フローとストックの置き場所を変える
この記事はわたくしセムが主宰するUdemyアウトライナー講座の受講生に向けて書かれたものですが、アウトライナーに興味のある方であればどなたでもお楽しみいただける内容となっています。
こんにちは、セムです。
最近、フロー情報とストック情報の置き場所を物理的に変えてみる試みをはじめました。フロー情報はアウトライナーDynalistで、ストック情報はScrapboxで管理しています。
もともとはこの記事の悩みから生まれました。
使い終わったアウトライン(ストック情報・備忘録)のゆくえ
フロー情報はDynalistで
Dynalistで管理しているフロー情報というのは、これから何かに変化することが前提になっているものたちです。主に下記のようなものが当てはまります。
・断片情報
・不完全なメモ
・まだ形にすらなってない殴り書き
・思いつき
・気になることの外部化
いわゆる「考え中」のステータス、あるいはまだ考える前の準備段階にあるものも含まれます。
ストック情報はScrapboxで
一方Scrapboxで管理しているストック情報というのは、ある程度シェイクが終わって、おいしい具合まで発酵したものです。これ以降の大きな変化はあまり期待していませんが、未来の自分に何か役立てば、という思いで残しているものです。わたしの場合、このようなものがストックに当てはまります。
・単独でもある程度形になっている(自分基準)
・調べるタスクの調査結果
・マイ辞書
・記憶の外部化
・文章テンプレート(メール文など)
ステータスとしては「完了」です。一通り役目は終えましたが、捨てたくない、未来のために保管しておきたい情報です。こういうのはScrapboxに入っていきます。そして入った時点で、Dynalistからはサヨナラです。
Scrapboxとキムチ冷蔵庫
韓国では冷蔵庫・洗濯機に並ぶメイン家電のキムチ冷蔵庫。
キムチはもともと冬場の野菜がとれにくい時期に備えて作られた保存食なのですが、発酵食品がゆえに、発酵しすぎると酸っぱくて食べられなくなります。(すっごい酸っぱいのが好きな人もいる)
そこを、最適なアルゴリズムによって乳酸菌による発酵を適切なスピードに調整し、ほどよい酸味と旨味のバランスを保つための韓国の最強家電、それがキムチ冷蔵庫です。
わたしの中では、Scrapboxはキムチ冷蔵庫のイメージです。程よく、ゆるやかに発酵を促す仕組みがそこにはあります。Scrapboxに入れて、ブラケットで囲っておく。それにより、単独で完成したメモ同士が化学反応を起こしていきます。ただ、そのスピードや発酵度合いはアウトライナーよりはゆるやかです。
四半期くらいで移し替え、ゆるやかな発酵を促す
以前はストック情報に当てはまるメモは同じDynalist内の資料アウトラインに移動させていました。(Dynalistなので独立管理が可能)
しかし、その方法だと入れっぱなしで終わってしまい、情報をうまく活用できていないことに気づいたのです。そのため、最近は資料アウトラインに入れるものは近日中に何度も見返す手順書型のものに絞り、そうでないものはScrapboxに移動させるようにしています。
場所を移して、ブラケットでキーワードを囲む作業により、新たなメモ同士の出会い、そして化学反応が生まれます。その後、時間と経験、そしてブラケットで囲まれたタグにより、情報はゆるやかな発酵を続けていきます。
上手に作った古漬けはまろやかで、旨味があります。情報も同じような旨味をもたせたい。そんな思いから場所を移してみました。
アウトライナー好きが高じて、Udemyという動画プラットフォームでアウトライナー関連講義を開講しています。興味のある方はこちらからどうぞ!