10時間の想像より、1分の実体験(『すべては好き嫌いから始まる』より)
こんにちは、ナザレです。
最近また本を読んでいまして、そこでビビっときたフレーズをご紹介しながら、私の思ったことを書いていこうと思います。
今回の本は、一橋大の楠木建先生の書いた『すべては好き嫌いから始まる』です。
その中で「10時間の想像より、1分の実体験」というフレーズがありました。
これを読んでピンときた人もいるかもしれません。
つまり、このフレーズの意味は、「いくら考えても、実際のところ経験してみないとわからない」ということです。
皆さんも、日々いろんなことを考えていると思います。
何か新しいことを始める時、「ああでもない、こうでもない」と悩むことも多いでしょう。
「これは上手くいくかな」「これは失敗するかもしれない」等と考えながら、実際に始めてみたら、予想に反して問題が多発したり、逆に悩んだ時間が何だったのかと思うくらい上手くいきすぎる時もあります。
本の中では、ある店のオーナーと雇われ店長のやり取りが例示されています。
雇われ店長の方は、いずれ独立したいと思っているようで、その店長に対してオーナーがいろいろと説教している場面です。
「いつまでたっても雇われ店長の気分で働いていると、一生それで終わる」
「もう一段視座を上げろ。自分がオーナーだと思って仕事をしなきゃダメだ」
「今の店の仕事はそのための道場だ」
「未完成のオーナーとして独立するんじゃなく、道場で完成されたオーナーになってから独立しろ」
こんなやり取りが展開されていたようです。
しかし、楠木先生は以下のように解説しています。
いくら目線を上げてオーナーの気持ちになって仕事をしても、実際に独立してオーナーになってみるまで本当のところはわからない。
元も子もない話だが、雇われ店長である限りは、どんなに想像を逞しくしても、オーナーのつもりで仕事をしても、結局のところ、雇われ店長でしかない。
どっちにしろ、未完成のまま独立するしかない。
だったら、できる限り早く独立した方が良い。
いくら想像したとしても、実際に体験してみると、事前の予想と現実とでは全然違うわけです。
要するに、経験してみないことには始まらないのです。
もちろん、悩んだことの全てに意味がないとまでは言いません。
しかし、やってみないことには、本当のところはわからないままなのです。
まさに「10時間の想像より、1分の実体験」ですね。
似たような話に、ファーストチェス理論というものがあります。
これは、5秒で考えた手と、30分かけて考えた手では、86%が同じだというものです。
つまり、長い時間かけて考えて出した結論だったとしても、直感とほとんど変わらないということです。
上手くいくかどうかなんて、神様でもない限りわからないのは言うまでもありません。
わからないことを、いくら考えてもわかることもないでしょう。
とはいえ、考えて良い結果が出せるケースもあります。
大事なのは、考えた方が良い結論が出るのかどうか、悩むべき事柄が適切かを判断した方がいいということです。
100億を動かすような取引は、ちゃんと考えた方がいいかもしれません。
でも、誰もが100億を動かす決断を迫られているわけではありません。
悩みや考え事の多くは、考えてもしょうがないこともあります。
だったら、とりあえず始めちゃうのがいいんじゃない?
そう思いませんか?