システムエンジニアと営業は協力できるのか
システムエンジニアと営業は仲が悪いとか協力し会える関係ではないといった声を聞くことがあります。
チームや部署が違えばシステムエンジニアや営業に限らず、起こることですが特に言われることが多いのは、目線だけでなく、考え方の違いや見えているものの違いが大きいと思ったので書いてみます。
見えているものの違い
これは仕事以外にも言えることですが、システムエンジニアと営業では見えているものが大きく違います。
持っている1次情報で交わっている部分がほとんど無いです。
会社によってはエンジニアが営業と一緒に打ち合わせすることもあれば、開発会議に営業が参加することもあるので、うちの会社はお互いの仕事が見えているという会社もあるでしょう。
ただ多くの会社では自身の仕事量の関係で難しく、また打ち合わせに出たとしても業務を隣同士で行っているわけではないので、お互いの業務への理解は高くないことがほとんどです。
これはリモート業務している時や経営者の方と話していると感じるのですが、人は目に見えないとそれを「無いもの」と認識しがちです。
眼の前で仕事をしていないと仕事をしていないように感じるのです。
これは意識的に考えを修正しないと難しいので、お互いの業務を知る機会を増やしたり、先述したお互いの打ち合わせに出るなどして、相手の業務への理解に務めることで解決を図ります。
優先順位の違い
似た業務であればお互いを知ることで解決することも出来ますが、エンジニアと営業は優先順位が異なるので、これだけでは解決できません。
優先順位は仕事の目的と置き換えても良いです。
受託のシステム開発会社でいうと営業は案件の獲得、エンジニアはシステムの納品といったようにゴールが異なります。
自分の成果を最大化させるように動くものですので、このズレがお互いの関係性を悪化させる原因になります。
つまり営業は顧客が満足するようにエンジニアに動いてほしいのに対して、エンジニアはシステムが安定して動作できるように営業に交渉してほしいという違いがあります。
これを解決するには以下が考えられます。
営業にエンジニア経験がある(エンジニアに歩み寄る)
エンジニアに営業経験がある(営業に歩み寄る)
目的やゴールの目線を揃える(細かいルール作り)
両方できるリーダーを置く
ここまでで大体の企業はどこかしらに歪みが出来るものですが、残念ながらもう1つの問題があります。
考え方の違い
先程は業務における考え方の違いでしたが、これは信仰心にまで影響しかねない大きな壁です。
全員ではありませんが、エンジニアの多くはシステムを中心に世界が回っています。
システムやシステムを構成するフレームワークなどに対して「こうあるべき」という考え方を、仕事や社会に対しても適用してしまっているエンジニアは少なくありません。
簡単に言うと理屈や効率で世界が回っている、もしくは回すべきだという感じ。
これはシステムエンジニアに限らず、人より数字を見て仕事をする職種の方に多いのですが、エンジニアの場合は更にシステムの理屈が乗っかってくるので、よりこれが強い傾向にあります。
それに対して営業は理屈もありつつも、人や感情をどう上手く取り扱うかなので一見すると非効率なことが結果的に最高効率であることもあるでしょう。
これは頭にパッと思い浮かぶ順番の違いなので、優秀な人でも瞬間的に思ったことから順番に辿っていかないと相手の考え方とすり合わせが出来ないものです。
どちらが合っているかは今この瞬間を切り取った時の部分最適でしか無いので意味がなく、お互いが手を取り合うほうが良い結果になるので、お互いが相手をリスペクトできると良いですね、という当たり前の結論で終わりたいと思います。
私個人の考えとしては、お金を出しているのも仕事の目的も最終的には人に繋がるので、人の感情や考えを軽視するエンジニアに人の役に立つシステムは作れないと思っています。
どうしてもエンジニアはシステムの都合に振り回されながら開発するので、人の感情や考えまで意識するのは負担も大きいですが、人に役に立てたほうが喜びも大きいのでぜひ頑張りたいところです。
ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?