【ま】受容の5段階
みなさんこんにちは、元うつ病鍼灸師の米倉まなです。
当院の患者さんにも時が来ればお話をするのですが、人は病気や失恋などショックな事があった時に、5段階の心理的条件が起こります。これを心理学的には、キューブラロスの死の5段階と言います。
鍼灸師のみなさんならばご存知かと思いますが、もしかしたら鍼灸師以外の方も見てみえるかもしれないので復習がてら、ご紹介していきます。
【1】否認
予期しなかったショックな事が起きたが故に、そのショックを正面から受け止めないよう、自分を守るためにまず否認をします。
「何かの間違いだ!」「信じられない!」
【2】怒り
現実を認めざるをえないと、これが怒りに変わります。この怒りが家族や友人、医療者に向けられ、周りの人間関係も悪くなってしまいます。
「自分だけがこんな目にあうなんて!」
【3】取引
次に人は、自分がどうしたら救われるのかを考え始めます。そのため、治るためだったら何でもやろう、ショックな事が失恋であればあの人と復縁できるのだったらなんでもやろうという気持ちになります。
「治るためだったら、何でもする。」
【4】抑うつ
1~3の段階を通り、それらが無駄であり自分の力ではどうにもできないことを知り抑うつになります。絶対的な不安感を味わうのもこの時期になります。
「もうだめだ…」
【5】受容
現在の段階を受け入れ、変わらないのであればどう解決をしていくのかという段階です。
病気であれば、悲しみに暮れる時間も必要ですが現状の病気が何を自分に訴えているのかを把握し、生活習慣を見直す。失恋であれば、恋人の心が返って来ないのであれば前を向いて感謝を言い、次の人を探す。建設的な行動が起こせるようになります。
この5段階は心理的に1~4を行ったり来たりを繰り返すこともありますが、本当の意味で受容まで辿り着くと戻ることはほぼありません。
メンタル系の方の場合、不思議な物で“受容”まで辿り着ければ、鍼をした時に私の指先に伝わってくる感覚が変わります。今ある現状は変わらない。ならばそれをどう受け止め、回復力を促していくのか。
私がいつも患者さんと接する時にはこの5段階をいつも意識し、より早く受容の考え方へ導けるようにしています。
【かいたひと】
米倉まな
所属:まな鍼灸堂 院長
自身がうつ病、パニック障害、自律神経失調症患者から鍼でよくなったことをきっかけに鍼灸師へ。経験を元にメンタル鍼灸を掲げ、患者に寄り添った治療を行っている。
■まな鍼灸堂
https://mana89.jimdo.com/
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