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47.患者さんが…もしアスリートだった時

ハーイ、どうも
SPヤマトのアンチ・ドーピング講座へようこそ!

今回は、いつもと少し切り口をかえて
アスリートへ向けての情報発信ではなく
医療者向けに記事を書こうと思います。

さて、タイトルにあるように目の前の患者さんが
もしアスリートだった場合には、どんなことに注意
すればいいのでしょうか?

まず大前提として、スポーツでは、使用が禁止されている
薬(方法)があるということです。
しかも、特別な薬ではなく、通常診療で日常的に処方している
薬でも禁止されている場合があるので、
アスリートに薬を処方する際は、必ず薬の確認が必要です!

診断確定後、治療目的で、アンチ・ドーピングのルールで
禁止されている物質と方法(禁止物質・方法)を使用する場合は
治療前にTUEという申請手続きが必要となります。

TUE:Therapeutic Use Exemptions=「治療使用特例」

強靭な肉体を持つアスリートといえども、
病気やケガの治療のために、
時には禁止物質や禁止方法を使用せざるを得ない場合があります。

当然アスリートにも適切な治療を受け、
自身の健康を守り、スポーツに参加する平等な権利
があります。

そのような場合に、特例として承認を得た上で、
禁止薬物等が使用が可能となります。

承認を得るためには、TUEを取得するための条件を満たす必要があります。

なお、TUE申請はアスリート本人が、
治療目的で禁止物質・方法を使用する前に、
その禁止物質・方法に対してTUE申請を行います。

最終的な申請自体はアスリート本人が行いますが、
医師(医療 従事者)の方のご協力が必要不可欠となりますので、
以下の手続きをご確認 ください。

STEP1:処方する薬(方法)がスポーツで禁止されていないかを確認する

STEP2:『禁止されていない薬(方法)』 に変更が可能かどうか確認する
変更できない場合は、STEP3に進みます。

STEP3:TUE申請手続きを確認する
治療目的で『禁止物質・方法』を処方する場合は、
TUE申請手続きが必要です。
必要な手続きを行ってから治療に進んでください。

なお、『診断名のみの診断書』は、
客観的に診断を示す医療情報としては認められません。
必ず検査結果等をご提出ください。

申請されたTUE申請は、
アンチ・ドーピング機関で医師3名により審査され、
付与か却下が決定されます。
TUEが付与された場合、当該「物質・方法」については、
使用が認められた用量と期間にて使用できます。
万一、TUEが却下された場合、
その禁止物質・方法の使用をすることは違反となります。

なお、緊急治療や救急症状の治療で
禁止物質や禁止方法を使用した時は、
通常のTUE申請書類に加え、
「緊急性を証明する医療記録(所見・臨床検査結果等)」を添えて、
遡及的TUE申請が可能です。


最後にもう一度・・・
患者さんがアスリートだったときは、
薬(方法)を処方する前に、必ず処方する薬(方法)に
『禁止物質・方法』が含まれていないかご確認ください。


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SPヤマト
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