誠実とは

私の人生で一番、感動した本は、

「ジャンクリストフ」ロマン・ローラン著

高校時代に読みふけった。

影響受けやすい若い魂の頃。


ジャンクリストフは、ベートーベンをモチーフにしている。

20世紀初頭のドイツとフランスとイタリアが舞台。

戦争前の不安な時代。


ジャンクリストフの誠実な生き方が、魅力的。

誠実とは何か。

先日、Quoraの質問に回答した。


思いやりに価値を感じない。思いやりを大事にして生きていこうって思ってる人間って、本当に存在しますか?誠実さや思いやりを大事に生きていこうって思う人間がいるのは漫画や小説の世界だけの話ですか?に対するInoue Toshihiroさんの回答 - Quora

誠実という価値観は、とても大事なものだと思う。

何が正しいか、それは、誰にも分からない。

しかし、正しさを考え続けることはできる。

生きている間、正しさを求め続けることはできる。

それが、誠実さということだろう。


正しさとは、当人にとってだけのこともある。

あるいは、もっと多数の人が同意することもある。

正しいと思ったことを為す、それが誠実さ。


ジャンクリストフの青年時代の物語に感銘を受けた。

中年以後については、私に難解であった。

理解できないところが多かった。

生きている時代がまるで違う。

人権もない時代。

戦争が当たり前の時代。


今日の新聞に、ギャンブル依存の人が書いている。

100億円以上を投げ捨てた経歴。

自分の持ち金ならいいが、会社のお金。

4年の刑に服している。


ギャンブル、あの緊張がたまらなくいいらしい。

ドストエフスキーも書いている。

彼もギャンブル依存症。

依存症でなければ、作品群が生まれたかどうか。

お金に困り、書かざるをえなかった。


ドストエフスキー。

私の好きな作家であるが、尊敬できない。

シベリア10年の流刑というのが、すごいが。

何故、すごいか、20代の10年間、本も読んでいないと同様。

10年間をムダにしても、作品が書ける。


若い頃の10年が大事という人もいるが、

そんなことはない、と私は思う。

私も同様な体験をしている。


トルストイもスゴイ作家。

しかし、私には、本が面白くない。

晩年もいいと言えない。


人が尊敬できるには、

最低限、晩年まで一貫して幸せであることが条件。

誠実に生きれば、当然、幸せであるはず。


20世紀の初頭。

もし、ヨーロッパに生まれていれば、

幸せは無理だったかもしれない。

時代がひどすぎる。


ジャンクリストフが、どんなに誠実であっても、

幸せになれないかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?