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世界が終わるなら

誰もいない街を彷徨って
誰かの名前を呼びながら歩く
都市工学がデザインした幾何学模様のようなこの街
無機的なそのかたちには逆説的に強烈な人間のにおいが立ち昇る
この世にないものを作ろうとして
人間は必死になってきたけれど
繰り返される自然の営みは全てを許すが故に
人間の望みは叶わない
ただ自分が自然の一部であることを思い知るのだ
人工的という言葉は人間の驕りだ
自分が自然の反対側にいると勘違いしているだけだ
そんな僕が街で拾いたいと探しているもの
廃墟のように見えるこの街
廃墟すら人が住めば再び街となるように
僕が天才数学者だったらすべてを数字で表現するだろう
その数字こそが自然であり
人間は永遠にそのパラドックスの中で回り続けている
拾いたいのは愛だ
風に砂埃舞う路上に転がる愛だ
その愛を見つける日が世界が終わりの日
そう街が教えてくれている

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