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「高齢者宅に電話をかけて年齢を聞き出すバイト」から社会人生活が始まった話

「コールセンターのバイト、マジいいよ。夜勤の時とか、電話かかってこない間寝れるし。時給も高いからオススメ」

2014年2月某日、僕は新宿三丁目のとあるフォトスタジオで、役者仲間からその言葉を聞いた。
当時売れない舞台役者をやっていた僕は、4月に公演が予定されていた舞台の宣材写真の撮影に来ていた。

その当時、僕は地元町田のサパークラブ(という名の実質朝キャバ)でバイトをしていたのだが、
営業開始が朝4時のため夜中3時に起きなければいけないとか、
営業中に飲みすぎて翌日の予定に支障をきたす、といった様々な問題が生じており、
そろそろ飲食以外のアルバイトをしたいと考えていた。
冒頭の役者仲間の発言は、そんな僕の相談を受けて頂いたアドバイスである。

「へぇ、コールセンターってそんなに楽なもんなのか」

綿菓子より頭の中が空っぽでゆるふわだった僕は、4月末からGW期間にかけて行われる舞台公演が終わり次第、
コールセンターの求人に応募することを決めた。

「うん、いいね。採用。いつから来れる?」

5月某日、僕は都内の雑居ビルの一角で面接を受けていた。
あっさり採用が決まることに関しては飲食や建設などもまぁ大概なので、違和感は覚えなかった。
が、僕は当時舞台の役で長らく金髪だったのだが、
今回面接を受けるにあたって髪色を黒く染めた。
そのことを面接官のKさんに話すと、

「あぁ、ウチは髪色自由だよ。ピアスやタトゥーの子もいるしね。」
と言われた。

ちぇっ、それならそうと先に書いておいてくれればよかったんだ。
そう思ったが、アルバイトの求人に髪色や服装に関する規定が書かれていないはずはなく、
僕が見落としていただけであることは、今振り返ると明白である。
当時の僕はそれぐらいにバカというか、頭の中が空っぽだったのだ。

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