🟧社労士が解説🟧障がい福祉サービスの『身体拘束適正化検討委員会』の議事録で必ず含めるべきもの R6/9/29投稿
昨日に引き続きになりますが、今回は身体拘束適正化検討委員会で必要なものになります。
多くの事業者が虐待防止委員会と一体的に行われているかと思います。正直名称は何でも良い(例えば運営委員会や経営会議でも良い)んですが、大事なのは内容です。
逆に言えば、内容を満たしていなければ「やっていない」とみなされる可能性もありえると考えます。
もちろん程度にもよりますが、例えば「身体拘束は発生していない」しか議事録になかったら、もし私が運営指導の担当であれば認めないと思います。
⚫️タイトル、書紀、日時、参加者(委員、オブザーバー)、欠席者
⚫️身体拘束適正化検討委員会の体制についての確認
このあたりは、虐待防止委員会と同じです。「虐待防止委員会≠事業所の虐待防止体制」ですが、「身体拘束適正化検討委員会≒事業所の身体拘束等廃止に向けた体制」と私は理解しています(運営規程に記載する必要があるのは「手続き」であり、体制でないため)。
続いて解釈通知に記載されている内容です。
.
⚫️身体拘束等について報告するための様式を整備について
様式というよりも身体拘束3要件とやむを得ない理由をどのように記録し、共有するかが重要と考えます。
⚫️身体拘束等について報告・集計・分析・方策の検討
先程の様式での記録(身体拘束等の発生ごとにその状況、背景等)についての報告です。これらは発生ごとに行う必要がありますが、当然同じ利用者に複数回身体拘束が行われる可能性が考えられます。そう考えれば年1回の定期委員会以外に臨時での委員会の開催も必要と言えます。
報告された事例を集計し、分析、そこから身体拘束等の発生原因、結果等をとりまとめ、当該事例の適正性と廃止へ向けた方策(周知方法含む)を検討します。
身体拘束事例がない場合にも、身体拘束等の未然防止の観点から、利用者に対する支援の状況等を確認することが必要です。
⚫️前回までに実施した方策のモニタリング
廃止へ向けた方策を講じた後に、その効果について検証します。
ちなみに令和6年度報酬改定により「適正化策」の記載が「廃止へ向けた方策」となっており、身体拘束をゼロにすることを目的にすることがより明確になったと考えます。
その他に必要なものとしては、次のようなものがあります。
⚫️「身体拘束等の適正化のための指針」の内容確認・見直し
「身体拘束等の適正化のための指針」には、次のような項目を盛り込む必要があります。 虐待防止指針とは違い、作成義務があり非常に重要であるため、毎回内容確認・見直しを行うことを推奨します。
個人的には、こういった法人の指針は公表の義務がなかったとしても、利用を検討されている方やその関係者にも知っていただくべき事項ですので、HP等で公表することを推奨します。
ア 事業所における身体拘束等の適正化に関する基本的な考え方
イ 身体拘束適正化検討委員会その他事業所内の組織に関する事項
ウ 身体拘束等の適正化のための職員研修に関する基本方針
エ 事業所内で発生した身体拘束等の報告方法等の方策に関する基本方針
オ 身体拘束等発生時の対応に関する基本方針
カ 利用者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
キ その他身体拘束等の適正化の推進のために必要な基本方針
⚫️研修プログラムの作成
身体拘束適正化指針に基づいた研修プログラムを作成し、定期的な研修を実施しなくてはなりません。
研修は前年の実施日より前にすることが重要です(指定権者によっては1日でも遅れれば減算とされています)。
また、新規採用時にも研修することが解釈通知で明記されています。ちなみに虐待防止研修やBCP研修も同様です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?