この世の真理
妻と付き合い54年半、結婚して50年を過ぎる。
長い年月であるが、互いの理解が深まったのだろうか、と思う。
未だに理解不能なところが多い。
というよりも、私の認知能力の限界か。
そもそも自分が何か、まだ不明。
他人が分かるはずないのが当然。
しかし、互いの細部は程度知っている。
好みや感じ方もある程度。
だから、大きな衝突は起こらない。
互いに自制している。
夫婦はこんなものだろう。
理想の夫婦は、この世にいないと、私は思う。
人は例外なく皆、強い執着や思い込みがある。
妻の病は最終段階に入っているが、
また、食べられるようになった。
酸素ボンベ付きで退院する予定。
これで年末と正月を家族で迎えられる。
たとえいっときであれ、
幸せなら、それで満点。
人の生き方というのは、
そんなもの。
今朝の新聞に若者の起業があった。
彼の最終目標は「死の克服」と。
私の持論を言えば、
人は死なない。
死という現象はあるが、それは幻想。
そもそも、人の生、そのものが、
幻想や思い込みに等しい。
単純な真理だと、私は思うが。