生と死
人々の常識で、明らかに間違っていることがある。
人は死ぬということ。
「人は死ねば終わり」というような悲壮な思いで、
生きている人が大多数だろう。
さらに、死後があるとかないとか。
魂や霊魂があると信じてる人もいる。
そんなに思うのは、死体を見ているからだと思う。
死んだら、あのようになるのだと。
私の結論で言えば、
人は死なない。
しかし、その前に、もっと大きな問題がある。
人が生きることの不確かさ。
生きているのは意識があるからだが。
この意識がどのように生まれるのか、
それが大問題。
意識は、母の胎内からの実体験、
多様な実感の積み重ねで生じる。
例えば、痛みという実感。
これも生後の学習による実感。
もし、末梢神経の痛覚を
脳が快感に感じるように育てると、
痛みを感じなくなるだろう。
もし、あなたが上下が逆に見えるメガネをかけると、
最初はしばらく不自由するが、
すぐに慣れる。
普通に見えるようになる。
脳がそのように処理するからだ。
たとえ世界が上下逆さまに見えようと、
脳は生活に支障のないようにイメージを作り変える。
すべての意識は脳の処理で生まれる。
現実・真実・実際にどうなっているかは関係ない。
脳が処理した意識が、あなたの意識。
人の意識は、各人で全く別のもの。
各人が思い思いに世界を見ている。
各人が見ている世界は、実際の現実とは違うもの。
言い換えると、幻覚や幻想やマボロシに近い。
人の意識は、このようにあやふやなもの。
人が生きているというのは、
このようにあやしい、くわせもの。
人の生もまた、
ないとも、あるともいえる。
いかがわしいもの。
努力し出世しお金儲けして、
さあ、自分は成功者だと自惚れるのも、
現世の確かさに確信しているから。
まさか、マボロシとは思っていないだろう。
つづく