親の幸せ

親の幸せ
(天使と暮らして13)

私は、友人に会うと、
「娘が重度障害になれば、親は幸せになれるよ」
と言うのだけど、
わかってもらえない。

どんな苦難であれ、
遭遇した当初は皆とまどう。

苦難が大きければ大きいほど、
絶壁に、行く手を遮られたようで、絶望的になる。

しかし、試行錯誤して、じたばたしていると、
かすかな光が見えてくるようになる。

大事なことは、
できるだけ多方面へ助けを求め、
小さな可能性を見逃さないこと。
諦めたら終わりなのだ。

重度障害と言っても色々ある。
植物状態で寝たきりになるような最重度もある。

どれ程重度であれ、
一生懸命に対応すれば、
必ず道は生まれると、思う。

重度障害者の介助していると、
色々とやればやるだけ、
それに比例して、
目に見える成果が現れる。

世の中の事柄で、
インプットとアウトプットが、
これほどはっきりしているのは、
少ないのではないだろうか。

それゆえ、
重度障害者を世話している
周りの人の方が、
より幸せになるのだ。

私の場合、吃音の経験も、
いくらか役に立っているのかもしれない。

普通の人が嫌がるようなことの中に、
真実が沢山発見できるのだと私は思う。

私の人生では、そういう体験が多い。

つづく

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