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【映画レビュー】島国に生きとし生けるすべてのものへ…

お久しぶりです、あーしぇんです。

今回は現在絶賛公開中のディズニーミュージカル最新作!

モアナと伝説の海2 


のレビューをネタバレ無しでしていきます。

はじめに結論を述べると、『モアナと伝説の海 2』(以下『モアナ2』)は誰が見ても満足できる超おススメ作品であり、日本人感覚にすごく刺さる作品でした。


あらすじ


海に選ばれた少女モアナが繰り広げる冒険を描いたディズニー・アニメーション・スタジオによる2016年製作の長編ミュージカルアニメ「モアナと伝説の海」の続編。

モアナが壮大な冒険の末に故郷の島を救ってから3年。妹シメアが生まれて少し大人になったモアナは、愛する家族や島の仲間たちに囲まれながら、以前は禁じられていた海へと航海に繰り出す日々を送っていた。そんなある日、「かつて人々は海でつながっていたが、人間を憎む神によって引き裂かれてしまった。海の果てにある島にたどり着けば呪いが解け、世界は再びひとつになる」という伝説を知ったモアナは、人々の絆を取り戻すため立ちあがることを決意。風と海を司る半神半人のマウイや島の新たな仲間たちとともに、危険に満ちた冒険の旅に出る。

『映画.com』より引用



ストーリーについて


ここから各要素に着目してレビューしていきます。

まずはストーリーに関してですが、

正統続編としての納得感があるもの

だと感じました。

ネタバレを避けるために詳細は言えないですが、ストーリー全体を通してオセアニアの島国が舞台であるので同じ島国の日本との親和性・共通要素も多い印象を受けましたね。

唯一神的なキリスト教世界とは明確に違う神との距離感(マウイが半神半人であること、複数の神様の存在など)やアミニズム的な宗教観(前作ではヴィランも自然)は本作でも重要な要素となっており、日本人の価値観にも近いものがあると感じられます。

加えて物語の構造が「行きて帰りし物語」であることも、日本アニメーション作品との親和性があるようにも考えられます。

例えば、近年の新開誠作品『君の名は。』『天気の子』『すずめの戸締り』などは災害という自然がテーマとして根底にあり、物語構造も「行きて帰りし物語」であるので『モアナ』と似た構造の作品であると言えるでしょう。

こういう要素を踏まると、

『モアナ2』は日本人だからこそ楽しみやすい作品なのではないかと思っています。


少し残念な部分を述べるなら、オセアニア文化特有の専門用語やヴィランの設定等の説明が少ないので、物語の目的が理解しずらい場面が少なくないところですね。(正しい情報かは分かりませんが、制作段階ではドラマシリーズの構想だったため、映画では尺が足りなかったのではと)



キャラクターについて


前作1との大きな違いは主人公モアナの成長に関する表現、立ち位置ですね。

前作は島という閉鎖的なコミュニティから出ていく勇気や葛藤、個人としての成長についての描写が多い印象を受けましたが、本作では、島の人々を守る”長”としての責任や仲間を引っ張ていく自信の喪失とそこからのポジティブシンキングといったリーダーとしての成長が主に描かれていると感じられました。

さしずめ上京した学生から中間管理職のようなキャリアウーマンになった感じでしょうか。(作中プレゼンぽいことをするシーンが一瞬あるのも相まって)

たくましい姿のモアナ

このことで本作が刺さるのは子供よりも社会人として一生懸命働く女性たちになるのではないかなと思いますね。(もちろん男性にも刺さると思います)

全体的には、最近のディズニー作品としては自然でかつ子どもでも大人でもすんなり理解できるキャラクターに仕上がっているなと感じました。

無理に多様性・エスニシティを入れ込んだりするよりも、ローカルな民族性や文化に基づいた作品の方が画面上で自然に感じられるし、純粋な面白さを受け入れやすくなっているとも思いました。

加えて、モアナとマウイの非ロマンス的な繋がりも現代的な価値観に即しているが違和感なく受け入れれるものになっていて良いなと感じました。

また、ディズニーアニメーションの伝統である”動き”を通したキャラクター表現の技法も、可愛らしいプアやヘイヘイといった動物はさることながらサモア的な舞踊や身体的なコミュニケーションと凄く相性がいいと感じられました。

特に前作から引き続きではありますが、マウイのタトゥーはストーリの中でコミカルさを生み出し緩急をつける役割とサモア的な文化との相性が良い素晴らしい落とし込みで、これぞディズニーと感心させられました。

ただ2から登場したサブキャラ、ヴィランたちの内面はほとんど掘り下げが無かったので、モアナやマウイと比べ感情移入しずらいところは少し残念かなとは感じましたね。



音楽について


特に言うこともなく素晴らしいですね。
とにかく聞けというパワー全開のナンバーが揃っています。

アニメーション面においても『アバター』的な自然の圧倒的な表現・映像美によって、オセアニアのリズムとの素晴らしい調和を生み出しています。

個人的おススメは日本語版ではソニンさんが歌唱を担当する

『迷え』

ですね!

アップテンポでソウルフルな楽曲、ソニンさんのパワフルな歌声、そして激しくも美しいアニメーションは圧巻の一言に尽きます。


この曲で日本語訳詞をラッパーのDiggy-MO'が担当する!理由が腹落ちしました笑
(観に行く前の一番の驚きでした笑)

(以下Diggy-MO'さんの楽曲も載せておきます)


おわりに


まとめると、

前作を見た方、そしてファンはもちろん、見ていないよという方にも楽しめる要素が詰まった、この冬おススメの作品です!


現在絶賛公開中なので、

興味をもっていただいたのなら皆さま是非劇場で見ていただきたいです!


ご覧いただきありがとうございました!



おまけ WWE的視点の考察


ここからが個人的本編です。笑

本作のマウイを英語版で演じているのはWWEのスター改め、ハリウッドのスターである”ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソンです。(ここからはロック様と呼びます)

ロック様はサモア系と黒人のハーフであり、祖父(ピーター・メイビア)、父(ロッキー・ジョンソン)というプロレス名家の出身です。

なのでオセアニア文化をテーマとした『モアナ』にサモア系の血を持つロック様が起用されるのは妥当な人選であるでしょう。

WWE時代のロック様

話は変わりますが、そんなロック様のサモア系の血筋を組む「アノアイファミリー」世界最高峰のプロレス団体WWEにおいてメインストリームとなっています。

「アノアイファミリー」による血縁を中心としたユニット(チームor軍団)「ブラッドライン」にはローマン・レインズ、双子のウーソズジミー・ウーソジェイ・ウーソ)、ソロ・シコアといったロック様と血縁関係のあるスーパースターたちがおり、躍動しています。

ブラッドライン+CMパンク

『モアナ』シリーズにおいても血縁やこれらに基づく儀式が重く扱われており、アメリカ的なオセアニア文化というものは実はWWE由来の部分も大きいのでは?と考えられそうです。

なので、ぜひ『モアナ』面白かったと思ったら、WWEも見てねー、と言いたいですね。笑

日本ではABEMAで無料で見れます!!!


そして私がWWEの見過ぎなのか、『モアナ2』を見ているとき、マウイの曲『Can I get a Chee Hoo?』(日本語版『できるさ!チーフー!』)と「ブラッドライン」のジェイ・ウーソの入場曲が似すぎていて、このことが頭から離れなくなりました笑 これは偶然?

ぜひどちらも確認していただける方の意見を頂きたいです。


完全なる蛇足失礼いたしました。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。





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