見出し画像

お寺で働く、参勤さんと承仕さん

今の築地本願寺は、企業さんのランクに入れてもかなり上位の「ホワイト企業」だと思われます。
では、昔はブラック企業かというと……。
むしろ、ほぼ軍隊でした(`・ω・´)ゞ
今は昔。そんな昔の話を、昔話として。

いろいろと築地本願寺への奉職の時代によって違いますが、僕は本山一括採用ののちに各地へ配属というシステムの第一期目だったとおもいます。
 普通の企業さんと同じように試験をうけ、採用がきまり、そして採用されてすぐに本山研修。
いろいろと基本的な事柄を教えてもらったり、夜は懇親会があったりと、本山職員の皆さんはとても優しく親切で、今から始まる本願寺ライフ&東京ライフは明るく見えて、心の中のシャ乱Qが「上京物語」を歌っていたました。
3日間の研修を終えて、そのまま配属地たる東京へ。同じ築地本願寺に配属の同期と新幹線で東京へと向かいました。心の中の米米CLUBが「浪漫飛行」を歌っていました。

ダウンロード

「ここで、僧侶として色々と学ぶことができる。いったいどんな毎日が始まるんだろう」
と正門の前に立った平井青年は希望に打ち震えておりました。もう既に時刻は夕方。人事担当の方へご挨拶に伺うと、「あ、承仕の筆頭さんが来るから、待ってて」
と言われて数分後に承仕筆頭の方が来られました。

その時の築地本願寺は大きく分けて職制が5つ。
輪番、副輪番、参勤、承仕と事務職といった感じでした。
輪番は代表者でお一人。それえを補佐する副輪番が数名。
その下に参勤(さんきん)と呼ばれる人が多数。
その下に承仕(じょうし)と呼ばれる人が多数。
その承仕見習いから、僕はスタートでした。
その序列は強烈に奉職年数でつけられ、承仕も見習いから、二年目、三年目と厳然たる差があり、その中で一番最長の職員が「筆頭(ひっとう)」という立場にたって承仕職務全般の統括をしていました。
ちなみに、承仕にとっての参勤さんたちは、

画像2

『北斗の拳』の修羅でした。僕は1巻目登場時のバット以下の存在です。
もしくは、魔人ブウと「戦闘力5のおじさん」のようなものです。

画像3

なにはともあれ、そういったヒエラルキーもよくわからないまま配属した僕たちは、承仕筆頭さんの勤務説明で「修羅の国」の洗礼を受けます。

承仕筆頭「明日は、本堂の掃除の説明をするので、2時30分に集合!」

研修で疲れたから、昼の14時30分集合。では無く、朝の2時30分。
最初、冗談かと思いましたが、当然に冗談ではなく、翌朝2時30分の暗闇の中に僕と同期は境内の一角に集合するのでありました。
その時の同期の一言が味わい深かったです。

「テレビで、まだF1が走っていた……」

称念合掌。

この続きは書くかもしれません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?