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NYの人々

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正当化

公園を犬と散歩して居た時に、幼児(2歳ぐらい)が6人乗ったカート(2人がけ3列のカート)を止め、ベンチに腰掛けくっちゃべっている先生の二人組を見かけた。

先生だってストレスも溜まっているのだろう。息抜きも大事だろう。彼女等はちょっと長く話して居る様で、2台のカート、計12人の幼児達がモゾモゾと動き始めていた。アーとかウーとか、たまに英単語が出る位のカートの幼児達。まだそんなに話もできない年に見え

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夢破れて山河あり。(国は破れなんかしない。大国アメリカの話)

知人と、いや顔見知りと偶然すれ違った。彼女も又日本人である。
名前も知らないと言った非常に希薄な関係性であり、虫の居所が悪ければ、無視するような関係性の彼女に突如興味が湧いた。
これも、スポーツクラブのなせる技であろう。

さて、
「この頃どやさ?」
と聞いてみる。無論、以前がどやさであったかなども知らないし、どこに住んでいるかも定かでは無い。そしてこれからも聞く予定も無い。

彼女は言う。
「も

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愚公山を移すをスタバのナンパと解く

愚公山を移すをスタバのナンパと解く

残念ながら、私にでは無い。

真横にいるアフリカンアメリカン女子に対し、スタバ店員(お客さんにお茶を渡す係) がキュピンと来たようだ。

ここはチェルシー。このスタバ今の時間は結構混んでいない。むしろ空いている。

彼は、他の客に茶やコーヒーを渡す度に彼女に話し掛ける。彼女らは3人で来ており友達はヨーロッパがルーツと思える女子そしてアメリカンの黒人女子だ。

すると恋は少し実り始めたのである。

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スタンドバイミーの破壊力

スタンドバイミーの破壊力

MTA(ニューヨークの地下鉄)に乗って居た。
ある男が、ギターを片手に歌い出す。
曲はスタンドバイミー。

電車の中の音楽や駅構内の音楽は然程珍しくない。
だが、彼は上手いんだ。

突然プレゼントをもらったような気になる。

何故?ノスタルジックか?
いや、別に特にまだ日本への恋しさは無い。
だから違う。

酒が私を助長させるのか?
いや、まだ朝だ。ノンアルコールの私にそんな状況は無い。

そして

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見ちゃった

NYの地下鉄にはホームレスが沢山居る。そしてたまに運が悪いとクレイジーな奴にぶち当たる。

それは、友達含め3人で無謀にもボルタリングにチャレンジした日。

電車に乗るがいつもの如く、止まっていたりする。
乗り換えて居るといきなり男が叫んだ。

「ファーーーーーーック」

思わず振り向いて見てしまった。
しまった。見ちゃダメと言われてたのにだ。
残念ながら完全にクレイジーな事が確認出来た。
イッて

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グリーンカードホルダーの集い

グリーンカードを持って居る人の多い場所。そこでの会話の殆どは何故国から移住してきたのか?何のサービスを受けるべきか。そして、アメリカ大統領誰が一番良い?と言う話から始まり、会話は白熱。どの大統領が一番先に死ぬべきか?である。

誰ががふざけてトランプと言う。
すると周りから、あいつの前にまだ居るだろう!
との声が多数上がる。

ロシア勢はこぞってプーチンと言い、
ベラルーシは自国を挙げる。

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34丁目の奇跡

34丁目の奇跡

地下鉄の34stはタイムズスクエアのある場所である。
突然ある男が、プールのジャンプ台の様にホームへの飛び降り姿勢を保つ。

そばに居た男。でかい。2mぐらいじゃないか?
「おいおいおいおい何考えてんだ?!ホームに降りるつもりじゃ無いだろうな」

と言う。すると飛び降り姿勢の男は、
「携帯をさあ〜落としちゃってさ」と言う。

デカイ男が続ける。
「あのな、地下鉄の職員に連絡しろ。そこにボタンが

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カスの細道 vol.1

カスの細道 vol.1

スカ美という女が居る。
私は特にスカ美と仲良い訳では無いので、本名は知らない。とあるセッションで一緒なのだが、常にスカ美は通路の真ん中に座り混み、四六時中化粧をしながら、大声で話し続ける。それはもはや妨害であり、非常に邪魔である。挙げ句の果てには講師に相談される始末。
イエス。気持ちはアウトロー。
そんな彼女の話。

スカ美が目の前で取り巻きのカス共(以下カス巻きと言う)に語り始めた。

「私さあ

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量産型鶏小屋の作り方

マンハッタンにあるイーストヴィレッジの空き物件を見ることになった。無論私の家ではない。私はブルックリンにある少し小汚いマイハウスを愛してやまない・・・と単に言いたいだけである。

驚くのは、たかが5畳一間で平均価格が20ー22万。20万だと?残念なことに25平米あれば大分広く優良物件であり、値段が上がる。お値段据え置きだとエレベーターがないマンションの5階とか10階とか。

そんなマンションでも立

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レッツゴーメッツ。

レッツゴーメッツ。

Let's go Mets! Let's Go Mets! と球場内の応援はこんな感じである。

何を隠そう、日本では草野球チームの一員でもある。さてさて、メッツ。

ビール好きとしてはアメリカの球団であるミルウォーキーブリュワーズを応援したい。マスコットに実際の犬が居たり、ビア樽の怪人が居たりと何とも、狙いが成績とかけ離れている弱そうなチームである。ウィキペディアによると実際勝ったことがないよう

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Ash Wednesday とかバニーとか

Ash Wednesday とかバニーとか

先週の水曜日の事である。街を歩いていると不思議なモノを目にした。すれ違う人の中で、何人かの額に黒の十字架が描かれているではないか?!

丁度、Netflixでサターニアだかサタニズムだか、そんな名前の悪魔崇拝の映画(因みに映画のレートは星1。酷い映画であるのは間違いない)を観たばかりである。

なんか怖い!!!!

だが不思議。私も彼らも所詮同じ人間である。好奇心には勝てないので怖いながら、聞いて

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20-3の奇跡

20-3の奇跡

ミツワという、ニュージャージーにある日本食スーパーに行ってきた。
日本食スーパーは、SOHOにもあるし、Williamsburg(ウィリアムズバーグ)にもあるし…などと言い訳をし、今まではめんどくさいので誘われても重い腰が上がらなかった訳である。

だが、フィラデルフィアに行ったばかりだ。知らない土地には興味がある。
重い腰を上げ、行ってみようと言う事で行く。帰りはどうせタクシーだろう(Lif

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リズム天国

リズム天国

地下鉄の駅や電車の中では、しょっちゅう誰かが演奏している。もの凄いヘタな奴もいれば、軽快なリズムの奴もいる。今日のリズムは丁度良い。「へい!ヨー!イケてるじゃーん」なんて声が飛び交う程。

自然に私の身体は下手なステップを踏み出していた。何故ならば目の前のオッちゃんも踊っているからである。

側から見たらリズムに乗って踊っている親父とその後ろのアジア人が買い物袋を振り回しながら、踊っているという奇

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若者のパッションにドキドキするクラブ戦記

若者のパッションにドキドキするクラブ戦記

クラブ…と言うか、どちらかと言えばバーに併設されているDJスペースが有り、そこでイベントをやっている人達が居る。そんな場所に行った。

東京に居た時の知人が、NYに出張で来ていたので、その彼と夕食をし、別れを告げて電車に乗る帰り道にメッセージが届いた。

「友達がDJしているのもあって、ここに居るから、来たかったらおいでよ。」

名前はTHEWELL。場所はブッシュウィックである。

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