給与支払報告書の電子提出を初めてやってみた
はじめに
従業員などに給与を支払っている人や法人が、毎年1月末までに市区町村に提出しなければならない給与支払報告書。
私の勤務先では、これまで給与支払報告書を郵送で各市区町村に提出してきましたが、今回初めて電子提出を試みました。
給与支払報告書とは
給与支払報告書とは、従業員などの住む市区町村に、前年1年間にその従業員などへ支払った給与を報告するものです。
ということは、従業員の住む市区町村が多ければ多いほど、給与支払報告書の提出先も多くなります。
私の勤務先では、毎年約40か所の市区町村に給与支払報告書を提出してきました。
市区町村では、給与支払報告書をもとに、給与に課される住民税額を決めます。
郵送で提出していたときは・・・
郵送で提出するとなると、①封筒を準備する(提出用の封筒を準備してくれる市区町村もある)、②給与支払報告書を準備する、③給与支払報告書総括表に必要事項を記入し、給与支払報告書とともに封筒に入れる、④郵便料金を計算し切手を貼る、⑤投函するか集荷を依頼する、という手数を要します。
給与支払報告書の提出先が少ないなら、郵送でもさほど苦にならないと思いますが、毎年約40か所に提出するとなると重労働です。
他の担当業務もあるため、郵送で提出していたときは、どんなにうまくいっても1日約10か所でした。
電子提出を試みようとした理由
第一に重労働から解放されたいため、第二に電子提出完全義務化の可能性を否定できず、今のうちに電子提出のノウハウを蓄積させたいためです。
(現在は、前々年に税務署に提出した給与所得の源泉徴収票が100枚以上の場合にのみ給与支払報告書の電子提出が必要)
電子提出への道
給与支払報告書を電子提出するには、eLTAXを利用します。
まず利用届け出を行い、eLTAXのPCdeskをダウンロードします。
参考:はじめてご利用の方|eLTAX 地方税ポータルシステム
続いて、給与支払報告書のcsvデータを準備します。
私の勤務先では、給与ソフトのデータをExcelに取り込み、その後適宜加工してcsvデータを準備しました。
なお、csvデータは定められた仕様に則っている必要があります。
参考:(令和2年分~)給与支払報告書・源泉徴収票 統一CSVレイアウトの確定版公開について | eLTAX 地方税ポータルシステム
csvデータができたら、いよいよeLTAXに取り込みます。
ここでの壁はチェックエラー。例えば、氏名やふりがなは全角でなければなりませんし、年月日の頭には0がついていなければなりません。
(例:8月→「8」ではエラー、「08」だとOK)
エラーが出たら、該当箇所を修正する必要があります。
初めての試みはうまくいかないことがつきもので、氏名やふりがななどでエラーが出ました。半角を全角に変えるのはJIS関数を用いて乗り切りました。頭に0をつけなければならないところは0の前にカンマを入れて対処しました。
エラーを修正し、eLTAXへの取り込みが終わったときは、苦労が報われた思いでした。難所を越えた後にのみ目にすることができる絶景を見たかのようでした。
ようやく市区町村への電子提出です。ここまで来たらゴールはもう近いです。
提出する市区町村を選び、給与支払報告書および給与支払報告書総括表の内容を確認し、問題がなければ電子署名を付して送信します。
初めての電子提出で、約40か所への提出に要したのは約2時間でした。
郵送だとどんなにうまくいっても1日約10か所、約40か所だと最低4~5日かかっていたことを思うと、これからは電子提出を定着させたい、郵送に戻りたくないと思いました。
参考:https://www.eltax.lta.go.jp/documents/01135
最後に
既述のように、氏名やふりがなは全角でなければならないなど、eLTAXが読み込んでくれるcsvデータには色々と縛りがありますが、その縛りがもう少し柔軟になれば電子提出がもっと普及するのではと思いました。