韓国の会社で働く 私の履歴書
こんにちは、韓国の会社で働く枝豆、セム(@ssem1622)です。
セムの仕事といえば「韓国企業の日本事業立ち上げ屋」
というわけでこれまでの立ち上げ屋キャリアを振り返ってみたいと思います。韓国語を使って仕事がしたい、将来は韓国に関わる仕事がしたいと思う方の参考になれば幸いです。
もともと大学生の頃から「韓国語を使って仕事がしたい」という夢を持って社会人生活を歩み始めたのですが、15年後の今、ようやく当時描いていた理想の姿に近づけたという実感を持てるようになりました。
最初の転機は某映像ソフトの会社に入ったこと。約6年前の出来事です。それまでももちろん違う形で韓国で働く、ということをやってきたのですが、いわゆる会社組織に入って仕事をするのはこれがはじめてでした。
社内で唯一の日本人というポジションで、はじめての事業開発。ここではゼロ、いえマイナスからの事業立て直しというミッションを与えられます。誰も日本語しゃべれないので、ひたすら韓国語で社内の関連部署とチャットや会議でコミュニケーションを取る日々。調整、調整、また調整。
社内外の意見を調整し、うまく落とし所をつけるブリッジスキルはここで身につけました。そしておじさんばっかりだったので、動いてもらうための大義名分も超重要。稟議書にも「名分」をちゃんと書くべし、提案書にも「名分」をちゃんと書くべしというくらい、相手の顔を立てつつ自分の要求を通すというスキルを徹底的に鍛えられました。
その後、転職活動を経て、韓国スタートアップの日本支社 現地採用社員として東京に渡ります。ここでのミッションは韓国である程度成功しているアプリマネタイズの仕組みを日本の事業者にも導入せよというもの。韓国の成功モデルを海外に、そして進出先第1号が日本というのは韓国企業お決まりのパターンです。
スタートアップは初めてだったのですが、わたしにはぴったりでした。前々職に比べると10倍以上のスピード意思決定で、目まぐるしく状況が変わります。何かするたびに根回しして、稟議書書いて、数日間結果を待って、といった前々職とは天と地の差でした。カルチャー超大事。
SaaS活用による「非同期環境で働く」スキルはここで身につけたものです。時差はなくとも物理的に距離がある韓国本社チームと一緒に仕事をするので、対面とはまた違ったスキルが問われます。ここでは日本支社の存在感をいかにアピールするかも命題でした。(何もしないでいると福利厚生などの面で置いてきぼりにされるんですよ支社は)
この職場では仕事に対する価値観がチームでしっかり共有できていたのも大きかったですね。仲間に恵まれ、仕事が楽しい! と心から思えるようになったのもこの頃からです。
そしてここでも調整、調整、また調整。自社にも相手にも動いてもらわないと始まらないプロジェクト導入型のプロダクトだったため、社内と取引先の間に立って落とし所を見つけつつ、両者のリソースを確保してもらうのが主な仕事でした。
ここでの韓国語使用率は前々職に比べるとぐっと減りましたが、逆に「日本で働く」「日本の会社と働く」という経験が得られました。それまでずっとボトルネックだったのが、日本に関する仕事をしているのに、日本での勤務経験が短いこと。それをカバーできたのが前職でした。
そして現職、コンテンツ翻訳サービスを提供する、前職よりも一回り小さいフェーズのスタートアップに転職します。ここでは日本現地第一号社員として採用されたわけですが、ご覧の通り、半分は韓国にいます(笑) そして韓国語使用比率はまた上がりました。多分8割超えています。
ここで求められているのは、事業フェーズを1→10に成長させること。いろんなことを広く浅く、分からないことは自分で学んで何とかすることが求められます。かつ、前職よりもレベルアップしたのが、経営陣とダイレクトに仕事をするという組織構造。前はCとの間にカンマネがいてくれましたが、今回はボスがCクラス。
わたしよりも一回り近く若い彼らですが、日頃見ている器の大きさが違うことを日々感じます。彼らの視点まで上がって話をしつつ、現場の視点まで下りて経営陣の思いを実務に反映して結果を出すという、プレイングマネージャーとしての役割が求められています。
ここでも調整、調整、また調整。相手に気持ちよく動いてもらうにはどうすればいいか、そればっかり考える日々です。
というわけでここまで履歴書というかエッセイと言うか、をつらつら書いてきたわけですが、思ったより長文になってしまいました。これまでの6年間、いろんなことをやってきたんだなぁと感じます。そしてこの6年で仕事が超楽しい!になり、今では月曜日を待ちわびる日々です。
外資だけど、欧米外資とはちょっと毛色が異なるアジア外資。いいですよ韓国企業。みんなウェルカムです。実は仕事の言語は日本語、社内は韓国語で(だけど外部向けじゃないから間違えてもみんな優しい)という会社は実は日本にも意外とあるんです。特にエンタメ系は狙い目です。
特に韓国に住むことが最終目的でないのなら、日本にも韓国語で働けるチャンスはいっぱい転がっています。ぜひみなさん、夢をつかんでくださいね!
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