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見えているもの、感じているもの、そして真実とは?

SQ-SALON水先案内人のマミです。先日、インド(デリー、グルガオン)を3泊5日の日程で旅してきました。

現地での様子は、臨場感溢れる珍道記が上がっていますので、そちらをご覧ください。


インドから戻った2日後、3月8日は国際女性デー(International Woman's Day 以下、IWD)でした。

国際女性デーとは?
1904年3月8日、ニューヨークで婦人参政権を求めたデモが起源となり、1975年の国際婦人年に、国連が3月8日をIWDと制定。


2017年秋に起こった #metoo 運動以降、女性自身が女性の課題を解決しようとする動きが活発な気がします。スタートアップ界隈でも #Femtech 関連サービスが注目されていたり、ミレニアム世代が生理をオープンに議論していたり、「生理ちゃん」の実写化が決まったりなど。今年は、BFFF(by female for female)が盛り上がる年な予感です。


私自身も女性をターゲットにしたセルフケアできるお灸の定期便「mogusano(モグサーノ)」を運営していることもあり、社会の女性課題は今一番興味があるトピックなんです。ということで、今回は、インドと女性についてまとめてみようと思います。



■女性に最も危険な国とは?

女性にとって、世界で一番危険な国はどこだと思いますか?

日本に住んでいると、日常で危険を感じることはあまりないので、世界で一番と聞かれても正直よくわからん。多くの人は、アフリカのどこかの国?実はアメリカ?紛争地域の国とかを連想するのかな?私もそんな感じでした。

そんな中、インドについて調べていた時に目に入った衝撃の事実がこちら…


女性に最も危険な国の1位はインド


な、なんと……

トムソン・ロイター財団が世界の女性問題専門家548人を対象に

医療アクセス
経済的差別
女性差別的な文化
性的暴力
非性的暴力
人身売買

こちらの6項目を調査した結果、インドが女性に最も危険な国となったようです。

前回の調査では4位だったのだが、2012年に起きた女子学生集団強姦事件後に同様の事件が表面化。1日に発生する性的暴行事件は100件を超え、生後4か月の乳児が犠牲になるなど、凄惨な事件が絶えない。国内外から批判が高まったことが、今回の調査結果にも反映されているようだ。

2012年の事件以降、性的暴行への罰則は厳しくなり、レイプ事件の早期結審制度もできているが、女性の身の安全確保はいまだに深刻な問題と報道されている。


さて、私たちが訪れたのは、首都デリーから車で30-40分のところにある都市グルガオン。インド都市の中でも特に成長度が高いと言われているビジネス都市で、GoogleやIBM、有名日系企業もたくさんある場所。weworkもあったよ。

今回の旅は、6名グループ(女性2、男性4)で、ホテルと治療院の往復・半日観光というスケジュール、移動は全てチャーター車とUberを利用した。

※なぜ、集合写真がこれなんだという疑問を持った方は、珍道記を読んでください(笑)

その中で感じたこと

● 日本と比べると繁華街でも夜は暗いので、夜道の一人歩きはさすがにやばそう(ただ、これは日本でも同じことが言えるでしょう)

● 
交通ルールはあってないようなものなので、マリオカートに乗ってると思う精神力が必要

● 
信号待ちをしていると、子供や女性に囲まれるけど窓を閉めていれば大丈夫

● 
観光地でツーリスト目当ての商売(意味不明なお土産、お花、写真撮影etc)の人に絡まれることはなかった

● 
野良犬との接近戦は注意


女性にとって最も危険な国だ!インドは怖い!というほど危険な感じはしなかったというのが正直なところ。
もちろん、郊外に行く、女性ひとり旅、ローカルな宿に泊まるとなったら話は違うと思うので、オールオッケーとは勘違いしないで欲しい。

ただし、むやみやたらにインドは危険というイメージが先行してしまうのもどうかと思ったわけ。安全を確保できる状態であれば、危険を感じることなく過ごせたよ、ということをいち旅行者として主張したい。


■この国は男性ばかりなのか?

もうひとつ感じたこと。女性はどこにいる?笑

ホテルの従業員、お店の販売員、レストランのホール担当は男性ばかり、道端でも車を囲んでくる人たち以外で、女性をあまり見かけなかった。真昼間でも。

例えば、平日昼間の六本木を歩いていて、「男性ばっかりいるなー」という感想を持つ人はいるだろうか?記憶をたどっても、リアルにその場に行ってみても、極端に男性ばかりだ…とはならないと思うんだよね。


でも、インドは男性ばっかりやん…だった。

インドは女性の外出が禁止されているみたいなことを聞いたことがあるような、ないような。2019年になった現在でも、古くからの習慣が根付いているのかしら?まだまだ性差別が大きい社会なのね、インドで生きるって窮屈なのかなーなんて思ったわけです。


そこで、インドはどれくらい性差別があるのか調べてみたのですよ。

世界経済フォーラム(WEF)が調査した「男女格差レポート」2018年度版の結果がこちら。

【男女格差が少ない国ランキング

1位 アイスランド
2位 ノルウェー
3位 スウェーデン





108位 インド


ふふ、やっぱり。149カ国中、108位か。街中で女性をみかけなかったのも納得。




110位 日本


えーーーーーー!!!ちょっと待って。日本110位。インドよりも下位。

どういうことなんだ???(お前がどういうことなんだ 笑)

男女格差レポートは、経済、教育、健康、政治4つの観点から調査されている。

Economic Participation and Opportunity Subindex
Female labour force participation over male value
Wage equality between women and men for similar work
Female estimated earned income over male value
Female legislators, senior officials and managers over male value
Female professional and technical workers over male value

Educational Attainment Subindex

Female literacy rate over male value
Female net primary enrolment rate over male value
Female net secondary enrolment rate over male value
Female gross tertiary enrolement ratio over male value

Health and Survival Subindex

Sex ratio at birth (converted to female-over-male ratio)
Female healthy life expectancy over male value

Political Empowerment Subindex
Females with seats in parliament over male value
Females at ministerial level over male value
Number of years with a female head of state (last 50 years) over male value


今回の調査結果、世界平均と日本・インドを比べてみるとこんな感じ。

日本は、政治参加のポイントが圧倒的に低いことがわかるよね。一方で、インドは経済は世界平均よりも低いのだけど、政治ポイントがとても高い。

数日間インドを旅行したくらいでは、女性の政治参加率がここまで高いことに気付くことはできない。教育、健康に関しても、たぶん、世界平均、日本と同じレベルであるとも語れない。


インドどうだった?と聞かれたら、こう答えかねない自分がいるよ。

「世界で最も女性にとって危険な国って言われてるけど、それは感じなかったな。でも、街には男性ばっかり。旅行くらいは安全だけど、住むとなると色んな問題があるのかもねー。」


日本について。私個人の話を少しすると、私は女性であることによる不利益を被った経験はないに等しい。

女性だからどうの、男性だからどうのということを気にしないで良いように育てられたし、LGBT+の友人もたくさんいる。教育も十分に受けられたし、社会に出てからも性差別で嫌な思いをしたこともない。

だからこそ、

自分が見えているもの、感じているものと統計によるファクトには、これほどまでにギャップがあるということに、今はショックが隠せない。

認知バイアスの恐ろしさよ。

しかし、世界110位とされてしまっていることは真摯に受け止めなくてはならないね。


(ラッシー事件中でも受け入れてくれる懐の深さよ、賢さん)

つまるところ、ファクトフルネスですね。


社会における何かを語る時に、自分の目で見えているものだけで判断してしまうと恐ろしい。知らないうちに自分も偏見の呪いにかかっているのです。


今回、インドへ行って学んだこと

「多角的な観点から、客観的に見ることが大事」


みなさんも機会があったら、ぜひ、動物に優しすぎる国インドへ、行ってみてはいかがでしょうか?

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【かいたひと】
尾碕万美 (まみさーの):SQ-SALON事務局
・mogusano ファウンダー
・(株)ケアくる アドバイザー
・STOTT PILATES認定インストラクター


このサロンの活動は鍼灸業界、その先にある社会をより良くしていくことに繋がると信じています。 活動の幅を広げる為のご支援をよろしくお願いいたします。