見出し画像

韓国人に恋をした話

2022年、冬、東京

いつもの時間、いつもの場所、いつものように声をかける。

👁「おつかれ!」
👸「私韓国人です!」

韓国人の旅行客か…

無理に連れ出しを狙わずに少しだけ和んでインスタグラムを交換した。

その日はメッセージを送らず、彼女が帰国して少し経ってからDMを送った。

~Instagram~
👁「この前はありがとう!」
👸「私もありがとう!」

この人のストーリーズに返信しました
👁「可愛い!」
👸「ありがとう!クリスマスはどうだった?🎄」
👁「クリスマスはイルミネーションを見たよ!」
👁「次いつ日本に来るの?」
👸「はい!今度桜を見に日本に行くよ!🌸」
👁「おー!その時は会いたい🌸」
👸「そうだね!機会があれば会おう!日本語の勉強をしてるよ!」
👁「おー!俺も韓国語の勉強をしてる!」
👸「本当?勉強中に分からない部分があったら教えてあげる!」
👁「고마워요~‼」
👸「私たち友達になろう!!」
👁「うん!友達になろう!」
👸「東京に住んでるの?」
👁「東京で一人暮らしをしてるよ!」
👸「そうなんだ。私東京大好きです😌」
👁「東京楽しいよね!」
👁「LINEやってる?電話したい!」
👸「LINEは作ればいいんだよ!」
👸「ところで私日本語できないから電話できるかな?」

LINEを交換して電話をすることになる。

俺も韓国語を喋れないがマインドでどうにかなると思った。

👸「モシモシ」

イントネーションが可愛かったのを覚えている。

翻訳とか使って電話とLINEで上手く意思疎通が出来た。


気付けば初めて電話をした日から毎日LINEでやり取りをしていた。
週に2~3回は必ず電話をした。

いつしか彼女とやり取りをするのが1日の楽しみになっていた。
日本のアニメ、ドラマ、映画の話、お互いのMBTI、性格、相性について話したり、日本で流行っているもの、韓国で流行っているものを共有したり、今までどんな人生を歩んできたか将来の夢まで沢山話した。
意思疎通は少し難しかったが、なぜか心を開けて会話が出来た。

二週間くらいやり取りを続けた頃

👸📞「3月に東京に行くよ!あなたと一緒に桜を見たい!」

俺に会いに一人で日本に来てくれることになる。

3月中旬の4連休に合わせて日程を調整した。

まだ飛行機やホテルを予約していなかったので、本当に来てくれるかどうかは若干疑っていた。

D-DAYアプリに東京旅行の日を設定した。

それからもLINEや電話で毎日やり取りをした。

翻訳のグルチャを作るとコミュニケーションが楽
身内ネタの「最高の仲間🤜🤛」など教えた(笑)
d-dayで俺たちが合うまで何日か数えた

미녀(美女)という単語は韓国ではおじさん達が使う言葉らしい。
俺は面白がって後にLINEや電話で「미녀(美女)」と言う単語をノリで何度も使うことになる。
👁「〇〇는 미녀」
👸「미녀だめ~!」
2人だけの内輪ノリみたいなものが出来た。
(今も電話で言ってるw)

朝起きたら「おはよう☀」とLINEを送り
寝る前には「おやすみ🌙」とLINEを送る
綺麗な景色を見た時は一番最初に彼女に共有したくなった。
美味しかった飯、ハマってるNetflixの作品、日常のどうでもいいことまで全て彼女と共有したくなった。

彼女の友達が困っていたら助けた。

ハリガリという韓国のカードゲーム
果物5つでベルを鳴らすスピードバトル

場に出ているカード(下にあるカードは関係ない)をよく見て、同じフルーツの数の合計が5になったら(5個のカード1枚だけでもOK)、それに気が付いた人がベルを鳴らすというゲーム。速さだけでなく正確さも求められる。

東京にハリガリを持ってきて俺と勝負すると約束した。



彼女は毎日LINEや電話で
「밥 먹었어?(ご飯食べた?)」
「뭐해~?(何してるの〜?)」
と聞いてくる。
最初は若干鬱陶しいと感じていたが(調べたら韓国の挨拶らしい)
今ではとても嬉しいし聞かれるのを待ってるし自分から밥 먹었어?(ご飯食べた?)뭐해~?(何してるの〜?)と彼女に挨拶している。
※彼女からしたら俺の「最高の仲間🤜🤛」としきりに言ってくるのが若干どころじゃなく鬱陶しいと感じていたはずw




2月上旬
📞👸「飛行機とホテルの予約をしたよ!!」
📞👸「桜咲いてるかな?」
📞👸「私、中目黒に行きたい!!」
📞👸「私、ディズニーシー行きたい!!」
📞👸「私、東京タワー好き」

本当に俺に会いに日本に来てくれるんだ。と素直に嬉しかった。

思い出に残る東京旅行にしてあげよう。


その日から天気を毎日チェックして、桜の開花状況やディズニーの混雑状況を調べ、電話でどこに行きたいかどこに行ったことがあるかヒアリングした上で東京の絶景スポットやグルメなど調べた。

その時の俺は完全におもてなしマインド。
相手を思いやる日本人の気質や文化が息づいていた。
韓国寄せしている俺に大和魂が戻ってきた瞬間であった。


ついに明日、彼女と会える。

本当に不思議だと思った。

ここまで連絡をとって

俺に会いに東京に来てくれるなんて

本当に思いもよらなかった。

渋谷スクランブル交差点
明日、君と会える。







桜の開花は平年よりかなり早かった。





君と出会った場所で

君と待ち合わせる。


お互い時間だけ合わせてどこにいるかは伝えず、
どちらが早く見つけられるかゲームをして俺が先に彼女を見つけた。

彼女に会った時、不思議と初めて会った感じがしなかった。

「今日は東京タワーを見に行こう!!」

ずっと行ってみたかったドラマ東京タラレバ娘の聖地に連れていく。

品川シーズンテラス

👸  「와...(わぁ…)」
👸  「대박....(凄い….)」
👸「진짜 예뻐!!(本当に綺麗!)」

韓国語のリアクションがオーバーで本当に可愛かった。

東京タラレバ娘の坂口健太郎の真似をして東京タワーを摘んでみる。

👸「何してるんだよwww」
👸「めっちゃウケるwwww」


韓国語と日本語のミックスでクスクスと笑っていた。

👁「日本のドラマでこれをやるシーンがあるんだよ!!」

と教えてあげたら、絶対嘘wwと余計にクスクス笑っていた。


電話でもそうだが実際に会ってみて彼女がよく使う単語は覚えやすかった。


よし!ご飯を食べに行こう!!

タクシーを止めて移動した。

恵比寿ガーデンプレイスタワーの夜景がきれいなディナーを予約していた。


👸  「와...(わぁ…)」
👸  「대박....(凄い….)」
👸「진짜 예뻐…(本当に綺麗…)」

感動して言葉が出てこないようなリアクションを見せてくれた。

👁「お酒は飲む?」
👸「いやいや、私お酒飲めない!」

嫌いな食べ物がないところ
お酒を飲まないところ
コーヒーが好きなところ
食事に関してかなり共通点が多くて嬉しかった。

彼女との会話はLINEや電話でする何十倍何百倍も楽しかった。

表情、リアクション、声のトーン、愛嬌など、彼女の全ての非言語情報に惹かれていた。

お会計をトイレ行ってる間にスマートに済ませた。

👸「いくら払えばいいんだ?」
👁「東京まで来てくれて嬉しかったから俺の気持ちだよ」

ご飯を食べ終わり、彼女が泊まっているホテルに向かう。

近くのコンビニで韓国にないお菓子やアイスを買ってホテルにしれっとヨネスケする。

約束してたハリガリを持ってきてくれた。

👁「やっと勝負できるね😏」
👸「私強いから負けても泣かないでねー😏」
👁「俺の動体視力と反射神経を舐めるなよ😏😏」
👸「ウケるㅋㅋㅋㅋㅋ」

👸「あー忘れないうちに、これ🎁」

オシャレな紙袋を渡してくれた

紙袋の中にはサシェと手紙が入っていた。

👁「手紙書いてきてくれたの!?」
👁「今、読んでいい?」
👸「いいよー///」

日本語で書いてくれた手紙を音読していくうちに

視界がボヤけ、声が震えてくる

気付けば涙が零れ落ちていた。

👸「なんで泣いてるの??え!?ふざけてるの?」
👸「全然悲しい内容じゃないんだけど??」
👸「ウケるㅋㅋㅋㅋㅋ」
👸「え!?本当に泣いてるの??え、大丈夫??泣かないで😣」

最初俺がふざけて泣いてるのかと思ったらしくガチで感動して号泣してる俺の目の前でケラケラ笑っていたw

実は俺は涙脆いのだ。
やはり手紙は心に響くなーと思わされた。
だが、何故こんなにも感動しているのか自分でも分からなかった。


その後はハリガリをやったりお菓子を食べたり写真を撮ったりした。

ハリガリは2勝1敗で俺が勝った。

最初だけ負けたが慣れたら余裕で勝てたw

彼女と一緒にいる時間は想像以上に楽しかった。

終電を逃して彼女の部屋に泊まることに

布団に潜りハグをしてキスをしようとすると
物凄い力で抵抗される

👸「なにしてるー💢💢」
👁  「え、ダメなの?笑」
👸  「ダメに決まってるー💢💢
👸  「私達友達ー!💢💢」



👁  「君にとって俺は、ただの友達?」
👸「普通の友達ではないけど、まだもっと時間をかけて知っていきたい。」
👁  「俺にとって君は、特別かな。」



この夜の結果がどうなったかはご想像にお任せする。
ただ、とてもいい夜だった。とだけ伝えておこう。




2日目はディズニーシー
一番の思い出は並んでる時間だ。
並んでる時間でお互いを深く知れたしノリや波長も合うことが分かった。
ふざけて頭をポンと叩くと「キー💢」っていちいちキレたリアクションをしてくれて、その様子がとても可愛くて面白かったw
※韓国人は年齢の上下関係が凄く厳しいらしい
俺は面白がって何かトークでツッコミ等を入れる度に頭を優しくポンと叩く、その度に
👸「私、あなたより歳上!!누나!」
※彼女は俺よりも2つ歳上
一緒にいる時間全てが楽しかった。
彼女は初めてのディズニーシーで見るもの全て感動したような表情をしていた。
そんな彼女を見て俺も幸せだった。
乗りたいアトラクションにも乗れて写真も沢山撮った。

暖かくなってきたとはいえ明らかに夜は寒い服装で来てしまった俺にずっとくっ付いて肩を摩って温めてくれた。
更に夜は寒かったので早く帰ろうと気を遣ってくれた。
なんて優しいんだこの子は
長時間一緒にいることで彼女の面白さやノリの良さ賢さ優しさをより深く感じることが出来た。
夜渋谷に帰ってきてから渋谷の某有名なスパゲッティを一緒に食べた。彼女的には旅行で一番美味かったらしい。
また彼女の部屋にヨネスケして夜を共に過ごす。



3日目は代々木公園、明治神宮、原宿、表参道、中目黒と色んな所へ連れて行った。
昼間から代々木公園に行き、ほぼ満開で賑わっていた。1日目から思っていたが写真を撮るのが凄く上手い。やはり韓国人は写真を撮るセンスが優れている。インスタのストーリーは文字を見えないくらい小さくするのが韓国で流行っているなど色々と教えてくれた。

代々木公園の次に明治神宮でお参りをすると
👸「神なのになんでお金をとるんだよ💢❓」
と不思議がっていたが、確かにwwっと思った。
それ以外にも彼女と観光していて日本の文化の不思議なところは沢山あって夜には一緒に厚切りジェイソンの動画を観てケラケラ笑った。

その後は原宿表参道を散歩して撮影スポットを巡った。
本当に写真や動画を撮るセンスが神がかってていちいち感動していた。
散歩しながら彼女の友達とビデオ通話したり、街にいる人が韓国人か日本人かを当てるゲームをしたり楽しかった。ちなみに俺の方が韓国人と日本人の特徴を掴んでいたw
彼女が牛タン食べたい!と言ってたので牛タンを食べた。韓国には牛タンがあまりないらしい。
そのままタクって目黒川の桜を見に行く。まだ満開ではなかったが人は沢山いた。写真を沢山撮った。

歩き疲れたので彼女のホテルに3日連続ヨネスケする。
夜遅くに彼女がつけ麺を食べたいと言い出したのでつけ麺を食べに行った。人が少なく暗い深夜の渋谷は、まるで今際の国のアリスの世界みたいだ!とテンションが上がっていた。



4日目は井の頭公園に連れて行った。
3日目の夜の中目黒が満開ではなかった分、井の頭公園の満開がとても綺麗に見えた。
👁「そうかー今日帰っちゃうのか」
少しづつお別れの時間を意識し出し寂しい気持ちになる。
飛行機の時間まで桜を見たりカフェでゆっくりした。

3泊4日の思い出を2人で振り返る。

成田エクスプレスの切符を購入し改札内に入り
電車が来るまで駅のホームで一緒にいた。

👁「次は俺が韓国に行く!」
👸「うん!次は私が案内する!」
👁「次は8割韓国語で話そう!笑」
👸「うん!私も日本語の勉強を頑張る!笑」
👁「それじゃあ、またね✋」
👸「うん、またね✋」

時間になり、彼女は大きなキャリーケースを引きながら電車に乗った。座席の窓から手を振る彼女を笑顔で見送った。

その後、意味もなく街を歩いた。
色々な感情が混ざりすぎて視界がぼやけ、歩きながら涙が零れ落ちていた。

久しぶりにこんな感情になった。
思い返してみれば
もう恋なんかしない
結婚もしない子供もいらない。
俺は俺の好きなように俺の為だけに生きる。
守るものなんて作らない。
と本気で誓った時期にナンパで彼女と出会っていた。
このタイミングで出会ったのも何かの縁を感じる。

俺は多分、彼女に恋をしている。

彼女と3ヵ月近くLINEや電話でやり取りして
実際に4日間一緒に過ごしてみて
意思疎通が難しく翻訳を駆使したり語学学習に励んだりと
コミュニケーションに対するコストがかかっている。

顔も体も性格も全てが俺のタイプだが、ここまで惚れている一番の理由はサンクコストだと思った。

彼女が帰国してからは毎日電話をしている。
毎日韓国語の勉強をしている。

サンクコストをかけたから好きになったのか
好きだからサンクコストをかけたのか

どっちでもいい。俺はもう好きだから。
サンクコスト理論とか何も考えず尽くしたい。


彼女とは恋人になったわけじゃない。
ただ、お互い特別で不思議な関係。

出会えたのは運命。

君がたまたま日本に来ていて、あの日、あの時、あの場所にいて、俺がたまたまあの日、あの時、あの場所、あのタイミングで君に声をかけたから、こうして特別な関係になれた。

もしかしたら君は他の人を好きになるかもしれないし、俺もこの感情がいつまで続くか分からない。
でも君との思い出だけは絶対に消えない。
君を好きな気持ちが消えないうちは沢山思い出を作りたい。

次は俺が韓国に行く
韓国語を覚えて
ハングルで手紙を書いて
君に手紙を渡しに











この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?