父の死

2015年は、重い荷にあえぐような気持で明けた。

94歳一人暮らしの父が、年末から容態が悪く、
暮の数日は下痢が続いた。

元旦の朝、いつものように4時半に、
オムツ交換に行くと。

下痢状の便というより、色のついた液体が
尿パットにべっとり、
リハビリパンツもびしょびしょ。
パジャマも汚れていた。

防水シーツも濡れて、その下の
床ずれ防止の分厚いマットまで液体が
透過していた。

何度拭いても
お尻がきれいにならず、
30分ほど、じたばた。

やっとの思いで部屋を後にした。

元旦夕方は、孫たちも顔を見せ、
私が帰るときは、うなずいて手を振っていた。

ヘルパーさんへの日誌には、
あと数日だろうと、書き込む。

食べられなくなり、数週間が過ぎ、
ぎりぎりまで痩せていた。
一週間前、救急車で入院させたが、
治療のしようがないと、追い出されている。

夕方6時前にヘルパーさんが帰り、
次のオムツ交換は朝の4時半、
私の担当。

二日の朝行くと、
ベット上横向きに寝て、
冷たくなっていた。

すでに硬直が始まり、
かなり時間が経っていた。

3日に自宅で家族葬、
その後の法事。
初盆には、相続の話し合い。
父が住んでいた家の処分。

私が小学1年の時に棟上げした家。
屋根から餅まきした。

最近20年は
母の介護が約15年、
父の介護が4年。
毎日平均して4回は通った。

20年も介護すれば、疲れる。
父も母も病院にはわずかしか世話になっていない。

想い出多い家だが、
私は、これで肩の荷がおりた。

なぜか、ここ数年の私は、
速足の散歩ができなくなっていた。

ところが、
親父の死後、
速足で歩けるようになった。

びっくり。

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