社労士的就業規則の作り方 9
鹿児島で社労士をしています原田です。
社労士1人に聞きました。興味ある業務ランキング1位の就業規則の作り方です。
ここでは厚労省モデルを使って、社労士が就業規則に対してどうアプローチするかを案内しています。
第4章 労働時間、休憩及び休日
労基法上の必須記載事項最で、最も多様で、賃金規定に並んで難しいのが労働時間・休憩・休日です。
労働時間や休憩・休日は、
・変形労働時間制(1年、1カ月、1週間、その他)
・シフト制
・夜勤
・テレワーク
・宿直
・特例の週44時間制
・正社員、パート、臨時雇用等の違い
・法定労働時間と所定労働時間の違い
等の様々な制度に基づいて、あるがままに記載することが基本ですが、あるがままの状態そのものが複雑だったりする上に、企業によっては、あるがままの状態自体が違法である場合もあるため、様々な知識を必要とする部分です。
更に労働時間は、残業時間にも直結するため、賃金規定や36協定との関係も念頭に入れておく必要があります。
モデル就業規則自体も、場合分けで
1.完全週休2日制
2.1カ月単位の変形労働時間制
3.1年単位の変形労働時間制
でそれぞれ解説を加えながら説明しています。
ここでは、最も代表的な完全週休2日制のモデルを一部変更して記載し、それについて考えていきます。
所定労働時間について
第1項は週休二日で変形労働時間制無しなので、労基法の基本通りです。実際所定労働時間が1日6時間40分以下の勤務であれば、完全週休1日制で週40時間以内も可能なので、変形無しでも考慮するパターンは数多くあり得ます。
モデル就業規則の解説でも記載されていますが、一斉休憩義務の免除業種であれば、そうした内容を含んで記載します。
第2項は、始業終業時間の明示です。現実通りが基本。職場や業務内容によって異なる場合は、職場毎や業務内容毎に記載する必要があります。現場や営業と事務の勤務時間が異なる場合はよくあります。
第3項はシフト制についてです。変形労働時間制でなければ、前日までに翌日のシフトを決めても違法ではありません。しかしシフトが決まらないことによる不満は増大するので、できる限り早めに出せるような体制を整えることは必要です。
第4項もシフト制についてですが、
労基法89条抜粋「労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項」として記載義務があるので、モデルパターンとして書かれています。現実的には守れるルールであれば、原則パターンを参考に書く方が望ましいですが、守れる方が少ないなら、現実的な交替ルールに基づいて記載すべきです。
第5項も労基法89条に基づくもので、勤務体制変更の場合の通知についてです。こちらも前項と同様に現実的に可能なルールで記載しましょう。
労働時間は、求人でも雇用契約でも重要な部分です。事業主の意思と、最悪の事態の想定によって、どういう方向性の勤務体制を考慮するかが必要になっています。
医療・介護の24時間現場、運輸業の長距離運転や拘束時間の限度、タクシー等の24時間連勤、早朝市場の買い付けから夜の接客まで行う寿司店等、業種や企業によって何が最適なのかが変わります。
社労士は勉強しないといけませんね。
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