ある休日の出来事
その日、僕は休日を満喫しようと朝から掃除洗濯をこなし、
おめかしをして出かけようとするところだった。
その日のファッションに合わせた靴を選び忘れ物はないか、
電気や火は消したと確認し、
さあ出かけるぞとしようとしたところだった…
ピンポーーーン
★★★★★★
★★★★★★
軽快で警戒な電子音が一人暮らしの小さな部屋に響いた。
少し驚いた。
僕の部屋は2階にあるんだが、オートロックの正面玄関的なものはない。
でも、階段を誰かが上がってくるとよほどでない限り、
割と音がするので人の気配を感じることができていた。
普段、階段から音が聞こえた時は、N ○ Hとか新聞とかの可能性を考慮して
居留守をキメてる。
今日は玄関前にいるのにも関わらず、全く音がしなかったから驚いた。
相手は気配を消せるのか?
★★★★★★
★★★★★★
出かけることに浮かれていたからだろうか。
しかし、幸い出かける寸前だったのでテレビとか音楽とかは流れてない。
僕も独り言言ったり、歌ったりはしていなかった。
まだ僕が在宅ということは気づかれていないはずだ。
僕「またN ○ Hが来たのか?
もう出かける気満々だったのに、萎えるな~」
と思い、覗き穴から外を伺って見る。
するとそこには冴えない感じの男性が一人ポツンといた。
彼はもう一度、インターホンを鳴らす。
ピンポーーーン
と再び電子音が部屋に響く。
★★★★★★
★★★★★★
心なしか先ほどの電子音より彼の意思がこもっているように聞こえる。
まあ、しかし何度鳴らそうが、俺は返事しないぞ。
さっさと消え失せろ。
数秒間の沈黙、
すると男は突然少し前かがみになり、
ポストの投函口のところに向かって、
「神は・・・」
とかなんか言い始めた。
★★★★★★
★★★★★★
怖い
普通にびびった。
僕「なんなの?
ポストから言霊送ってんの?
あ~でも宗教かな、すぐ終わるかな?」
★★★★★★
★★★★★★
終わらない
一向に終わらない
長い
長いぞ
予想以上に長いぞ
体感3分くらい経過したぞ
まだ続くのか内容聞いてなかったが、
もしかして聖書まるまる読んでるとかか?
しかし、長い。
長すぎて、怖さよりイライラしてきた。
これではいつまでたっても、出かけれない。
予定を狂わされるのは嫌いだ!!!
特に君みたいに招かれざる客によってはな!!!
★★★★★★
★★★★★★
僕「一向に終わる気配がないからいっそのこと応対した方が早く片付くか?」
でもやはり少し怖いどうしよう…
★★★★★★
★★★★★★
私が神だ!!!
って一糸まとわぬ姿で出て行ってやろうか?
おお!
それは少し面白そうだと思いとりあえず、
ら(裸)になる。
靴下は履いたままなので変態感は強いぞ!!!
なんなら勃起させて出ていてやろうかと意気込む。
しかし、そこで一抹の不安が僕を襲う。
「いや、でも、これ、らを見せて通報されないかな…?」
ドア越しで繰り広げられる
神話を語る男
vs
全裸の漢
果たして勝敗の行方は…
ってしてたら、
神話が終わったのか、男は去っていった。
なんだ神は死んだのか?
僕は・・・
僕はどうするべきだったんだろう。
信仰深い彼をもっと信じるべきだったのだろうか。
ら(裸)
で彼を迎えて
僕「私が神だ」
彼「お前だったのか…」
と彼が言ってくれることを信じるべきだったろうか・・・
答えは神のみぞ知る。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?