#note酒場 唐揚げを2時間で10kg生産するマシーンになって分かったこと
第2回note酒場のディナー枠で無慈悲な唐揚げ生産マシーンと化した鹿です。2時間で10kg(ランチ枠は2kgだったらしい)。ちなみに唐揚げをつくったのは人生初。
普段の顔はIT企業の新米マーケ担当ですが、趣味でカレー屋をやっていることもあり、調理スタッフとしてボランティア参加していたのでした。その場のアリモノでカレー唐揚げをつくったりとかも。
2時間エンドレスで仕込まれた鶏肉を揚げ続けて気付いたことを記します。本業への個人的な反省メインです。
1. 生産プロセスが短ければ、ボトルネックは明確
16時にシフト入りして、17時の再オープン直前にゆる〜く作ってた唐揚げのストックが一瞬で参加者の胃袋に消えた瞬間、note酒場は戦場だと気付きました。おまえらそんなに唐揚げ好きかよ。
幸いにも同じ串揚げチームのエビちゃん、ホンブさん、ぶたやまさん、今井さん、わたりんさんが鶏肉を仕込んでくださってたので、僕の調理工程は至ってシンプル。
① 肉に衣をつける
② フライヤーに肉を投入し、4分待つ
③ 肉を油切りに移し、万事をホールの方に託す
工程を上のように分解すると、②がボトルネックになるわけです(1ロット揚げている間の4分はフライヤーが占領されるため)。
そうと分かれば攻略は簡単。1ロットの生産量を増やしつつ、フライヤーに肉が入っていない時間を最小化すれば効率的な大量生産ができます。
4分待っている間に次のロットの衣付けをジャンジャンやって、フライヤーから唐揚げを回収した瞬間に衣の付いた肉を投入。フライヤーの容量ギリギリまで攻めていきます。
プロセスが短いから改善施策をドンドン試しやすいし勘所も分かりやすかったわけですが、もっとプロセスが複雑で目に見えにくいプロジェクトでもボトルネックを見抜いて潰せるか。ここを本業で意識できるようになりたいなあと思いました。いま全然できないので。
ちなみに、これだけ効率を極めても開幕1時間は生産ペースが全然間に合ってなくて笑いました。さすが大正義コンテンツ。
※追記※
どうやら、唐揚げ以外なんにもない時間帯があったらしい。大正義コンテンツとか言ってる場合じゃなかったんすねHAHAHA
2. タスクに溺れたらマネジメントは無理
1時間ほど経って、油切りに唐揚げが少し残るとようになった頃。
唐揚げが占領していたフライヤーでホンブさん・ぶたやまさんに野菜の素揚げを作ってもらったのですが、その手隙きの時間でようやく会場のお客様に目が向きました。
唐揚げが皿にどれくらい残ってるか。お客さんの入り具合がどう変化したか。新規の入場がどれぐらい増えたか。
周りの状況が目に入るようになってからは、簡単な需要予測を立てて唐揚げを生産するなど、人間性溢れる唐揚げづくりができました。なお結局は予測を外しまくって非人道的に揚げ続けてたのはナイショです。
ここに至るまでは、いわゆるトンネリングを起こしてました。
僕のようにタスクの実行だけが担当なら、トンネリングを起こした方が目の前のことに集中できて良い、という捉え方もできます。
一方でマネジメントをする立場、つまり何かを計画したり、仕切ったり、気配りをする担当なら、自分でタスクを抱えることはもはや悪。
いかに自分でタスクを持たず、リソースに余裕を持ち、次のことを決められるか。ごく教科書的なことでありながら、「『言葉』でなく『心』で理解できた」な瞬間でした。
3. 目に見えない工程に携わる方々へのリスペクト
仏と対話するかのように黙々と唐揚げを生産できたのも、直接的な関わりで言えばオペレーションを教えてくれたホンブさんと、ホールを引き受けてくださった今井さんのおかげ。
そして間接的な部分で言えば、事前に大量の鶏肉を仕込んでくれた串揚げチームや、片付けを巻き取ってくれたねおみのるさんのおかげ。
さらには、レシピを考えてくれたり、串揚げ以外のブースを運営してくれたり、そうした方々の力があってこその唐揚げマシーンだと思ってます。圧倒的感謝。
惜しむらくは、マシーンに徹しすぎて周りが何をしていたか全く知らないこと。そして串揚げチーム以外のスタッフや来場者さんとほとんど交流できなかったこと。
17時のオープン前にストロベリーチョコをくれたおねーさんとか、池松潤さんっぽいダンディなおじさまとか、あと僕と同じく割烹着スタイルな着物のおねーさんがいたなあとか断片的に覚えているものの、結局誰だか分からずじまい。
せめてチョコレートのお礼だけは言いたい......
ぶたやまさん(右)に教わる鹿。割烹着が派手すぎて、脱いだら「誰だか分からなかった」の声多数。 photo: サカエ コウ。さん
かしこ