
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『学習する社会』#23 3.学ぶこと 3.2 思考のための道具 (3)学びの過程 …

3.学ぶこと3.2 思考のための道具前回までに述べてきたように、我々は世界を類型的に認知し…

紫苑の始まり
6か月前
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『学習する社会』#22 3.学ぶこと 3.2 思考のための道具 (2)行為の進行

3.学ぶこと3.2 思考のための道具今まで何をしてきたのか、これから何をするのかを考える際…

紫苑の始まり
6か月前
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『学習する社会』#21 3.学ぶこと 3.2 思考のための道具 (1)知の媒体

3.学ぶこと暗黙知の議論に見られたように、学びに行為は不可欠である。とは言え、我々の行為…

紫苑の始まり
6か月前
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『学習する社会』#20 3.学ぶこと 3.1 決めること (3)単純な思考機械

3.1 決めること意思決定論の最大化原理やサイモン(1957)の提唱した満足化原理、内藤(2003)が…

紫苑の始まり
6か月前
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『学習する社会』#19 3.学ぶこと 3.1 決めること (2)選択の背景

3.学ぶこと3.1 決めること前回(#18)では、日常的に「決める」という状況、「あれかこれか」という選択状況について考えた。我々が、最大化原理よりは満足化原理で選択していること、あいまいな「価値観」という価値基準に従っていることを示した。今回は、価値基準と選択との関係について考えてみたい。 (2)選択の背景「あれかこれか」という選択の場面でも、その選択方法は多様である。評価・選択の対象は何でも良い。商品の購入でも、休日の過ごし方でも、テレビ番組でも良い。我々が「あれかこれ

『学習する社会』#18 3.学ぶこと 3.1 決めること (1)あれかこれか

 2011年1月31日、前日からの記録的な大雪でJR北陸線はほぼ全列車が運休していた。翌、2月1…

紫苑の始まり
6か月前

『学習する社会』#17 2.知ること 2.5 小括 (研究的なシリーズエッセイ)

2.知ること2.5 小括学習する社会という視点で議論を進める基点として、学習を「我々が日常…

紫苑の始まり
6か月前
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『学習する社会』#16 2.知ること 2.4 知の在所 (研究的なシリーズエッセイ…

2.知ること「知ること」について、その原点を暗黙知やアフォーダンスの考え方に求め(#7~…

紫苑の始まり
6か月前
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『学習する社会』#15 2.知ること 2.3 することについて (4)学習する社会…

2.知ること2.3 することについて#13で現象学的社会学の行為概念、#14で心理学の行動…

紫苑の始まり
6か月前
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『学習する社会』#14 2.知ること 2.3 することについて (3)観察される行…

2.知ること2.3 することについて「知ること」を知るために「すること」に目を転じ、#13…

紫苑の始まり
7か月前
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『学習する社会』#13 2.知ること 2.3 することについて (1)意図的な行為 …

2.知ること2.3 することについてポラニー(1966)の暗黙知の議論においても、ギブソン(1979)…

紫苑の始まり
7か月前
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『学習する社会』#12 2.知ること 2.2 知るための媒体 2.2(3)道具としての他者 

2.知ること2.2 知るための媒体2.2(3)道具としての他者我々はモノの道具化で身体という最初の道具を拡張し、環境についての知を拡大する。しかし、道具として使うことができるのは物だけではない。我々は自分でない人【他者】の行為を通じて自己の意図を達成できる。探り杖やラケットが道具になるように、他者もまた環境を知り、環境に働きかけるための道具となる。 他者の道具化の過程 他者を他者として意識せずに自己の身体の延長として意識する【他者の道具化】という見方で、知るということを考